第一章始まり
窓から光が差し込む中、白いベットの上で目が覚めた。
「う〜ん…此処は?」
そう呟くとドアが開きそこに立っていたのは、黄緑色の瞳に白髪のポニーテール、白衣を着た女の人だった。
「あっ起きたんだね」
「白楼世の近くの森で倒れてたから運んできの」
「私は白煙、倒れてたから運んできたけど、何かあったの?」
何か、…何があったんだろうか。何も思い出せない。ノア、名前はすぐ思い出せたが、他の事を全く覚えていない、思い出せない。 名前しか覚えてないことを教えると彼女は喋りだした。
「うーん…じゃあどこから来たかも分からないか〜」
あっとした顔で手をグーの形にして手の平を叩いた。
「もしかしたら灯月館に行けば記憶戻るかも…」
「私から灯月館に事情は連絡しておくから、行ってみて!はい!これ地図」
「あと住む家ないよね?ここ貸してあげるから」
テンポよく話を勝手に進まされたノアだったが、冒険の始まりに心を弾ませ、ノアの旅 はこれから始まる。
ここは「厄砕」という国らしい、僕は白煙さんに渡された地図を見ながら「灯月館」という所を目指した。
僕が今居るところは「暁東州」という地方、東の方角にある地で、一番人が住んでいるところらしい。 この場所に慣れるためにも色々な場所を見た。
地図を見ながら道通り歩いていると目の前に鳥居階段があることにノアは気づいた。
おかしい、地図にはこんな所記されていない
「ちょっと見てみようかな…」
ノアは、少しぐらいな大丈夫だろうと思い、階段を上がってみることにした。
階段を上がってみると神社ではなく祠のようなものがあるのがわかった。木々の間から差す光が眩しく、小鳥たちの歌声が聴こえてずっとここに居れる気がした。
「あんた誰だ?」
声が聞こえた方を見てみると鳥居の上に座っている人がいる。
「よいしょっと」
ぴょんと飛んで地面に着地したその男の人は、くすんだ赤茶の様な色の髪、長めの睫毛と赤い瞳。そしてさらに特徴的なのは、首にかけた大きな丸くて赤い宝石がついたネックレスが2つと、額から生えた赤い角だ。
「お前どこから来た?旅人か?」
ノアは質問されなんにも答えることができなかった、記憶喪失のノアは、自分自身が旅人なのかどうかもわからない。
「えっと…」
ノアは、今まであったことをすべて話した。
「あー…地図見ながら散歩してたら、ここに…来たってこと?」
「そうです」
驚いた顔をしていた彼曰く、ここは「霊幕」という普通の人間が入れることができない壁のようなものがあるらしい。
「あっごめん!名前言ってなかったな俺は蓮」
「お前は?」
「僕はノアです」
「ノアか!よろしくな!」
花火のような弾ける元気な声で蓮はそういうと彼は猫のように背伸びをし、「よぉーし帰るか〜」という。
「こっち来い俺の首に手まわせ」
「えっ何でですか?」
「あ?お前のこと姫様抱っこすんだよ」
ノアの頭の中は真っ白になった。
「じゃないと帰れねぇぞ?」
「あっ恥ずかしいならおんぶでもいいぞ!」
ノアの頭の中はわけがわからないのと、羞恥心で頭の中がぐちゃぐちゃになった。
「いっいやいや!無理ですよそんなの!」
「はぁ?しょうがねえなぁ腕つかんでろ!」
「えっ?はい…」
腕を掴むと彼は階段から飛び降りた。
「わぁぁぁぁぁぁぁ〜!?」
「うるっさいな!そんな驚くか?!」
「普通びっくりするでしょ?!」
これはこの国で普通なのか、それとも蓮がおかしいのか、それとも、世界共通なのか。ノアは考えるだけで頭の中がぐちゃぐちゃになった。
うん、多分蓮がおかしいんだ、今更だけど角とか生えてるし、妖怪とか、そういう類なのかもしれない。と、ノアは思っておくようにした。
「もうすぐ着くぞ!」
「はいぃ〜…」
そう言うと彼は僕が腕を掴んだ状態から抱きかかえて落下した。
「よーし着いたぞ!ノア!」
「ふぁっ…」
「あ、ごめん。いっつもこの方法で降りてたから、びっくりさせちまったか?」
「、、、」
「おーいあっ、やっべぇこいつ意識飛んでる」
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