「新しい自分に」
紀坂(きさか)の温もりの中でまどろんでいるうちに、いつの間にか眠ってしまったらしい。
次に目が覚めると、辺りは明るく、ぼやけた視界いっぱいに見えたのは、藍色の浴衣だった。
寝起きで頭が回っていなかったけど、状況を思い出し、今穏やかな温かさに包まれていることに幸せを感じる。
(紀坂さんは起きてるのかな)
意識を澄ませるけど、心音と呼吸は規則正しく、まだ眠っているようだ。
彼が眠っているのなら、その間に起きて身なりを整えてしまいたいけど、動くと起こしそうで、どうしようか考える。
……もうすこし待ってみようかな。
あとすこしこの温もりの中にいたい、と思うと、浴衣の木綿の匂いと、彼の匂いを一緒に吸い込んだ。
体を寄せてじっとしていると、やがて紀坂の体が動き、彼がゆっくり伸びをする。
(起きたんだ)
顔をすこしあげれば、紀坂は伸びをして一度離した腕で、もう一度***********************
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