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ご覧いただきありがとうございます
付き合ってる前提の二人です。
ずっと彰人視点です。
プロセカの彰冬彰です。私は右左気にせず書いているつもりですがもしかしたら、彰冬、冬彰に思えることもあるかもしれません。
また、誤字脱字、キャラ崩壊、等あるかもしれないのでお気をつけください。
読んでからの苦情は受け付けておりませんが、何かルールに反することをしていましたらなんなりとお申し付けください。
まだテラー初心者なので分からないことが沢山ございます。ご了承ください。
ではどうぞ
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「……きと、……あきと、……」
心地の良い午後だった。窓側に位置するオレの席からは暖かい日差しが差し込み、柔らかい風が吹く音が聞こえる。まるで、昼の焼けるような日光が嘘の様だった。
そうだ、思い出した。今日の6限は数学だったっけ。やべぇ、早く準備ししないと。
そう思って勢い良く顔を上げた。薄暗い教室はやけに静かで、窓の向こう側の雑音がよく聞こえる。ぼやけた視界を振り払うように目を擦ると、見慣れたツートンカラーの頭が見えた。
「彰人、大丈夫か?」
「…おー……悪い、寝てた」
下から覗き込むようにしてこちらを見てくる相棒は少し心配そうな表情をしていた。そんなに心配することか?、と思ったが口には出さない。遠野の時とかは色々心配を掛けたしその事を口に出されたらぐうの音も出ないから。それに、世界で一番大切な相棒に心配されるのは、まあ、嫌じゃなかった。
「ちゃんと授業は受けたのか?」
「…あー…まあ、それなりに?」
「嘘は良くないぞ」
冬弥の眉間に皺が寄り始めた。授業が始まったのに、起こしてくれなかった友人を恨む。
(こうなったら冬弥、結構怖いんだよなぁ)
この後のことを想像して肩を震わせながら、さて、どう誤魔化そうかと考えていると、時計を見ながら冬弥が思い出したように言った。
「そうだ、彰人すまない。今日は先にRAD WEEKENDに行ってくれ」
「同じクラスの女子に、放課後屋上に来てと言われたんだ」
相棒から発せられる言葉を聞いて、あー、それって、そういうことだよな、と納得した。同じクラスの女子、屋上、放課後、それから導き出される答えはもうそれしかない。それしか。
答えは100%決まっているのに目の前の天然すぎる男は、それに全く気づいていないようだった。
気に食わない。オレの一番は冬弥で、冬弥の一番はオレなのに、いつまで経っても気づかない相棒と冬弥を呼び出した女に無性に腹が立った。いや、めっちゃ理不尽だけど。
(オレをほっておいて女子と二人っきりかよ)
なんて、可愛くないことを思っていると、じゃあな、と一言だけ呟いて、教室の扉に歩いていった。
そうだ、もういっそのこと悪戯をしてしまおう。
英会話では発揮されない記憶力が、今だけ活躍した。そう、昨日冬弥の首元にしつこく付けたのだ。何がとは言わないが。何がとは言わないが!
「まて冬弥!」
「ん?、なんだ彰人?」
振り向いた相棒に早足で近づく。普段は使わない頭を存分に使って言い訳を考える。冬弥が知ったら「こんなことに頭を使わず、勉強に使ったらどうだ」って言うんだろうな。
「今日暑ぃからさ、第1ボタン開けたほうがいいぞ」
「屋上なら尚更だろ」
「そうか。なら開けよう」
人一人も入れないくらいに間を詰めて、冬弥がボタンを開けようとした手を払う。そしてそっと自分の手を伸ばして、冬弥のボタンを外し、襟を整えた。冬弥の首元に赤く光るそれの存在を確認すると、オレは大股1歩後ろに下がった。
「ありがとう」
「ん、じゃあな、」
冬弥が行ったのを確認して、自分も教室を出る準備をする。冬弥を呼び出した女、どんな顔をするかな。きっと悔しくて悔しくて仕方ないだろ。冬弥に目をつけたのが運の尽きだな。いや、だからめっちゃ理不尽だけど。
鞄を乱暴に引っ張りながら、オレは妙にニヤけた顔で教室を出た。
おまけ
「東雲!!お前青柳に彼女いるってホント!?」
「……なんでだよ」
「いやぁ、青柳の首元にキスマがあるの見たんだって!1‐Bの青柳に告白した女子が!」
「……へぇ、見間違いじゃねぇ?冬弥に彼女はいないぞ」
「ああ~、東雲が言うならホントか、イケメンなのに残念だよなあいつ、」
「そうだな」
(彼女はいねぇ、”彼女は”な)