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第14話:寄り添い合う日々
妊娠中期に入り、宮舘のお腹は目に見えてふっくらと丸みを帯びてきた。
会社には状況を説明し、宮舘は身体に負担の少ないデスクワークを中心に担当することになった。
体調を最優先にするよう上司や同僚たちも温かくサポートしてくれたが、誰よりも甲斐甲斐しく、至れり尽くせりで宮舘を支えていたのは他ならぬ目黒だった。
「涼太さん、重いものは俺が持ちます! あ、そこ段差があるから気をつけてください」
「涼太さん、冷えは禁物です。このひざ掛け使ってください」
オフィスでも家でも、目黒の視線は常に宮舘に向けられていた。
過保護すぎるほどの彼の様子に、宮舘は苦笑しつつも、その深い愛に包まれる毎日に温かな幸せを感じていた。
そして何より宮舘を驚かせ、胸を熱くさせたのは、目黒の「勉強」に対する姿勢の変化だった。
学生時代から勉強や座学が大の苦手で、会社の事務作業でも頭を抱えていたはずの目黒が、リビングの机に向かって連日猛勉強を始めていたのだ。
机の上に山積みになっているのは、
『初めての妊娠・出産百科』
『男性パートナーのための育児手引き』
『離乳食と赤ちゃんの栄養学』
といった分厚い育児書の数々だった。
目黒は付箋を何十枚も貼り、マーカーで重要な箇所をひたすら引き、ノートにびっしりとメモを取っていた。
あまりにも熱心に読み込むものだから、分厚かった育児書のページはどれも角が擦り切れ、ボロボロになっていた。
宮舘がそっと近づき、目黒の肩を叩いた。
目黒がハッと顔を上げると、宮舘は優しく微笑みながら、タブレットに文字を打ち込んだ。
『目黒くん、夜遅くまでずっと勉強しているね。無理をして体調を崩さないでね』
目黒は照れくさそうに頭をかきながら、スマートフォンの音声アプリを起動して語りかけた。
『全然無理なんてしてないです! 俺、勉強は本当にダメダメだけど……涼太さんとお腹の子のことなら、どんな難しいことでも全部覚えたいんです。涼太さんが耳が聞こえなくて不安な分、俺が何でも知っておいて、一番の味方になりたいから』
アプリの画面に表示された真っ直ぐな言葉。
自分と赤ちゃんのために、苦手な勉強に死に物狂いで向き合ってくれている。
その不器用で誠実な姿が愛おしくてたまらず、宮舘の目から温かい涙がこぼれ落ちた。
宮舘は静かに目黒に寄り添い、その大きな背中にそっと抱きついた。
『ありがとう、蓮くん。すごく心強いよ』
タブレットで見せた感謝の文字に、目黒はお腹を刺激しないよう優しく宮舘を抱き返し、ふっくらとしたお腹に手を当てた。
その時――ポコン、と小さく手に手応えがあった。
「……っ! 涼太さん、今、蹴った……!」
目黒が目を輝かせて驚く。
赤ちゃんが、二人を応援するように力強くお腹を蹴ったのだ。
言葉や音を超えて、確かに響き合う家族の絆。
ボロボロになった育児書と、日に日にお腹の中で大きく育っていく命。
二人はしっかりと手を携え、新しい未来の扉へと一歩ずつ歩みを進めていた。
次回、最終回!!
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コメント
1件
うわあああ第14話読み終えたよ…!😭💕💕 目黒くんが苦手な勉強を必死に覚えて、育児書ボロボロになるまで読み込んでるところ、マジで尊すぎて鼻血出るかと思った…!「涼太さんとお腹の子のためなら」って言葉にキュン死にしたよ🫠💘 そして最後の赤ちゃんのキック!!確かに二人を応援してるみたいだね…家族の絆を音じゃなくて感じ合える描写に完全に持ってかれた😢✨ 次回最終回ってマジ?!最後まで目が離せないよ…! クリオネ? さんの紡ぐ優しい世界、ずっと応援してます🌸