ぺ「うぅ………うぐッ」
看護師「ぺいんとくん!さっき原因を調べてみたんだけど、
怪我してるところから菌が入ってたみたいなんだ!
それで今から点滴打つからもう少し我慢しててね」
ぺ「はい……うぅ…」
なぜ菌が入ったのかは謎だが、吐き気が収まるならなんでもよかった。
頭も回らないし……
看護師「じゃあ点滴始めるよー」
ぺ「はい……」
俺は腕に点滴を指し、病室に戻った。
と「どうでした?」
看護師「なんか傷口から菌が入ってたみたい!でも大したことじゃなかったから!」
と「そうですか…!なら良かったです!それじゃあ僕帰りますね!」
看護師「あ!ぺいんとくんのこと教えてくれてありがとね!」
近くで話しているはずなのに、二人の声は全然聞こえてこなかった。
数分後、ともさんが病室から出ていった。
そして俺は、数時間眠りに落ちた。
ぺ「ん、う~」
目が覚めた。
し「あ!クロノアさん!ぺいんとさんが目を覚ましました!」
ク「ほんとだ!よかった…!」
ぺ「なんで二人がここに…」
ク「ともさんが教えてくれたんだよ」
あ~そう言えばともさんがそんなこと言ってたなぁ、と思いながら納得した。
ぺ「そう言えばクロノアさんってともさんとどういう関係何ですか?
生徒会が同じだったことは知ってるんですけど……」
ク「ん?あ~……どういう関係だと思う?」
ぺ「うーん……」
そう言いながら、クロノアさんの目を見つめた。
それでもなんにもわからない。
ぺ「え~……」
俺は目を細めた。
ク「どうしたの?笑」
眉の端を下げ、困ったように笑った。
ぺ「いや~、別になんでもないですけど……」
し「?」
しにがみは今の状況をわかっていないのか、きょとんとした顔をしていた。
ク「しにがみくん!今から飲み物買いにいくんだけど、何がいい?」
し「えっ!いや…喉乾いてないんで大丈夫です!」
ぺ「クロノアさん!しにがみは水で!」
ク「あいよー」
そう言って病室を出ていった。
し「ちょっとぺいんとさん!笑」
ぺ「でもせっかく買ってくれるって言ってくれてたんだから!少しは甘えても大丈夫だろ!」
し「まぁ…たしかにそうですね!」
し「どこかの誰かさんが明日退院できるかもーって言ってたのに全然来ないんですよねー!
おかげで学校に行っても全く楽しくない…」
拗ねながらそう言った。
ぺ「ごめんごめん笑」
しにがみくんは笑いながら謝る俺を、頬を膨らませながら見つめた。
かわいすぎる…
ぺ「あのさ、会いに来てくれてあ…」
コンコン
看護師「ぺいんとくーん!点滴終わったー?」
ぺ「あっはい、終わりました」
タイミング悪っ!
看護師「あら、隣にいるのはお友達?」
ぺ「はい!」
看護師「綺麗な顔してるのねぇ!羨ましい!」
し「ありがとうございます!」
看護師さんはしにがみに顔を近付け、まじまじと見つめていた。
しにがみは看護師さんの圧に負け、小さくなってしまった。
ガラガラガラ
ク「買ってきたよー!」
看護師「あら!あなたも綺麗な顔してるわねぇ!」
看護師さん………
看護師「イケメンと可愛い子に囲まれて最高だわ~!」
ク「あの…ぺいんとの点滴を外してあげてください」
ニコッとしながら言ったが、心の中ではイラついているのだろう。
眉がピクピクと動いていた。
看護師「あぁ!ごめんなさいね!すぐ外すから!」
騒がしい看護師さんだ。でも見た感じ歳は若そうだな。
看護師「はい!終わり!」
ぺ「ありがとうございます!」
そして、しにがみくんとクロノアさんの顔を舐めるように見てから病室を出ていった。
ぺ「……………」
し「…僕あの人苦手だわ笑」
ク「まぁまぁ笑」
そう言いながらしにがみくんに水を渡した。
し「あ!ありがとうございます!」
ク「どういたしまして!」
改めて二人並んでいるのを見ると、キラキラと輝いているように見えた。
その美しさについ目がいってしまう。
し「?」
看護師さんが幸せだと思うのも無理はない。
し「どうしたんですか?」
ぺ「え?いや、可愛いとイケメンが揃ったら最強だなって思って」
し「何言ってるんですか!」
少し頬を赤らめてそっぽを向いた。
ク「も~そっぽ向いちゃったじゃん!笑」
ぺ「え~俺のせい~?」
し「そうですよ!それに僕は可愛くないですぅ!」
病室に三人の笑い声が響いた。
やっぱりくだらないやり取りをしているときが一番楽しいなと、改めてそう思った。
ク「そろそろ帰ろうか!」
し「そうですね!あとぺいんとさん!絶対無理はしないでくださいね!!」
ぺ「は、はい…!」
しにがみくんは何度も何度も俺に念を押してきた。
その様子をクロノアさんは笑ってみていた。
し「絶対ですよ!!絶対!!」
ク「しにがみくん、そろそろ行こうか笑」
し「はい笑」
ぺ「じゃあな~気をつけて帰れよ~」
笑顔で手をふるしにがみくんの隣で、クロノアさんはニヤニヤしながら
俺のことを見ていた。
ぺ「………?」
意味がわからず、俺の頭に?が浮かぶ。
そして、バタンという音と共に、うるさかった病室がしーんと静まり返った。
ぺ「俺…クロノアさんに何かしたっけ……?」
数分後、夕食を運びに看護師さんがやって来た。
看護師「ぺいんとくーん!夕食持ってきたよー!」
ぺ「ありがとうございます!」
看護師「あれ?お友達帰っちゃったの?残ねーん……」
ぺ「……………」
この人…俺も苦手かも……
看護師「あ、そうだ!ぺいんとくん!明日部屋移動するから荷物まとめててね!」
ぺ「わかりました!」
今まで一人部屋で寂しかったが、移動した先が大部屋だと思うと少し嬉しかった。
ぺ「楽しみだなぁ」
ぺ「疲れたし…移動の準備は明日でいっか」
いろんな人が来て、いろんなことがあったからか、見も心もボロボロだ。
ぺ「今日はもう寝よ」
揺れるカーテンから漏れる光で、俺は目を覚ました。
ぺ「んう……」
看護師「おはよう!気分はどう?」
ぺ「ん~……普通です…」
看護師「気分悪くなったらすぐに言ってよ?」
ぺ「は~い…」
看護師さんは朝から元気だなぁ…
看護師「そう言えばぺいんとくんってともくんと知り合いだったの?」
ぺ「知り合いって言うか、親戚っすね!」
看護師「あっそうなんだ!なるほどね!」
看護師さんは頷きながら何かに納得していた。
ぺ「どうしたんですか?」
看護師「ん~?いやぁ、ともくんが誰かに話しかけにいくって珍しんだよね!」
ぺ「え、そうなんだ…」
ともさんって人によって態度変えてんのかな?
ぺ「まぁ…俺には関係ないけど……」
そして、運ばれてきた朝食を食べ、ぱぱっと移動の準備を終わらせた。
コメント
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え?なんでクロノアさん最後ニヤニヤしたんかな…好きなのは、わかるけど…え?これは、次回への期待と考察がはかどりますなー!!
ストーリー性がめちゃめちゃ好みです…! これからも頑張って下さい!!!!