コメント
0件
👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!
あくねこ夢小説※主様出てきます。血の表現ありなので苦手な方はスキップ推奨します。『貴方のナカマデ愛してる。』〜狂った愛と歪んだ執着〜
SIX story ツギノギセイシャハ
アモンが殺害されてから1週間が経ったある日。グロバナー家本邸から連絡が届いた。
そして、私とベリアンはグロバナー家へ向かった。
『報告が遅れて済まない。こちらも立て込んでいて…。アモンのことで進展があったからそれを伝えたくて2人を呼んだ。』
『はい。』
『……。』
(ですが、どうしてルカスさんではなく私を……?)
『犯人はグロバナー家が君達悪魔執事に支給したローブを身に付けていた。』
『『!?』』
『そう、今君たちが着てるそれだ。目撃者2人が証言していた。……グロバナー家が支給したローブを犯人は着ていた。私の言いたいことがわかるかな?』
『『……。』』
想像すらしたくなかった。
『つまり、フィンレイ様は……。』
『…あぁ。君たち悪魔執事の中にアモンを殺した犯人がいると思っている。』
『……っ。』
『まだ確証はない。気を悪くしないで欲しい。盗まれたという可能性も捨てきれない。だが…確実に有り得ないと思ってもいる。』
『…そうですね。簡単に盗むことなど不可能です。ましてや屋敷に部外者画入ることなど……。』
『そしてもうひとつある。アモンを殺したと言ってここに来た男二人組を拷問して吐かせたんだ。』
『!?』
『その男二人組は胡散臭くてね。どうにも犯人には思えなかった。だから雇われたんじゃないかと思って尋問したら吐いたよ。依頼主は赤と黒の髪の長い男。』
『…え?赤と黒って……。』
『あぁ、君たちが思ってる者と同じだ。私も。』
『ルカス…?』
『……あぁ。知人だったら1人しか思いつかない。』
『…。』
昨日聞いた話を言っていいのか凄く悩む。だけど、好きな人が誤った道を進むつもりなら私は止めたい。今更だとしても――。
『ファンレイ様。私、昨日エスポワールに聞き込みをした時――。』
『…なるほど。そしたら辻褄が合うね。私もルカスのことを疑いたくはなかったが。』
『……。』
1番辛いのはベリアンだ。ルカスとは2000年以上の友人だから。
『…フィンレイ様。必ず私が彼を止めます。間違った道など進ませない。』
『あぁ。私もだ。ルカスにはそんなことして欲しくない。』
一方その頃――。エスポワール裏路地。
ポタッポタッ…。
頬から血が滴る。黒くて、赤い鮮血が。
『……はぁ。君達が捕まってないということはフィンレイ様はこの2人を逃がしたのか。流石、頭の回る方だ。でも、邪魔ですね。…流石に中央の大地の当主を殺せば社会問題になる。』
本当に邪魔な奴ばかりだ。どいつもこいつも。私と主様の邪魔をする…。
『次に消すのは…。気安く主様に抱き締められたボスキ君かな。私だけなんだから。主様に触れていいのは。』
私は鎌を抱えて屋敷へ向かう。
私とベリアンは屋敷へ戻ろうと馬車へ向かっていた。
『…ベリアン。気持ちは分かるけど今は…。』
『はい…分かっています。ただ…。悔しくて。こうなる前に止められたんじゃないかって。』
ベリアンは涙目になる。
『…ベリアンのせいじゃないの。私のせいなの。』
『え…?』
『ルカスはきっと…私のためにこんなことを…っ。だから私が止めなきゃ。私がルカスを助ける。』
『主様…。はい。』
私は馬車に乗り込もうとする。
と、その時だった。
『ベリアン!!!悪魔執事の主!!!』
後ろから大声でフィンレイ様に引き止められる。
『フィンレイ様!?』
『今、憲兵から連絡が…っ。この間尋問した男2人組がエスポワールの裏路地で遺体で発見されたそうだ。』
『そんな…っ!』
『おそらくルカスだ。口封じのために…。』
『ルカスさん…っどうして…。』
ルカスにとって邪魔の対象は何…?
彼にとって邪魔なもの…。
その共通点が分かれば……。
アモンは私によく話しかけてドキドキさせてきた。それで、彼の中で私を奪われる要素として認識された。男二人組は口封じのため邪魔だから消した。つまり彼にとって『邪魔なモノ』は抹殺の対象――だとしたら次は…。
『ベリアン!!早く屋敷に!!』
『は、はいっ!!』
(私の予想が正しければ――次は――。)
私とベリアンは急いで屋敷に戻るため馬車を走らせる。
一方その頃――デビルズパレス。
ガキンッ!
『うぐっ…!!』
ドサッ!
『…残念だよ。ボスキ君。』
『っ、ルカスさん……どうしてこんなことするんだよ…っ。』
デビルズパレスの裏庭。模擬戦と称して、誘い出した。仮に何かあっても、既成事実を作れば言い訳なんて簡単に作れる。
『邪魔なんだよね。私と主様が結ばれるのに君達は邪魔なんだ。』
『君、達…?まさか、アモンを殺したのも…。』
『……ふふっ♪そうだよ。私だよ。』
ギラッと鎌を肩にかける。
『っ…!!』
俺は立ち上がり剣を向ける。
『犯人役に男二人をグロバナー家にシュッとうするように言ったんだけど…フィンレイ様は流石だね。拷問して依頼主を吐かせた。今頃もう私が犯人だって知ってる頃だ。…主様もね。あの二人は用済みになったから口封じのために殺したんだけど…遅かったみたいだね。』
『人の命をなんだと思ってんだよ……っ。アモンは!アモンはアンタみたいな卑怯な奴に殺される奴じゃねぇんだよっ!!許さねぇ…アモンの仇は俺がとる。』
『酷いなぁ。君のその右目も、右手も。私が治療してあげたのにな。』
『あんたのことはもう医者とは思わない。あんたは……ただの堕ちた悪魔だ。』
『……ふふっ。褒め言葉として受け取っておくね。さぁ、続きをはじめよっか。』
数時間後――。
『ボスキとルカスさん遅いね…。』
『あの二人が模擬戦なんて珍しいな。しかもルカスさんから誘うなんて。』
『え、あの人汗かくの苦手なのに?』
『あぁ。変だとは思ったが……。』
と、その時だった。
パカパカ……っ。ガシャンっ。
『あ、主様かな?』
バタンッ!!
ベリアンと主様が汗だくでエントランスに入ってくる。
『おかえりなさいま――。』
『ハウレス!フェネス!ボスキ、ボスキは…!!』
『ボスキなら裏庭でルカスさんと模擬戦を……。』
『っ!!』
私は屋敷を飛び出し、裏庭へと駆ける。
『『主様!?』』
『…っ。』
『ベリアンさん。何があったんですか?』
『…2人とも。至急皆さんを集めて下さい。ゆっくり話してる暇がないんです。』
『ベリアンさん……?』
俺たちは言われた通りみんなをエントランスに呼んだ。……武器を持って。
私は事の経緯を話した。最後まで細かく丁寧に。
一方、裏庭では。
『うぐっ…っぁ!!』
肩に深く釜の切先が刺さる。
『痛いよね?いくら君でも悪魔の力を解放してないんじゃ手も足も出ないよね♪』
『くそ、ゆる、さねぇ。ぜってー、あんたのことは俺が…っ。』
『まだ喋れるんだ。こんなんになったのに。まぁいいさ。直に君も…アモン君の所へ送ってあげる。』
ブンッ!!
鎌が大きく振り上げられた。その時だった。
『やめてッッッ!!!!』
『『!?』』
『はぁ、はぁ……っ。』
『主、様……?』
さぁ、始めよう。
ピースが揃った時、それは始まる。
『狂気に満ちた悪魔への純粋無垢な主様からの救いの鉄槌を下す裁きが――。』
次回
SEVEN story ドウシテナノ