・登場人物は全てオリジナルのキャラクターです(一次創作)
・BL要素を含みますが、やらしい描写は無いです(多分)
・設定などがぶっ飛んでいることがあると思いますが、お見逃しください()
それでもいいという人は、どうぞ↓↓↓
連れてこられたのは、いかにも隠れ家として使ってますっつー雰囲気を漂わせた建物だった。廃墟みたいな建物の中から、人の視線をいくつか感じた。不意に、ヴォルテが俺に「俺の話に合わせてくれよ」と耳打ちした。何のことか分からなかったが、とりあえず分かったと返しておいた。俺はいくつもの警戒心を含んだ視線を受けながら、建物の中に入った。そしたら、一人の男が俺らの前に立ちはだかった。
「ヴォルテさん。どういうつもりなんすか」「まぁまぁ落ち着けよ。確かにこいつはあのオオヒにそっくりなんだけど、実は顔が似ているだけのそっくりさんなんだよ。その上名前も大斐だって!すげーよな!」「…」…ヴォルテ…。そっくりさんはともかく、名前も同じなのは少々無理があるぞ…。「…そうだったんすね」え、まさか信じた…?!ちょっと色々心配だぞこの組織…!こんなんで反逆者グループが成り立つのかよ…!…てかさ、ちょっと待って、俺こいつの事も知ってるぞ。…名前は確か…。
「うんうん。大斐は‘エラー’を起こした人間だ。ついさっきここに連れてこられて混乱してるみたいだから、今から俺が色々話を聞かせてやるところなんだ。…あぁ、大斐、こいつのことを紹介するよ。俺がこのグループの1番手、斐甍が2番手なら、こいつは3番手ってとこかな。名前は…」「ア、」「え?」「あっ、いやなんでもない!ごめんごめん、名前は何て?」俺の馬鹿!仮にも初対面の奴の名前を先に言ったら怪しまれるだろーが!もー、何でもかんでも声に出す癖なおさなきゃ!「あぁ、彼はアルテ。てことでアルテ、大斐には優しくしてあげてね?」「…あの人をどうしても思い起こしてしまう。だから少し慣れるまで時間がかかるっす」「そうかもだけどさ、大斐は指導者じゃない。そこはちゃんと分かって欲しいな」「…善処するっす」「よし、じゃあ他の奴らにもそう伝えといて!俺たちは上の階にいるから」「了解っす」「じゃあ大斐、行こうか」「あ、あぁ」ヴォルテと兄貴に囲まれながら、錆び付いた階段を登って行った。
ドアを閉め、外に聞き耳を立ててる奴がいないか確認した兄貴が、俺の隣に座ったヴォルテの耳を引っ張った。「イテテテテ!」「お前なぁ、いくら何でも名前まで同じだと怪しまれることくらい分かんねぇのか」あ、そりゃ兄貴もそう思うわな。やっぱ俺らの思考って似てるな。「だってさぁ、偽名を使うのは後で色々不都合じゃん」引っ張られて赤くなった耳をスリスリと撫でながら、ヴォルテは恨めしげに兄貴を睨んだ。「不都合?」「例えばなんならかの緊急時に、咄嗟に偽名で呼ばれても、すぐに自分だと気づけなくて危機を回避出来なかった、みたいなことも考えられるでしょ?長いこと偽名を使ってたならともかく、ずっと実名で生きてきたんだからもうそのままでいいんだよ」「…一理あるが」「でしょ!もう、お前に潰された耳の細胞返せよー!」「はぁ、すまなかった。お前がそこまで考えてるとは思わなかった。ところで大斐」急に話を振られてびっくりした。「うん、何?」「さっきヴォルテがアルテのことを紹介しようとした時、お前は彼の名前を知っていたようだったが。もしかしなくても、お前が元いた世界とやらで彼と知り合いだったのか?」…えっ、兄貴の観察眼やばくね?!素直に感激だわ。「うん、まぁね。アルテはヴォルテの従兄弟なんだ。…従兄弟も分かんねーか」兄貴とヴォルテが2人して首を傾げたが、すぐに俺に向き直った。「とりあえず、お前の世界についての情報やお前がどうやってここに来たかは保留する。そのことは正直言って俺たちには重要じゃないからな」「ヒイラの言う通りだよ。だからお前に、俺らが知ってるこの世界についての情報を伝えるから、よく聞いてね」「え?!あ、待った待った、スマホ取り出すから」「…そのスマホとやらについては後で問いただすとするか」「そんな事言われても、電波ないからやれることなんてすげー制限されるけどな、まぁいいや、録音の準備は出来たからこの世界について教えて…ください」
こうして聞かされた情報は、とてもじゃないけど1回聞いただけじゃ覚えられないくらいの量だった。スマホ持ってきて良かった。
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