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今日はふっかさんと佐久間くんがいる。
🖤「2人が起きてる間に、結局プログラミングの人から連絡あったのかもわからないし。どうなっちゃうんだろう」
🩷「スゲーな、ゲームの世界みたい」
💜「ほんと、でも現実だからなぁ。…ん、めめスマホ鳴ってない?」
見ると知らない番号。
このタイミングなので何となくとってみた方がいい気がして、通話にすると相手は件のプログラミングの人だった。
自分たちが動けなくなってきている事に気づいた阿部ちゃんたちが、俺の連絡先を伝えたらしい。俺は仕事で日中いなかったし、帰ったら2人とももう眠っていたので了承を得る時間も惜しかったようだ。
件の人はまず阿部さんを未完成のプログラムに巻き込んで申し訳ないと俺に謝り、それから現状を確認すると、『リセットプログラム』というのを送ってくれた。
アバターをリセットできるプログラムらしい。開発中ではあるが、これが正常に作動する事は確認済みだと言われた。
『1つだけ。阿部さんが意思表示できない今、目黒さんが選んだほうの阿部さんがリセットされてこの世界から消えるので、どうか慎重に』
それをスピーカーで聞いていた佐久間くんとふっかさんも、それがどういう事を意味するのかは理解したようでスマホを凝視して固まっていた。
🖤「俺が選んだほうの阿部ちゃんが消える…」
🩷「俺らも一緒に見よっか?」
💜「バカやめとけ、あれこれ言ったら混乱するかも」
🩷「でもさ、蓮1人に責任負わせらんねーじゃん」
💜「それはそうだけど…」
俺が見るだけ見て?と頼むと、2人は寝室へ向かい阿部ちゃんを見てきた。俺は2人の推測が変に耳に入らないように、同行せずにリビングで待った。
🩷「蓮ごめん、俺ら全然わかんねーわ」
💜「見れば見るほど、どっちも本物にしか見えなくなる」
🖤「そうだよね。俺もそうだもん」
この様子だとバグを起こしているので、あまり長く放置すると残った阿部さんの身体や記憶などにも何か影響が出ないとも限らない、と言われてしまい、改めて俺が寝室へ向かう。
服と寝相は違うけど、同じ顔の阿部ちゃんが眠っている。ノイズでシーツが透けて見える。
このまま消えてしまうんじゃないかという焦りに支配されそうになるけど、絶対に間違えたくない。
深呼吸して、頭の先から脚の先までじっくり2人を見比べた。
🖤「……あ」
コメント
4件
2人いるのがおかしいのはわかってるのに消えると言われると悲しい。🥺
あん。かなしい。