「__と、まぁこんな感じかな」
だてさんに13年前の話をしてもらった
けれど、初めて聞いた話とは思えなかった
既視感……というか
なんか、上手く言えないけど、前にも聞いたことがあるような気がする
そりゃ、実際に体験したことだからね
既視感があるのも当然だよ
__あぁ、そっか
これは、俺が体験したことなんだった
すっかり、他人の話みたいな感じで聞いていた
でも、琥珀たちはなぜ言わなかったんだろう
倒れている琥珀を見つめる
「俺を、殺して」
「俺を殺したら、君は成仏できる」
「君は消えることができる」
「今まで、苦しかっただろう」
「辛かっただろう」
「だから、殺して」
だてさんを殺せば、俺も消えるの?
血も流さずに、ただ、この世からいなくなる
__そういうことになる
じゃあ、殺してもいい、かな
なんでだ
お前は、宮舘を愛してるんじゃないのか
__愛してたよ
でも、気付いちゃった
俺、だてさんの前でも仮面被ってた
俺、もう死んでもいいや
命なんか、どうでもよくなっちゃった
あ、そうだ
最後に君もだてさんと話す?
外に出れるほどの力は無い
じゃあ、俺が中に入ろうとすればいいんだよね
は?お前、何言って
頭の中で中にいた時をイメージする
すると、
「見つけた」
俺の中にいる、もう1人の俺が
頭を抱えている
痛いの?
苦しそう
今、俺が中に行くからね__
すぅ、と沈むような感覚になる
閉じていた目を開けると、
手が動かなくなっていた
「は、?嘘だろ……」
もう1人の俺が驚いている
ほら、話しなよ
「……すげぇな、お前」
「なぁ、宮舘」
「ん?」
「お前は、いつまで騙すつもりだ?」
「騙すって……誰を?」
「俺はな、お前の性格が気に入らねぇんだよ」
「自分が惚れたやつも騙す、お前の性格が」
「お前の、その優しさが気に入らねぇ」
随分怒っているようだった
「__これは、確かに騙してるのかもね」
「ただの、優しさのつもりだったけど……」
「きみにとっては騙してるのと一緒だね」
今にも壊れてしまいそうな、悲しそうな、
そんな、
儚い笑顔を作る
こっちも、泣きそうになる
でも、俺は泣けない
涙は流せない
ただ、心が締め付けられるような感覚になる
すると、頭痛が襲う
もう時間みたいだ
また、俺は外に出る
「阿部」
「ん?」
これから、何をしようとしているかなんて、言われなくてもわかる
そして、何を言われるかも__
「愛してるよ」
儚い笑いで、音もなく儚く消えていくだてさん
そして、俺も、
儚く、消え去る
何重にも重なった仮面に溺れながら
俺らは消えていった
洋館には、琥珀と柘榴だけが残された
2人が立っていたはずの場所には、
血など一滴も残っていなかった___
『はいオッケー!!』
「あ〜、これで俺はちょっとお休みかな」
そういうだてさん
「そうだね」
「ごめんね、宮舘くん。何連続も出させちゃって」
「いえいえ。いい経験になりました」
そう。だてさんはふっかとのやつから4連続で登場している
さすがに出過ぎなのでストップが入った
次は誰と誰がやるんだろ……
「次も楽しみだね」
「次目黒出るらしいよ」
「マジで!?」
ここで今世紀何をしても決まる男の登場!?
待って、めっちゃわくわくしてきた
コメント
5件
最 高 神 回 !! いや、最高でした!!!!!! うん、天才っす
舘さん、無理難題ですけど次の物語も出てもらいたいです!