テラーノベル
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「では、合奏曲はこれでいいですね。」「はい!」
学習発表会で合奏する曲が決まったら、パート分けの話し合いが始まった。
6学年は全員で48人なので、先生がバランスよくパートの人数を仕分けしていく。
キーボード:1:1
リコーダー8:8
鉄琴:6:6
木琴:6:6
タンバリン:5:5
カスタネット4:4
先生が集会室の黒板にスラスラと書いているのをみながら、私はつぶやいた。
「キーボードは天音確定じゃない?」
叶実がうなずく隣で、天音は言った。
「まぁそうなるの可能性が一番だよね。2人一緒のパートやったら?」「いいね。じゃあ明希ちゃん鉄琴か木琴一緒にやろ!」「さんせーい!」
今のところ、キーボードは天音と古村愛花ちゃんと、隣のクラスの今井三奈美ちゃんと相川柚香ちゃん。
叶実と話し合って私と叶実2人鉄琴に立候補。ちなみに私と叶実以外はいなかった。なんか気まずい!
リコーダー、タンバリン、カスタネットはなんとなく手をあげる人達がいる。てかまだあげてない人もいるし…
「明日から秋休みなので、希望のパートをしっかりと決めておいてください。」「はい。」
家に帰って部屋に戻ると、電話がかかってきた。
「天音からだ。もしもし?」[あ、明希ちゃん??あのさ、秋休み中、あの映画見に行かない?]「あ、あれね!全然いいけど…」[けど?]「私なんかより、波瑠と行ったら?初デート的だしいいんじゃない?」[いやいやいやいや無理だってば!絶対引かれる!!]「そんなデートに誘ったくらいで引いてたら付き合わないし、そもそも好きにならないでしょ!」[まぁそうなのかもしれないけど?どうやって誘うのよ!]「え〜家突撃したりとか?それいいじゃん!決まりね!」[ちょっと明希ちゃ_]
ピッ
電話を切ったと同時になぜか笑いが止まらなくなった。
「……フフフフフフ……ハハハハハ!!」
大げさに笑っていると、ナグがこっちを見てきた。
「やだ、ナグ見てたの!?」「ニャ〜」「もー…おじいちゃんの部屋戻ろうね。」
私はナグをかかえて、おじいちゃんの部屋に行った。
「おばあちゃんって、いつ退院だっけ?」「もう明々後日には帰ってくるぞ?」「あそうなの!?ならよかった。ナグの世話をいいけど、やっぱり面倒くさいし…。」「おいおい…。」「でも、おばあちゃんがナグのことお世話したほうが良くない?面倒くさくてイヤイヤやってもらうより、前のめりになってやってもらったほうがいいでしょ〜。」「まぁそうだけどな?」
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