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それから、私が手塚さんの小説を読ませてもらうことになった。
・
『叶わぬ恋。』
好きな人には好きな人がいる。
恋をしてはいけない相手なのに、
彼女は彼に一直線。
『お先に失礼します』
働いている場所が同じな彼女は、
仕事が終わったら俺にそう告げ、
付き合っている訳でもない、彼の所へ行く。
「おお、おつかれ。」
『今日はなんの本読んでました?』
「今日は……」
「そろそろ行くか」
『ですね、笑』
付き合っている訳でもない、彼と店を出る。
俺は、そんな2人を見ている事しか出来ない。
俺の心が時々問いかけてくる。
「彼女に本気なんだろ。」
「勇気を出せよ、手塚。」
そう、言っている気がする。
俺の気持ちに、彼女は気づいているのか。
俺の気持ちに、彼は気づいているのか。
本気だよ、俺は。
でも、勇気が出ない。
今日も、彼女は彼と一緒に帰っている。
俺は、そんな2人を見守ることしか出来ない。
俺の気持ちなんて、なかったことと一緒。
Fin…
・
『……。』
「どうだった…?」
『…うん、、』
『…この小説読んで、先生は何て、?』
「…悪かった。もう、大丈夫だから。」
『…なにそれ、、』
「○○ちゃん、俺、○○ちゃんが好きだよ。」
『…ごめんなさいっ、』
ビックリだった。
手塚さん、私の事が好きだったの?
わかんないよ、、私、最低じゃん、
手塚さんの気持ちなんて知らず、
先生に一直線だった。
それより、先生。
今、どこにいるのっ。
「行くの…?」
『…ごめんなさいっ!! 』
「○○ちゃん、!」
「これからもさ、友達として仲良くできない」
『…はい、!笑』
「よかった、笑」
「ごめんね、二人の関係、邪魔しちゃって。」
『ううん、、。大丈夫だから。』
『…行っていいですか…? 』
「うん、!ごめんね」
手塚side
ほんとは、渡辺先生のとこなんか、行って欲しくなんかない。
ずっと、俺の隣にいてよ。
こうやって、話しててよ。
こんなことが直接言えてたら、
何かが変わってたのかな。
なんて、変わるわけないのに。
・
先生が、今、どこにいるかなんて分からない。
って言うか、きっと学校だろう。
だったら、行くしかない。
学校に。
・
5時頃。先生が出てくるのを校門で待ってる。
時々、というかほとんど生徒さんに見られてる。しょうがないよねぇー笑
『…まだかな、』
なんとなく、辞めればよかったと思えてきた。
日曜日になれば、きっと先生はまた来るし。
傘だって、その時渡せばいいし。
しかも、こんなとこまで来たら嫌だよね、
「は、姫野?」
『…渡辺先生、』
手遅れだった。
6時くらい。先生が出てきて、私に話しかけた。
私、1時間も待ってたんだ。
「なんでいんの?」
『…お話が、あります。』
「じゃ、俺の行きつけの店、行く?笑」
『…はいっ!』
コメント
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やっぱりな!でも、むちゃくちゃ切ない(´;ω;`)
んぇ!? 最後急展開?すぎてパニックパニック笑