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「蜜壺って言われる通りだね……どんどん、あまい蜜があふれてくるよ……莉子」


そんなところを舐めるのは勿論課長が初めてだ。限界まで足を開かされたわたしのそこを、課長の熱いあまい舌が探る。ざりざりとした感触、あの課長の魅惑の舌で愛されるともう、おかしくなっちゃう……。


「ああ……またひくひくいってる……また、いっちゃいそう……?」


言って課長はわたしの膝を支えていた手を両の乳房に持ってきて、リズミカルに揉みしだく。しかも、激しく吸い上げる動きを加え、


「――あ、ああ……ああっ……!」


瞬く間に別世界へと到達する。視界が滲んで、がくりとからだが脱力して……課長の支えがなかったらわたし、崩れ落ちていたかも。


「可愛い莉子……おれの莉子」抱き締められるとやさしく頭を撫でられ、「おれは意地悪だから、もっともっと莉子のことを気持ちよくしてあげる……」


わたしと上体を重ねた課長は、どうやら指を挿れたようであり――新たな快楽がわたしを、襲う。


「ふふ……莉子の襞が絡みついてくる……指、もう一本増やそうか」


「――あ……」

課長はわたしの背中に手を回すと、自身は背を丸め、わたしの敏感な頂きを貪る。顎を引けば、懸命にわたしを愛しこむ課長の顔があって――あそこは課長の指で貫かれており。


味わったことのない刺激だった。構図ももう、たまらない。


にちゅにちゅと課長が指を往復し、乳房は舐められ、また――乳首を愛しこまれる。


「課長わたしまた……あっ、あっ、あぁ……っ!」


またも到達。しかし、課長は意地悪そうに笑い、


「おれはいやらしい男だから。もっともっと莉子を気持ちよくしたげる……。もう無理って言ってもおれ、莉子のことを離すつもりなんかないよ――」


* * *


お尻を突き出して課長の挿入を待っている体勢。思えばこんな明るい浴室で、自分の穴を曝すなんて――恥ずかしい。


「すごい莉子……垂れてる」


浴槽の淵に手をついた状態で、顎を引けば、つららのように垂れる自分の愛液を見た。ああもう……とにかく。


「課長。挿れてください……わたし、課長のペニスが欲しい……」


「分かってるけど――と、その前に」


課長はわたしのヒップを包み、穴を広げるようにするとなんと――舐めていく。


「や、それ、駄目課長……ひぁあ!」


そんなところを舐めるなんて、という当惑を無視して、課長は、野性的にわたしを貪る。

「莉子のここ美味しい」ちゅ、と彼は音を立てて口づけ、「ここ舐められたの、初めてでしょう……?」


「あ、たりまえじゃないですかそんなところ……っ」


しかし、わたしの声に力は入らない。要するに、気持ちがいい。あそこを舐められるのもたまらないけど、ここもまた、気持ちがいい。


わたしの胸中を見抜く課長は、結局その穴を舐め続け、幾度も到達させた。相変わらず、濡れた乳房は課長に揉みしだかれ、もう、わたしが物体だとしたら、原形をとどめないアメーバくらいに、愛しこまれている。


課長が取ってきて、そしてわたしに入り込むまで、いったいわたし、何度エクスタシーに導かれただろう。もう、数え切れない……。


力が入らず、浴槽の淵に手を添えるだけが精いっぱいのわたしは、背後から――挿入される。


「あ……、あ、あ……」


大きくて清潔な課長の手のひらで乳房を包まれ、背中に、彼の固い胸の感触が降りてくる。


「――入ったよ。莉子……」


ぎゅっと後ろから抱き締められるのがもう、たまらない。とめどなく蜜を垂らすそこは、紛れもない、たったひとり、この世で最も愛するひとのそれを待ち望んでいた。


「てか莉子。また、いっちゃった……?」


頷く気力も失われている。熱くて太いペニスに串刺しにされてしまっては。

「おれは意地悪だから、もっともっと莉子を気持ちよくしてあげる……」と言う課長がなにをするかと思えば、わたしの股の間に片手を回し、


「――ひ、あ……」


「莉子のここ、立ってる……大きくなってるね」


貫かれながら陰核を刺激されるとか。そんなの――されたことないんですけど!


課長が腰を揺らし、またわたしの奥深くを刺激する。自分の指では決して辿り着けないだろう領域を。それに、後背位だともう、……互いの顔を見て、キスも出来る、おっぱいも愛される正常位もいいけど、これもまた……たまらない。美しい課長の顔が見えない分、こちらの感情を煽る。


たっぷりクリトリスを刺激して、何度もわたしを到達させた課長は、とうとう限界を迎えたらしい。「ごめん莉子――激しく行く」


お風呂でセックスをするのは初めてだったが。湯気に満ちた室内――課長が腰を振るたび、ばしゃばしゃと水音が加わり、互いの抽挿音と相まってこちらの官能を倍加させてくれる。――お風呂えっち、いいな。


濡れた乳房をしっかりと包まれ、課長が抜き差しされる都度、わたしのなかで彼への想いが広がっていく。――好き。大好き。


「課長、……愛してる……」


淫らな嬌声をあげるさなか、わたしは愛の言葉を伝えた。課長は抜き差しをしながら、


「おれも、愛している。大好きだよ莉子……」


またも、同時に高みへと上り詰める。ここまでされるともう……意識が飛びそう。目を閉じ、訪れる心地よい疲れに身を任せた。

* * *


「やりすぎちゃった? おれ……」


場所を変えてわたしのシングルベッドのうえで。課長にうえから伸し掛かれ、彼の重みを感じながら、抱き締められている。初めて見る課長のパジャマ姿といったら! チェックの柄の、いかにもパジャマ! って感じのを着ているのがなんだか新鮮だった。


「ねえ……また立ってるよ莉子……」


あれからからだを拭き、水分補給を行い、ベッドに入っておやすみの体勢のはずが、わたしのとめどない欲求は収まることを知らないらしい。課長に爪で弾かれればすぐに、立ってしまう。


「ねえ。舐めてもいい? 舐めたい。……といってもおれ……」課長は、わたしの耳に熱い息を吹きかけ、「さっきのやーらしい莉子思い出すだけでぎんぎんになっちまう。……えっちだね。莉子……あんなにも何度も何度もいっちゃって。ねえ……おれのことが好き?」


ルームウェアは濡れて洗濯かごに突っ込んでいるので、わたしもパジャマを着ている。わたしのパジャマのボタンを外す課長に、


「好きです……でも」わたしは顎を引き、彼と目を合わせると、「わたし……おかしいんですかね。こんなに何度も立て続けにいくなんて……変な女だったらごめんなさい」


「莉子。違うよ」課長は、むに、とわたしの頬を摘まみ、「好きだから。愛しているから、莉子は感じているんだよ。大好きだから、感じるの。


おれね。莉子の感じてるときの顔、大好き。


感じてるのに声我慢してるときの顔とか……あのときにだけしか見せない、女神のような顔とか、すぐ濡れておれのペニスを受け入れてくれるきみのやわらかい場所……おれのちんぽを貪るときのやーらしい目つき、……きみの、なにもかもが大好きだ。好きで、好きで、頭がおかしくなっちゃいそうだよ……。


ねえごめん。


きみのなかに、入りたい。……きみとひとつになって、またあの美しい景色を、見てみたい……」

結局わたしは全裸にされ、課長もはだか。――人肌ってこんなにも気持ちがいいのだな。触れるそこが熱くて、火傷しそうなのに、心地よくって……。胸は相変わらず正直で、こんなにときめいてばかりいて、わたしのなかのメーターが振りきれそう。


「課長、すごくどきどきしてますね」ぴったりと胸を重ねるわたしが言ってみると課長は、「そりゃそうだよ。大好きな女の子に触れてるんだから、緊張もするさ……」


そうして頬を包まれるとわたしは口を開く。――もう、課長がどのタイミングでなにをするのかが掴めてきた。彼の愛欲を受け止める女という器。ふるえ、感じ、声をあげ――楽器のように高い声をあげてしまう。だって課長、また結局わたしのそこを舐めてるんですもの。


「クンニ……大好きなんだね、莉子は……。あ、タオル取ってくる」


ご丁寧にもタオルを敷かれ、膝を立てた足を広げられ、わたしはもう俎板の鯉。されるがままだ。


この狭いマンションは課長のマンションとは違い、声が響く。とはいえ、わたし、さっきお風呂で、激しく課長から求められたとき、淫らな声、いっぱいあげちゃった……。ご近所迷惑にもほどがあるだろうに。


よってわたしは、片手で口を押さえ、必死に声をあげないよう努力するのだが……。課長がそれに気づいた。


「堪えてる莉子も、可愛い……」言って課長はわたしの髪を撫で、「すごく、そそられる……。莉子。こっち見て。おれがなにしてるか見守りながら、声出さないよう努力してみて……」


[分かり……ました。……んっ」


「感じまくっちゃうところが莉子は可愛いんだよな」と課長は笑い、「声、我慢して。我慢しないで。てあ、両方か……。なに言ってるんだろうなおれ……」


わたしはくすくすと笑う。いろんなことが初めてで戸惑うこともあるけれど、こうして笑えるのは、紛れもない、課長のおかげだ。

それからたっぷりタオルが濡れてしまうくらい愛されると、課長がわたしのなかに入ってくる。挿入前に女を幾度も到達させるのは課長の流儀なのか。そういえば――フェラチオも初日以来していないな。うん。今度してあげよう。


わたしに訪れるのは、海の織り成す小波のように、おだやかなセックスだった。これもまた新鮮だった。いままでの人生はなんだったのかと思えるくらいで。


静かにわたしのそこを味わう課長と目線を結び、熱い――キスを交わす。二つの穴を同時に愛されるという現実が、わたしの恍惚を倍加させる。


「課長……好きです。好き……」わたしは、彼の、宝石のように輝く双眸を見つめて、自分のうちに秘めた真実を伝えた。「こんなにもわたしを感じさせるのはあなただけ。あなたじゃないと、きっと濡れない体質になっちゃったわたし……」


「一生一緒だよ。莉子……」彼はやさしくわたしのなかを突くと、「もう、……離したくない。きみがいない時間であっても、きみに触れられない時間があっても、おれはずっと……きみのことを愛しているから。大好きだから。ずっとずっと一緒にいよう……」


こぼれおちる涙を、課長の唇が吸い取ってくれる。嬉しすぎて泣けるなんてのも、課長と出会えて初めて体験出来た現象だった。彼は、いろんなことをわたしに教えてくれる。


愛のあるセックス。自分の存在意義。感情表明の仕方……。


ゆりかごに揺られるおだやかなセックスのなか、課長の背に手を添え、わたしは唇で、自分のありったけの想いを伝えてみた。キスをしながらも課長が微笑んでいるのが分かる。想いが重なる。ひとつになる。これ以上ないほどに幸せなひとときだった。


昨日、課長に抱かれました

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