阿部ちゃんの部屋は本がたくさんあって、でも綺麗に整理されていた。
しょっぴーや康二くんが、全然家に入れてくれないってぼやいてたっけ。
めめはさすがに来たことあるのかな。
考え事をしていたら「適当にかけて」とキッチンでコーヒーを用意する阿部ちゃんに声をかけられ、とりあえずソファに座る。
コーヒーを片手に、料理の感想の続き。
めめの家で飲むコーヒーと同じ味がして最初こそ胸が痛かったけど、今日の2人にしかわからない話を続けているうちにどうでも良くなった。
あのソースは何だろう、とか疑問がわく度に阿部ちゃんがすぐ調べてくれて、検索画面を一緒に覗き込む。
そんな事を繰り返していると、自然と物理的な距離も縮まってほぼ密着状態。
ただ、 阿部ちゃんの様子を見るに、恐らくドキドキしているのは俺だけだ。
一通り感想も終わって無言になる。
何か話そうと話題を考えていると、阿部ちゃんのスマホが鳴った。
💚「あ、めめだ」
2人だけの時間を楽しんでいたのに、一気に現実に引き戻される。
ちょっと待っててね、と当たり前のように電話をとろうとする阿部ちゃんを咄嗟にソファに倒し、スマホを奪って手の届かないラグに放った。
🤍「……今は俺だけ見て?」
💚「ラウール…」
ここまでで、俺は阿部ちゃんから全く恋愛対象として見られていない事に気付いてしまった。
誰にでも向けられる範疇の優しさをもらって浮かれていただけ。
だから、阿部ちゃんを見下ろしながら言った。
🤍「阿部ちゃん、いくら何でも無防備すぎない?俺がこういう事するかもとか考えなかったの?」
コメント
2件
うわ、この話飛ばしてた😭😭😭 でも、予想は当たってました。 あべちゃんブレなさすぎ💚さすがすぎ