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※この物語はフィクションです。
実在の人物及び団体、事件などとは一切関係ありません。
〈File52:Go to〉
「……いっそのこと、全部忘れてくんないかな」
社長の不穏な呟きは、悪寒となって俺の背中を撫ぜた。
――この人は誰だ。
憂いで曇るまなざしや、顔に落ちかかる影、口角の下がった口唇。
骨格も顔立ちも、どこからどう見ても社長だったが、同じ形をした全く別の誰かのようだった。
心の機微を悟らせない横顔から目を離せないでいると、ふと社長の目が俺を捉える。
竦むほど冷たい表情は瞬きひとつで消えてしまい、おおらかな微笑で俺の視線を受け止めた。
「なーに、そんなに見つめて。お金取るよー?」
「社長、今のは……」
なんのことかわからない、というように社長は首を傾げた。
その顔には一抹の憂いもなく、まるで俺がおかしなことを口走ってしまったようだった。
この人の*****************
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