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この日から、幸せだと思っていた日常は、少しずつ狂っていった。
祖父母の家で暮らすことにはなったものの、あまり良い扱いではなかった。
言ってしまえば僕のせいで、祖父母の子供は死んでしまった、ということになる。だから、祖父母は僕たちを恨んでいたんだと思う。ご飯や、お風呂などはちゃんと用意してくれる。必要最低限の暮らしはさせてもらえていた。
だけど、圧倒的に愛が足りなかった。
まだ小さかった僕たちには、もっと愛が必要だったと思う。
だけど、子供が殺された原因を作った僕たちに、愛なんてくれるわけが無い。愛情を注がれず育った僕たちは、少し捻くれた考え方になっていった。
両親がいないから、習い事もできないし、遠出もできない。自分たちのせいだって認めたくなくて、祖父母のせいにして。
これ以上迷惑はかけられないと思い、中学生になったときに、僕たちは高校生になったら祖父母の家を出て、二人で暮らすことを決めた。
二人で暮らすとなれば、家賃や生活費が必要になる。そのことについては、ママのお兄ちゃん、叔父に相談して、家賃と生活費は払ってもらえることになった。
高校も僕は少し危なかったけど、何とか合格できて、二人とも同じ高校に通えることになり、現在に至る。
今日も、楽しかった日々に戻ることはできない。
暮らすには十分だが、質素な部屋を静かに見つめる。その部屋は僕を余計に寂しくさせた。