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#ご本人様には関係ありません
楪羽*yuzuriha*
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雪月❄️
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あの夕暮れの階段での出会いから、一週間が経とうとしていた。
高校2年生の深澤は、いつもと変わらない賑やかな日常の中にいた。昼休みの廊下を歩けば、
モブ「深澤先輩、次の球技大会のペア組んでください!」
モブ「深澤、ノート貸して!」
と、下学年の女子生徒や同学年の友人たちから次々と声がかかる。深澤はその都度、いつものふにゃっとした愛嬌のある笑顔で器用にあしらいながら、廊下を歩いていた。誰にでも優しく、誰とでも一歩引いた距離で上手く付き合う。それが深澤のいつもの世渡り術だった。
だが、ここ数日、深澤にはどうしても気になることがあった。
深澤(……いや、気のせいじゃないよな。まじで視線感じるんだけど)
ふと、渡り廊下の窓から下の中庭を見下ろした時だった。自販機の陰から、ぬっと大きな影がこちらを見上げているのに気がついた。
1年生の岩本だ。入学したばかりの岩本は、ガタイの良さをさらに強調するような引き締まった体躯をしており、鋭い眼光を放つその表情から、校内でも相変わらず「近寄りがたい強面の後輩」として恐れられていた。だが、その岩本は今、周囲の生徒がビビって避けていく中で、ただ真っ直ぐに、2階の窓辺にいる深澤のことだけを凝視していた。目が合うと、岩本は逸らすどころか、ボソッと何かを呟くようにしてじっと見つめ続けてくる。
深澤「な、なんなんだよあいつ……。お礼ならこの前言われたしなぁ」
深澤は首を傾げ、少しだけ落ち着かない気持ちのまま、自分の教室へと引き返した。誰のことも心の奥に入らせないはずの深澤だったが、あの強面の後輩の、嘘のつけない真っ直ぐな視線だけは、どういうわけか記憶の隅にこびりついて離れなかった。その日の放課後。深澤先輩は、担任に頼まれた学級日誌を提出するために、一人で静まり返った図書室の奥へと足を運んでいた。夕陽が古い木製の床を長く、オレンジ色に染めている。
深澤「……よし、日誌はここに置けばいいや」
作業を終えた深澤が、棚の隙間でカバンを肩にかけ直した、その時だった。背後の通路から、床を軋ませる重い足音が近づいてきた。振り返った深澤の目に飛び込んできたのは、やはり、あの強面の後輩だった。岩本はいつの間にか深澤の後ろに立っており、鋭い瞳でじっと深澤のことだけを見つめている。
深澤「うおっ!? ……またお前か、岩本。びっくりするだろ、無言で後ろに立つなって」
深澤がいつもの軽い笑顔で話しかけるが、岩本は一切笑わなかった。それどころか、一歩、また一歩と距離を詰め、深澤が逃げられないように、背後の本棚へとその大きな身体でゆっくりと追い詰めていった。
深澤「ちょっと、岩本……? 近いって。何の用だよ」
深澤が焦って後ずさりするが、背中が古い木製の本棚の角に当たって止まる。
岩本は無言のまま、深澤の頭のすぐ横の棚に、大きな手をドン、と突き、乱暴に退路を断った。
岩本「深澤先輩」
岩本の、少し低くて掠れた声が静かな図書室に響く。
岩本「先輩、さっき昼休み、廊下で他の奴らと楽しそうに喋ってましたよね?」
深澤「え? ああ、あれ? あれはただのクラスの奴らで……」
岩本「俺、ずっと下から見てました。先輩が誰にでもそうやって優しく笑いかけるの、まじで気に入らないです」
岩本の言葉には、後輩としての礼儀を超えた、一人の男としての剥き出しの執着心が籠もっていた。いつもは誰に対しても一歩引いた距離を保っている深澤だが、この強面の後輩の、真っ直ぐで重い視線に間近で晒された瞬間、ドクン、と心臓が今まで感じたことのない早さで脈打ち始めた。
深澤「な、何言ってんだよ、お前……」
深澤が顔を真っ赤にして視線を逸らそうとするが、岩本は空いたもう片方の手で、深澤先輩の顎を優しく、だけど拒めない力強さでグイッと自分の方へと向き直らせた。
岩本「先輩のその笑顔、俺だけのものにしたいんだけど。……ダメですか?」
いつもは強面で怖い後輩が、至近距離で、どこか切なそうに瞳を揺らして問いかけてくる。そのあまりにも直球すぎる好意と熱量に、深澤の理気が完全にフリーズした。
4000♡ありがとうございます!
コメント
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2話も最高でした…!岩本くんの「気に入らないです」からの壁ドン&顎クイ、そして「俺だけのものにしたい」…強面で不器用な後輩のストレートな執着、深澤先輩の余裕なくなる感じがたまらなかったです🔥 夕陽の図書室のシーン、めっちゃドキドキしました。続きが待ち遠しい!めかぶぷりんさん、4000♡おめでとうございます!