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影縫病
髪の毛の1部が黒く変色する
毎回夢を見るようになる(真っ暗な景色の中で、人の笑い声だけが聞こえる)
発症から774時間後(およそ1ヶ月)、影が硬直し、感染者本人も動けなくなる
168時間後(1週間後)、動けるようになるがその日の日没時に感染者は消滅する
発症原因:不明
治療法:無し
ラギ「どこ…ここ…」
真っ暗な世界、笑い声が響き渡る。
ラギ「いやっ、もういやぁ!」
毎日悪夢を見る。
髪の毛が黒く変色してからだ。
ピンポーン家のチャイムが鳴った。
ラギ「はーい」
薫「あなた…」
ラギ「あのーどうしたましたか?」
薫「いえ、もしかして、あなた、悪夢を見ておられますか?例えば真っ暗な空間で人の笑い声だけが聞こえたり」
ラギ「なぜ…そのことを…」
薫「少し、お時間を頂いても?」
ラギ「えっ、あっ、はい」
女の人を部屋へとあげる。
薫「それではいくつか質問させていただきます。まず、その夢を見始めてどのぐらいの期間が経っておられますかね?」
ラギ「えっと、大体4週間程度です。」
薫「4週間と…それでは、現在なにか体調不良といったことは見られないですかね?」
ラギ「そうですね、今のところは大丈夫だと思います。あの、それよりあなたは一体?」
薫「あっ、申し遅れました。私、奇病を専門とした研究員である。薫と申します。よろしくお願いします」
ラギ「奇病…ですか?」
薫「えぇ、いきなりですが、ご同行願えませんか?かなり時間が押しておりまして」
ラギ「えっ、あぁ、はい」
そう言われ、私は出かける準備を始めた。
そして、女性の車へと乗り込み研究所と思わしき、場所へと向かっていく。
車が止まると、そこには普通の病院が建っていた。
薫「珀斗、急ぎの仕事だ!」
珀斗「いきなりなによ…」
ラギ「えっと、初めまして、ラギと言います。」
薫「影縫病の発症から4週間」
珀斗「分かった、ラギさんだっけ?とりあえずこちらへ」
そう言われ通された部屋は診察室だった。
薫「影縫病は発症後1ヶ月程度で影が硬直し、本人も動けなくなる、そしてその一週間後の日没時消滅する」
ラギ「えっ、私死ぬんですか…」
珀斗「出来る限りそうならないようにはするが、奇病自体珍しい中、影縫病は奇病の中でもかなり特殊で情報が限りなく少ない。治せるかどうかは…」
ラギ「そんな…」
薫「とりあえず病室へ案内するわ」
数日後
薫「硬直したわね」
珀斗「これから1週間、できる限りの情報を調べあげる」
1週間後
ラギ「私…とうとう消えるんだ…まだやり残したこといっぱいあったのに…」
そういう少女に対しても無情にも時は過ぎ行く。
夕暮れが迫ってくる、日没時。
最後まで泣きじゃくる最後の彼女…
珀斗「影縫病患者を連れてきたのはいい判断だ、今後の研究の進展が予想より早まる。」
薫「それは良かった、他はいいけど涼杏だけは、死なせないようにしなさいよ」