🤍「2人でいる時のめめとしょっぴー、変なんだよ。友だちの距離感じゃない。……」
ただ美味しいご飯を食べてエスコートして楽しい時間を過ごしたかっただけなのに、自分で余計な話をして壊してしまった。
もう少し自分は思慮深いと、考えて動けると思っていたのに。
言うだけ言って落ち込んで、俯いて言葉を失う俺の頭に、それまで黙って聞いていた阿部ちゃんの声が降ってきた。
💚「ラウールは、それをどう思ってるの? 」
🤍「あの……」
めめが阿部ちゃんを大切にしてないように思えて、嫌だ。そんなめめなら、きっと俺の方が阿部ちゃんの事を好きだ。
俺が顔をあげてそう伝えると、阿部ちゃんはまた微笑んだ。
💚「ありがとう。優しいね」
そして、何かを差し出す。
見ると、スプーンに乗せられたデザートだ。
💚「はい。せっかく美味しいもの食べに来たんだから。食べよう?」
反射的に口を開けると、そのままスプーンを運んでくれた。
阿部ちゃんみたいに、甘くて優しいクレームブリュレ。
きっと、この味を一生忘れる事はないんだろうなと思った。
店を出て、料理の感想をあれこれ言い合いながら歩く。
もう少し話したくて、時間が大丈夫ならカフェにでも誘おうかと
🤍「この後どうする?」
と何気なく尋ねた。
すると阿部ちゃんは少し考えて立ち止まる。
一緒に止まると、あのさ、と少し間を置いて
💚「俺の家、ここから近いんだけど…来る?」
🤍「え」
俺はその時、あまりの衝撃に一生忘れるまいと思ったはずのクレームブリュレの味を綺麗に忘れた。
コメント
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ああ、でもちょっとホッとしました…