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あの〜 この作品「大嫌いなクソ先輩は大好きなネッ友だった?!」と同じな気がするんですけど😅 (作品名違うかったらすみません)
こちらは某関西弁実況者様のお名前をお借りしてとりますが、本人様達には一切関係ございません
※先輩後輩
「あ、ショッピ。今日は早いやん!!」
syp「げ……」
「はぁっ!?げ、ってなんやし!!!」
白濁とした空には似つかない金髪が、冷たい風に吹かれて揺れた。冷たい風が、より一層冷たく感じる。
扉の前には、身長が高く水色の瞳がよく目立つ、同じ制服を着た見慣れた人物が立っていた。
syp「クソ先輩……なんで来たんすか……」
kn「え〜?w別にええやろっ!!!」
クソ先輩……こと、……名前なんやっけ。えと……まあええか。
高3の、1つ上の先輩。学年問わず名が知れていて、名前を聞いたことはあるという人が生徒の大多数。全国大会優勝に導いたサッカー部エース、そのくせに読書家で勉強もできる。何より整いすぎている顔面。教師からの信頼もあつくて有名校の推薦もとっているらしく、いわゆる人気者ってやつだった。
けど、俺にはまるで気持ちが分からない。確かに運動できて勉強できて凄い人やで?けどさ、バカみたいにうるさくっていっつも俺に付き纏ってとにかくうざくて、うざくて……
syp「まじ……はぁ、」
kn「どーしたん」
syp「アンタのことですよクソ先輩」
とぼけたような顔をして、まるで何事も無いかのようにヘラヘラと笑う。
kn「まぁまぁっ!!」
syp「何がまあまあやし……」
奥から自転車を引っ張り出してきて、ヘルメットをカゴの中に入れたまま、重たい自転車を押していく。
syp「……なんで先輩歩きなんすか」
kn「え〜、自転車わざわざ買うの勿体ないやん。ここ、学校から近いし」
syp「ゆーて2キロくらいありますよ……?」
kn「……ぇ?2キロやったら外周と同じやろ。そんなないやん」
syp「……運動部陽キャが」
kn「ん?」
syp「いや、なんにも」
歩きより自転の方がええやろ。先輩、金持ちなんでしょ。自転くらい買えよ……
kn「そういやさ〜!!!」
syp「……あー、はい、そうですね」
先輩の話に、適当に相槌を打って、ボーッと街並みを眺める。あんなに葉を茂らせていた樹木は今となればもう枝だけとなっていて、どこか寂しい。近くの図書館や喫茶店は朝早くから開いているようで、勉強に励む受験生の姿が見られる。あー、俺らも来年はこんなんなるんか……まあ、適当に偏差値そこそこの学校行けばいいやろ……多分。
隣にいる先輩は……あ、そっか、この人推薦もらってるんやった……同じクラスの奴等が勉強してる中この人は暇なんか……うわ、人生勝ち組が……
syp「……先輩って暇やないんすか、部活も引退してるし勉強もないんに」
kn「あ、え〜……」
少し戸惑ったように、声のトーンが落ちる。
なんや、この先輩悪いことでもしてるんか?
kn「ぁ……ぃや、ゲーム……してるんよ、好きな、やつがあって……」
syp「へー……なんのゲームなんすか」
kn「え゛、」
今までに聞いたこともないような絶望に溢れた声がして、先輩の顔は俺のいる逆方向に向く。
なんや、エロゲーでもやってんの??よっしゃ、散々煽ってやろ。
kn「ぁ……ゆ、有名な、FP……」
ci「あ、ショッピ〜!……と、先輩!!」
先輩が少し声を漏らしたのと同時に、クラスメイトであるチーノがこちらに駆け寄ってくる。後ろには大先生の姿も見えて、先輩はこちらに軽く手を振った後、大先生の方へと向かっていく。
あーあ、惜しかったんに。というか、えふぴー、って言ってたよな……?有名な、って言いかけてたしゲーム名じゃなくて有名な〇〇ゲーなんやけど、ってジャンル言おうとしてたんか?FP……FPS、?俺がやってるのと一緒やん。え、こんなところで同じ趣味が出来たとか言ったら絶対またしつこく話しかけてくるやん……え、え……というか趣味一緒とか……
いつも回らない頭が何故かぐるぐると回るのを不思議に感じつつも、現実を否定したくて必死に考える。
ci「……大丈夫、?ショッピ。顔険しいで……?」
syp「え、ぁ……マ、?」
眉間に皺が寄っていたのか、チーノが心配したようにこちらを覗き込んでくる。
syp「ゃ……大丈夫」
ci「……ならええけど……それよりさ、」
チーノが軽く3年下駄箱に消えていく大先生達を見ながら、こちらに向き直る。
ci「……お前ってコネシマさんと仲良いんや……朝からビビったわ……」
syp「……コネシマさん、?」
頭の機能が停止する。
あ、え、コネシマ先輩ってワイのネッ友の名前よな……?なんでこいつが知ってるん、????
ci「え……お前、あの、朝一緒におった人……」
syp「クソ先輩のこと?」
ci「え、お前そうやって呼んでるん……よう怒られんな……」
チーノは有り得ない、と言った表情でこちらを見ながら靴を下駄箱にいれる。
syp「え、あの先輩がどうかしたん、?」
ci「いや、有名人やん。よう絡めるな、って」
syp「……こっちは絡まれてウザいくらいなんやけど」
ci「ぇえ、……」
遠くの方で、コネシマ先輩、と女子の騒ぐ声が聞こえる。
syp「……あの先輩、コネシマ、って言うん、?」
ci「え、うん……お前、覚えてなかったん、?」
syp「……覚えてないけど、そんな」
下駄箱から廊下に出て高校棟に繋がる階段をのぼる。階段は広くて、合流した大先生達と並列しても大丈夫だった。チーノ、俺、先輩、大先生の順で横並びになる。
syp「ぁの……コネ、シマ先輩……、?」
kn「ん?」
返ってきた優しい声には、聞き覚えがあった。
まさか、まさか、まさか……いや、流石に、……だって、プレイヤー名を本名にする人とかさ、?ね、?
kn「……どーしたん、?」
syp「〇〇っていうゲーム知ってます、?」
kn「え?おん。やってるけど?」
syp「ゃ……そーっすか、」
よく考えたら、声も似てる気する、あの特徴的な笑い方とか……
いや、ありえんやろ、ありえんって。おかしい、おかしい……そんな、偶然……
ci「……ショッピ、教室こっちで?」
syp「あ、……うん、」
ci「どーしたん?なんか、おかしくない?今日」
syp「……んなこと」
上がりそうな熱を必死で食い止める。
どれだけ現実を否定したくとも、否定しきれない。だって、現実だから。
朝から頭を使いすぎて頭が痛い。そうだ、忘れよう。うん。
目の前がぐるぐるして、先輩が薄く笑ったことに、俺は気づかなかった。
前回 ❤︎ ありがとうございました .ᐟ .ᐟ
とても嬉しい です ❤︎ ( ˶’ᵕ’˶)
閲覧ありがとうございました ❕