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「それほんまか? 」
「ほんと。あの人は私達の事子供なんて思ってないし覚えてなかった」
そういって、少し切なそうに瞳を揺らすアザミと少し驚くがすぐに顎に手を添え何かを考えるカラスバ
サビ組事務所で2人は父──フジが残した日記を見ながら何か考えている
「お父さんは日記に最後の実験とか書いてた。それまでは私達のことを子供だと認識していた記述があるし…」
アザミはつい先日、心の整理がついたからなのかイッシュの刑務所に入っているフジに会いに行ったらしい
しかし、やはりアイツは何も変わっておらずアザミの事を子供としてではなくただの実験対象の1人としか見ていなかったらしい
「…その、日記を見るにお父さんは私達の事凄く大切に思ってくれてたと思うの」
「そやな、日記に書くくらいやし」
「でも、今のお父さんは記憶もなければ感情もないように見える…から、もしかしたら、その…」
「何が言いたいんや」
少し話す事に戸惑っている、というよりは怯えているアザミに鋭い視線を向ける
そんな視線にビクッと体を震わせたあと、ゆっくりと口を開く
「日記にもあるけど、あの人が受けた最後の実験。この実験がもし、記憶と感情を完全に消せる物だとしたら…」
記憶と感情どちらも意図的に消せるものではない
しかし、あんなに愛に溢れていた日記の人物があんなにも冷徹な人間に成り果てるには無理がある
少し考えたあと、ふとカラスバが何かを思い出したかのように話す
「…そういや、あの男連行する前変なこと言いよったな」
〖…感情を全て消し去るのはやはり、難しかったようだな
やはり、アレがないと……〗
「考えたないけど、記憶と感情を消せる機械か技術があった可能性はある」
「…でも私達の時にはそれはなかった。あれば、とっくの昔にそれを使ってたはずだし…」
正直人の記憶と感情を意図的に消せる代物なんてどこぞの神様とかではない限り有り得ない
「それに、あの後あの男にそんな実験をしてた人間も洗いざらい探して始末しとる。まぁ、大半がもう老いとるか死んどるかでまともな情報はなかったけどな」
その言葉に安心したように胸を撫で下ろす
きっと自分達より前…父達の時代の研究者達の存在を危惧していたのだろう
「よかった……それなら…」
「施設のヤツらは徹底的に始末しとかな、お前ら危ないやろ」
「…うん、ありがとう、カラスバ」
「シオンが悲しむ要素は全部取り除かなあかんやろ」
「うわ重…でも、それなら安心かな」
そう言うとアザミは日記を手にし立ち上がる
それと同時にポーンという音と共にエレベーターからシオンが顔を見せる
『あれ?アザミ…?もしかして仕事中だった?』
「ううん大丈夫だよ姉さん」
「それよりどうしたんや」
『いや、カラスバさんに会いたいなぁ〜って思って』
その言葉にアザミは目を見開き、ジプソはカラスバの後ろで口の前で手を抑え「えっ!?」なんて乙女な反応をしている
「……ジプソ、アザミ。席外せ」
「はぁ……かしこまりました」
「かしこまりました。人払いはしておきます」
そういうなり、アザミとジプソが足速に事務所を去りシオンとカラスバの2人きりになる
「オレの彼女さんはほんま、あざといな」
『あざとい彼女は嫌いですか?』
「嫌いやないよ」
そういって、少し笑ったあと唇をゆっくり重ね合わせる
『んっ…ぅ……』
「あーぁ、せっかくの口紅が台無しやな」
そういって自分の唇に着いた赤い口紅をぺろっ、と舐める
そんな仕草にドキドキ、と甘く心臓を鳴らす
『(赤の口紅つけてきて良かった〜っ!)』
「知っとるか?キスする場所それぞれに意味があるって 」
『え?あ、唇は愛情とかですよね』
「そうや、じゃあ耳はなんやと思う? 」
『耳?耳…耳??』
「…正解は───」
首を傾げているシオンを引き寄せちゅっ、と可愛らしい音を立てて耳にキスしそのままそっと耳打ちする
「──誘惑や」
その言葉に顔を赤くさせ右耳を手で押えカラスバを驚いたように見つめるシオン
そんなシオンの反応に「可愛ええなぁ」と面白そうにクツクツと笑う
『っ、え、えっち…!!』
「ははっ、まだまだおこちゃまやな」
『なっ!?そんなことな──わっ!?』
怒るシオンの手を引き、抱きしめる
「ほら、ちょっと抱きしめられただけやのにこっちまでお前の心臓の音が聞こえるわ」
『っ〜…!?も、もう離してください…!』
「会いたい言って会いに来たんはお前やろ?すぐ帰るなんていけずやなぁ」
「カラスバさん悲しいわぁ」なんて言ってるが、目元は楽しそうに笑っている
『うぅ…っ』
「ま、時間はあるんや。たっぷり堪能させて貰うで」
そういって首元にキスを落とした
コメント
2件
感情と記憶なくせる…??ポケモンで言えばイベルタルが消せそうだけど…どうだろう…??(;-ω-)ウーン カラスバさん…えッッッッッすぎでしょ!!??