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水面
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蒼羽@不定期投稿
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この瞬間、A先生の首を絞めたのは“目”だけど 違う、違うって言っていたのは北先生。 首を絞められても、北相手には抵抗出来なかったアサヒとは違って、 A先生は腕を折ろうとしてまで抵抗してきた。 そんな2人がもう完全なる別物で、アサヒはどこにもいないと実感した。
あっ、読み終えたわ!「はる。」です。 今回も重かったなあ…特に北先生がA先生の首絞めて「ちがう」って繰り返すシーン、めっちゃ背筋冷えた。A先生が「腕の骨折る」って言い返すとこは逆にちょっとホッとしたけど。 で、最後の「器となった北の精神力が強くて、”目”が掌握しきれてない」って考察、すごい納得。あの一瞬の正気がむしろ怖いよ…。 あと「燃え上がれ、燃え上がれ少女」って表題に戻るみたいな締め、めっちゃ痺れた。続きめっちゃ気になる🔥
早く寝よう、色々なことがあって疲れてしまった。
そう考えながら、わたしは廊下を早足で歩いていた。
今はちょうど9時頃、他の生徒もぞろぞろと
寝る場所の確保のために同じ場所に向かっていた。
それは体育館。狙いは体操用のマットである。
とはいえマットにも限りがある、早く行かないと…
さらに歩く速度を早めると、後ろから誰かに肩を掴まれた。
「うわっ…!って、A先生…?」
「ごめんね、驚かせちゃったかな」
「な、何か用ですか?」
「昨日も言おうと思っていたのだけど…」
それは、保健室のベッドを使って寝ないかということ。
その手があったか、他の生徒はまだそれに気付いていないようだ。
でも、なぜわざわざ私にだけ声をかけたのだろう。
A先生と兄は別物で、記憶なんて残されていないはずなのに。
「なんだか…君を見ていると、放っておけないんだ」
「…え?」
「はは、おかしいよね。特定の生徒にばかり構うのは
いけないことなんだけど…校長には秘密だよ」
さ、行こう。そう言われ、頷く。
…不思議だ、本当に。
前を歩いているA先生を見て思ったのは、それ。
私たちがこの学校で会ったのは、偶然か必然か。
すべて校長が仕組んでいる可能性が高いが…
ということは、校長は私たちの関係を知っている?
だとしたら、どうやって…
そう考えていると、もう保健室に着いていた。
「どこでもいいよ、一番奥がいいかな」
「あ、じゃあ…そこで」
わたしは、いそいそと一番奥のベッドに潜り込む。
まだ眠たくはないが、さっさと眠ってしまいたい。
「もう電気消したほうがいいかな」
「はい…でも、まだ仕事があるんじゃ」
「大丈夫、暗い場所でパソコン弄っても、視力は悪くならないから」
そうだった、ロボットだから関係ないんだった。
そう、この人はアサヒではないから
お兄ちゃんとは呼べない。過剰には甘えられない。
開いたカーテンから、夜空が見えた。
ここら辺は高層ビルも電灯も無いようで、星が綺麗に見える。
「カーテンも閉める?」
「いえ、このままで…星が綺麗なので」
「そうだね、ここの良いところといえば…そこしか無いから」
そんな会話を交わしてから、わたしは目を閉じた。
…どれだけ時間が経っただろうか。
ほんの数秒のような気もするし、何時間も経っているような気がする。
瞼の裏を見つめているだけで、それは睡眠ではない。
眠れない。ずっと、ちらついてしまうから…
その時、扉が開いた音がした。
A先生が職員室にでも行ったのだろうか。
そう思ったが、違うようだった。
「A先生」
「どうしましたか?北先生」
北先生の声だ。こんな時間に、A先生になんの用事だ?
冷や汗が頬をつたり、枕に染み込んだ。
北先生は私がいることに気づいていないようで、
そのまま変なことを言い始めた。
「A先生、あなたの名前は?」
「私は、旧量産型タイプA。識別番号092、個体名はありません」
「そうですね。私の名前は?」
「…?北マツビ先生です」
一体なんの意味がある質問なのか、わたしには分からない。
だがそれはA先生も分かっていない様子だった。
「そうです…あなたは、違うんです」
「何の話でしょうか」
「あなたは、違うのに…」
ドンッ、と鈍い音が聞こえた。
A先生の咳き込む声が聞こえてくる。
何が起きているのか?目を閉じているから分からない。
そもそも、自分が飛び出していって何か出来るビジョンが
全く思い浮かばなかった。結果、沈黙を選ぶ。
「北先生、私にも呼吸の概念はありますので、
首を掴まれると苦しいです」
「…そうですか、何も思い出しませんか?」
「なんの、話でしょうか」
流石にこれはまずい、そう感じてきたわたしは、
薄目を開けて見てみることにした。
そうすると、奥の方で北先生がA先生の首に
手をかけている様子が見える。
A先生は最初無抵抗だったが、徐々に抵抗の意思を見せる。
「北先生、悪ふざけでないのでしたら実力行使に出させていただきます」
「…ちがう……」
「北先生。腕の骨を折りますよ」
そう言って、A先生は北先生の腕を掴んだ。
まずい、あの人本当に折るつもりだ。
だが北先生もそれを察した様子で、すぐに手を引っ込めた。
「……ちがう、アサヒは、彼は」
「北先生、少し休んではいかがでしょうか」
「あれ?わたし、こんなところで何をしていたんでしょう」
「…北先生?」
北先生は、またとりとめのないことを話し始めた。
…いや、先程までの会話は、何を意味していたのか……
A先生が、オリジナルの記憶を保持していないかの確認?
もし何かのアクシデントで、すべて思い出してしまっていたら。
人殺しの地球外生命体、”目”は教職員からの信用を失うだろう。
それを避けるために、アサヒを殺したときのように、
A先生の首を絞めて確認したのだ。
結果は、実力行使。アサヒの記憶があるなら、
北先生に対してそんなことはしない。
ここまでの言動については、それで納得がいくが。
なぜ急にしらを切り始めた?
「それでは、失礼しました」
北先生が、保健室から立ち去った。
その時私の頭をよぎったのは、ある可能性。
これが本当だとしたら、辻褄が合う点が生まれてくる。
器となった”北”の精神力が強く、”目”は未だそのすべてを
掌握しきれていない、ということ。
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燃 え 上 が れ 、 燃 え 上 が れ 少 女 。