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セフィちゃん…っっ!!!(⚰️)
「…寒ッ、」
思わず口から零れ落ちる言葉
その言葉が白い息となって空へと溶けていった
あー、もうそんな季節か。
そんな事をだらだら考えながら、すっかり冷えきった手をパーカーのポケットに突っ込む
「ワンっ!ワンワン!!」
「あらぁ…こんにちはぁ」
「ア、どうモ」
犬の散歩をしてたおばさん。ペットも飼い主も、モコモコの服を着てて暖かそう。
「犬…可愛いですネ」
「ワンワン!クゥーン…」
「あらあら…この子人に全然懐かないのよ、不思議ねぇ 」
べろべろ舐めてくる、犬。懐かれても嬉しくは無い。犬には良い思い出が無いんだけどな。犬を撫でようと手を出しかけたが、やっぱやめた。
てか今僕の話無視した?可愛いですねの返答聞いてないんだけど。まぁいっか、別に興味無いし。
「ほらほら、もう行くよ〜…」
「ワンッワン!!」
「じゃあネ、わんちゃン」
違う違う、こんな所で道草食ってる場合じゃなかった。早く学校に行かなきゃ。
「…っくしュ、…あ゛ーさっム…」
完全にやらかしたな、こんなに寒いとは思わなかった。
もし風邪引いたら……まぁ、なんとかなるか。
「〜〜…それでね!」
「何それやばーw」
すれ違う小中学生が多くなった。良かった、多分間に合ってる。
「みんな気を付けて帰ってね〜!」
あの人、先生かな。話し掛けたくないけど…ウロウロして怪しまれるよりはマシか。
あー早く帰りたい。
「あノ〜…」
「…何ですか?」
あんなに笑顔だったのに、急にすごい険しい顔になった。やだやだ、そんな目で見ないでよ、怖いから。
「え〜っト、まd「セフィ!!!」
突然元気な声で僕を呼ぶ。いるんならもっと早く声掛けろよ、バカ。
「何してんのー?学校まで来るとか珍しいじゃん」
「団長からのお使イ、ほら早く帰るヨ」
「えー何それー」
「えっと…?保護者の方ですか…?」
「そーだよ!まぁ保護者っていうか、僕の子分?」
そこただの保護者でいいだろ、てか子分じゃないし。もういいや適当に笑っとこ。
「あはハ」
「あっ、保護者の方なんですね…!失礼しました、!」
確認とかするのかと思ったけど、しないんだ。それともこの人が抜けてるだけ?
「それじゃあ気を付けて帰ってね、!さようなら〜」
「ばいばーい!!」
僕は少し笑って会釈のみした
ばいばーいじゃなくてさようならって返せよ。
「え、何その指?なんか描いてんの?」
しまった。つい手を握る為に手を出してしまった。
面倒くさいな、適当に返すか。
「描いてるんじゃないノ、彫ってあるんだヨ」
「えー何それ何それ!!もっとちゃんと見せて!!!」
「ェ、今ァ…?寒いから嫌なんだけド」
「いいじゃんいいじゃん!見せてよ!!!」
昨日団長が彫ってくれた指の刺青。すっごく痛かった、今もちょっとヒリヒリする。
ここで見せないとこいつ1歩も動き出さないタイプなんだよな、めんどくせぇ。
「しょうがないナ…はイ、あんまり触るなヨ?まだ痛いかラ」
「まだ痛いって何?いつ彫ったの??昨日の夜にはなかったよねぇ!?」
やや興奮気味に質問をする
いっぺんに聞かないでよ、うるさいなぁ。
「お前が寝た後に団長に彫ってもらっタ、子供は寝る時間の後だったからネ〜」
「はぁ!?何それ!俺も彫ってもらいたい!!」
「バカなノ?子供のうちから彫ってるとろくな大人にならないヨ、あと学校にも行けなくなるシ」
実際僕もまだ…未成年だし。どうせ大した大人にはなれないだろう、なりたいとも思わないけど。それよりも前に、大人になれればの話だけど。
「えーなんだ…じゃあ団の中に彫ってる人いるか探す!」
「まぁ1人くらいはいるんじゃなイ?ガラ悪いのばっかだシ」
そっか、こいつは知らないんだ。団長の体にガッツリ掘られてる事。
こいつだけじゃない。他の団員も知らない、僕と団長だけの秘密。
厳密に言うと僕と団長とマリーさんだけの秘密だけど。
長すぎて終わりが見つからないので終わり