side深澤
謝りながらも泣き続ける翔太に近づくと、わかりやすく肩をびくつかせる
手を伸ばして抱きしめると、両手を振り回して拒否してくる
「やっ!触らないでっ!」
「翔太、俺だよ、ふっかだよ」
「っ!やっ!…やだ!」
両手を掴んで少し強引に唇を重ねる
「っん!…ぁ、や、」
「ん、しょーた」
「んふ、んぁ」
合間で言葉を重ねてキスで宥めると、少しずつ腕から力が抜けてくる
「ん、大丈夫だから」
「…ふぁ、ん、、」
「大丈夫」
「ん…」
抵抗がなくなったのを確認して、唇を離すと翔太の大きな目に自分の姿が映り込む
「ふっか…?」
「うん、ふっかだよ」
「…っ!ふっか…うぁ〜」
堰を切ったように泣き出す
「よしよし、怖かったよな、もう大丈夫だから」
優しく抱きしめて背中をさする
「こわ…かっ…た」
「うん、そうだな」
「こわかった、のにっ…ふっか、いなかっ…」
「うん、ごめんな」
「うっ…ふっ…ちが…ふっか、わるくなっ…ぅう〜」
「うんうん」
俺たちが付き合ってることをほとんどのメンバーは知らないから、俺に抱きついて泣く翔太にみんなが驚いている
「(え…、翔太が深澤に甘えるなんて珍しくない…?)」
「(俺もあんな翔太初めて見たかも…)」
後ろでメンバーがひそひそと言葉を交わしている
まぁびっくりするよな〜と思っていると落ち着いてきた渡辺が不意に顔をあげた
「ふっか…もっかい、もっかいキスして…」
多少落ち着いたもののまだ混乱はしているらしく、普段なら絶対言わない言葉を発する
「…っ?いいけど…」
交際をメンバーに隠したがったのは、恥ずかしがり屋の翔太の方だ
みんなの前でキスをねだるなど普段からは想像できない言動に驚いてつい返事につまった
「…っ、いやなの…?」
それを悲観的に捉えたらしい翔太の目に涙が溜まり始める
「…っ!嫌じゃない、嫌じゃない。ただ、翔太はいいのかなって…」
「…してよ、まだ怖いんだもん」
まだショックから立ち直ってない翔太は、ここが楽屋でメンバーがみんないることなんて頭からすっかり抜け落ちている
抱きついたまま、少しだけ体を離し、上目遣いに眉毛を下げて見つめてくる
(うわ…、もう…めちゃくちゃかわいいし…、、でもこれ、絶対、後で怒るよなぁ〜笑)
「ふっかぁ、?はやくぅ…」
肩に置かれた両手が服を握って催促してくる
おまけに小首も傾げ始めて可愛さ倍増である
2人っきりの時でさえ、こんなに甘えられたことはない
普段がツンツンしている翔太からは想像できない甘えっぷりにみんなも呆気にとられてる
(まぁもうさっきのキスでバレてるしな…)
正気に戻った翔太に文句を言われることは確定だが、今は不安を取り除いてやることが優先だ
「ん、わかったから。目ぇ閉じて?」
「ん」
頬に手を添えて、いつもよりも、ことさらに優しく唇を重ねた
「大丈夫?」
「ん」
「怖くない?」
「だいじょぶ…」
「ん、よかった」
怖がらせないようにと、優しくキスを重ねていたら、じれったいのか抱きつく腕の力が強くなる
「…ん、ね、もっと」
とことん甘えモードだ
「ん、しょーた」
「…ん、んぁ、、」
「好きだよ」
少しずつキスを深くしていくと、さらに目が蕩け始めてきた
「…ふっ…か」
「ん?」
「ふっかっ…、ん」
「うん」
「んぅ、、、」
そっと唇を離して翔太を見つめると、俺の目をじっと見た後、ホッとしたような笑みを浮かべる
落ち着いた様子に安心して微笑み返すと、スッと瞼が落ちて体の力が抜けた
「っ!っと」
後ろに倒れそうになったのを慌てて抱き止める
「…ふぅ〜」
息をついたところで、今まで見守っていたみんながそっと声をかけてきた
「えっと…、ふっか…?」
「ん?どした?阿部ちゃん」
「翔太は大丈夫そ?」
「あ、うん、安心して寝ただけだと思う」
「そか、よかった…」
「うん、よかったな…、、、え…?2人って、え、そういう…?」
佐久間が目を白黒させながら聞いてくる
「あ〜…、いや、そうなんだよね…なべが隠したがったから黙ってたんだけど…実は…」
「まぁ翔太は隠したがるだろうね…」
流石に幼馴染は理解が早い
「え!いつからなん…!?」
「…俺、知ってた…」
「え?!めめ知ってたの…?!」
年下組も騒ぎ始める
「ついこの前だけどね、しょっぴーから聞いたんだよね…」
「え、でもめめ、しょっぴーのこと…」
「ラウ、いいから、」
「なーぁ!2人だけで話さんといてーやっ!」
「まぁまぁ、聞きたいことはたくさんあるけど、今日はその辺りにして。ふっかはもう翔太連れて帰りな。」
「ん、ありがとな、照」
コメント
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きゅんきゅんするーーー