テラーノベル
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あたしに危機感がない?危機感がないのは、今も昔も、柊の方だ。
来る者拒まずで女の子寄せ付けて、彼女の目の前で頬にキスされちゃって。
ほんの少し前まで柊が他の女の子と居ても、またかって諦めていた。自分に納得をさせていた。
慣れていたはずの光景は、あたしたちの枠組みが変わるとこうも扱いが難しくなるもので、あたしばかり、独占欲っていう欲張りな気持ちが膨らんでいる気がする。
柊はそれが嬉しいって言ってくれたけど、柊のほうが、容量が大きいのかな?
消毒してって言ったのは柊なのに、結局、頬のキスもさせてくれなかった。
その事実が思い出されると、モヤモヤっとしたものが胸にたまる。なにも今、思い出すことないのに。
「まあいいや。ここ、手ぇつける?」
「……へ?ここ?」
「そ。四つん這いになって、おしり突き出してみ」
あたしの胸の内なんて1ミリも気付いていない柊は、ソファーの背もたれに手を付いて膝立ちをしなさいと指示をしてくる。飲んでいるならまだしも、シラフでそれは抵抗がありますよ。
なので、もじもじと胸の前で手を組んで、控えめに見上げる。
「……電気消してからじゃ、だめ?」
「はあ?真っ暗だと何も見えねえじゃん」
「何も見ないでくれると助かる」
「無理」
「無理が無理。恥ずかしいよ」
「試着中にも言ったけど、恥ずかしがる必要ないでしょ?俺、柴崎の身体にある黒子の位置も、もう覚えてんのよね」
こことか、と。柊はあたしの内ももをゆったりとなぞる。
不躾に脚を割って入る柊の片手。はしたなく開かされた脚を、柊の指先はのぼりつめる。
柊に懐柔された身体は、柊の体温にとても敏感だ。つつ……と、軽いフェザータッチでなぞられただけで、きゅんと下腹部がうずいて腰が善がる。
「…ぁっ」
勝手に声が漏れると「ほら、ココ」と、柊はあたしの足の付け根の部分を優しく撫でてくる。
そんなの、嘘だ。21年間生きてきて、そんなとこに黒子があるなんて、見たことも聞いたこともない。柊がお得意の、口から出任せだ。
「そんなとこに、あるはず……っ」
「あるんだよこれが。見てみる?」
「見てみるって、……どうやって」
「鏡かスマホがあれば余裕じゃん」
ぞくりと背筋が震えることを平然と口にする柊は、うっすらと笑みを浮かべたまま、どこだっけ、と、何かを手繰り寄せている。
まさか、今言ったこと、本当に?
「…や、それは本気で無理、です…」
「無理かもしんないけど、ちょっとずつ慣れてこっか」
「なれるわけ……」
「柴崎、意外に好きだと思うよ?そうゆうプレイ」
耳元で囁かれた霞んだ声。お砂糖みたいな声が、悪魔の凶暴さを孕む。そうして耳環を食まれると、「ひゃう!」と、恥ずかしいくらいにひっくり返った声が出るから、慌てて口を抑えた。
ちろちろといやらしく音を立て耳の中を舐められ、ぴりりとした快楽が背筋に流れる。やめて欲しいけれど、もっとして欲しい。続きを求める自分に、恐ろしさを感じる。
もはや、柊の指先は黒子とは関係なく、薄いショーツ越しに触れている。しかし、じくじくと疼くその部分をあえて避けるように意地悪なタッチでなぞられ、ひどくもどかしい触り方だ。
いつになったら一番イイトコロを触ってくれるのか、頭の中はそれしか考えられない。
「なあ、そんなに腰揺らしてさ。これ、好きなの?」
余裕なトーンで、囁いてくる柊。こくんと頷くと、柊は「そ。ちゃんと言えて、えらいな」と、吐き気がするくらい甘ったるい声を耳の奥に流し込む。吐息が触れ、それだけでじんととろける鼓膜。耳と下腹部が直結したみたいにうずく。
下着は既に重たくなるほど濡れていて、下着から指が差し込まれると、くちゅ、と卑猥な音が鳴る。割れ目をなぞられただけで、柊はすぐに指を抜き取った。
「見て。すげえ濡れてる」
いじわるな声に、ぞくりとした興奮が身体を駆け抜けた。
「…〜〜っ、見せないでよお……」
「はは、最近のほとりちゃんはワガママだね?」
「最近って、どうゆう意味」
「前は従順だったでしょ?」
従順っていうか、柊のペースに慣れず、必死だっただけだ。これでも、変じゃないかとか、引かれないかって、常に不安は付き纏っていたのだ。
しかし、毎回、柊はそんな余地を与える暇もなく、あたしの好きな場所を見つけていくから、目が覚めて” またやっちゃった…”って、後悔しちゃうの。
ライトに照らされて、てかてかと濡れた綺麗な指。柊はそれを、あろう事かちゅっと音を鳴らして舐めた。
「!な、なんで舐めるのっ!?」
「は?じゃあ自分で舐める?」
「…っ!んぅっ…!」
強引に咥内に押し込まれた二本の指は、舌の輪郭をぐるりと撫で、ゆっくりとした力で舌を押さえ込んでくる。
勝手に溢れる唾液をこくりと飲み込む。涙目で見上げると、そこにはあわく微笑んだ柊がいるだけだ。
「ほら、これで上手に舐めて」
「ん、っぅ……ん……!」
言われたとおり、押し込まれた二本の指を丁寧に舐める。最初はあまくてしょっぱい気がしたけれど、もう、自分の唾液の味しかしない。
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白山小梅
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