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彼は学校の屋上で1人
その大きな瞳にこの小さなこの世界を写して笑った。
君の世界に俺は一体どう写っているのだろうか。
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「こんにちは。今日は暑いね」
部活の休憩中。体育館の影になっている日陰で1人壁にもたれ掛かりながら休んでいた俺にそいつは話しかけてきた。
初めましての今まで見たことも話したこともないやつに。
「…だれ?お前」
つい零れた本音に目の前のそいつは笑う。
「あっはははw」
それはもう愉快に。
「誰?か…うーん俺は誰なんだろうねぇ」
顎に手を添えていかにも悩んでますみたいな顔をするそいつ。
髪を真っ赤に染めて目の色は左右非対称。それに加えピアスをばちばちに開けていて制服は着崩している。校則違反フルコンボのような姿だ。
顔が整っている故に違和感なくスっと入ってくる姿だが不細工な奴が同じ姿をしでもしたらそれこそ笑いのネタにされるだろう。
てかこんなやつ学校にいたのか…
こんな格好のやつ噂にでもなりそうだけど今まで聞いたことない。
ていうか誰と聞かれて何をそんな悩む必要がある。
「…俺のことはいいから君今何してるの?」
「何って、、見りゃ分かんだろ。休憩してんの」
「なるほどねぇ…1人で?」
「悪いかよ」
「…んーん別に。」
「なんか用?」
「そうだね、君にようがえある。俺君を探してたんだ」
「?」
「やっと見つけたよ」
指をこちらに向け満足気な顔をするそいつ。
「俺は君の恋人になる人だよ」
何言ってんだこいつ。
「何言ってんだって顔をしているね。君は俺に全部顔に出ると言っていたけれど君も大概顔に出る」
「変わってなくて安心したよ」
意味のわからない言葉を並べる目の前のそいつ。
「…お前は誰なんだよ」
同じ質問を再度投げかけた。
得体の知らないそいつ。今までの俺なら関わらないのが良いと早々にその場を逃げ出していただろう。
何が俺をそうさせるのか分からない。
なにか理由を無理にでもあげるとするなら満足気に笑った顔が誰かに似ていたからかもしれない。その誰か、が誰のことかわからないけれど。
「俺はね、誰なんだろうねぇ。」
「いや名前くらい..」
「…名前かぁ。困ったなぁ。…うーんそうだなぁ」
名前くらいで何そんな悩む必要があるのだろう
「名前君には教えたくないんだ。でもそうだな、もし名前を呼んでくれるなら俺のことは莉犬って呼んでよ」
「りいぬ…?」
「そうそう莉犬」
「ていうかさっきの恋人どうこうってなんだよ。見つけたとか。俺ら初対面だよな、」
「そうだね初対面だ。」
「じゃあなんで」
「今はまだ秘密。…多少なら話してもいいけれど、君はそろそろ部活に戻らないとなんじゃないのかな」
そう言われ腕時計をみた。あと30秒程で休憩時間が終わる
「うわやべっ」
急いでその場を駆け出した。後ろを振り向くともうそこには誰もいなかった。
ちなみに時間には間に合わなかった。
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今までとはちょっと違うお話です‼️🫣
ちょっとファンタジーかも..?