「うげぇ……」
「おい!きっキク!どうしたんだこんなところに…… 」
「サディク先生に頼まれてこちらを届けに来ました」
「そうなのか……なぁコレやるよ」
「ありがとうございます?」
そう言ってアーサーさんは一枚の紙片を私に投げ渡してくれました。とりあえずこのままいる訳にもいかないので帰ることにします。
「失礼しました」
深々とお辞儀をして私は生徒会室を後にしました。
「やぁ君たち!そんなにピリピリしてどうしたんだい?」
「そこの髭がアイツを連れてきたある」
「えーマジかい……」
「お兄さんは悪くないからね!」
「おいお前ら!キクのことを悪く言うなよ!記憶喪失で大変なんだよ」
「あへんには分からないある。それにいつ記憶が戻ってもおかしくねぇある。気をつけといた方がいいよろし」
「僕も耀くんに賛成かな〜」
「おまえらなぁ……」
アーサーが言いかけた時生徒会室の扉を叩く音が聞こえた。アルフレッドが入るように促すと、ルートヴィッヒとフェリシアーノが入ってきた。
「どうしたんだい?キミ達が来るなんて珍しいじゃないか」
「その……キクのことなんだけどさ」
「ただいま帰りました」
学校、すごく疲れました。全国の学生さん達は凄いですね。あぁ家事をしなければ……
ふぅ……お風呂を沸かしたら終わりです。いやー学校帰りに家事はなかなかこたえますね。
「そういえばアーサーさんから貰った紙がここに……あ、ありました」
『なんかあった時のために俺の連絡先書いとくからな
PS.これはお前の為じゃないんだからな!』
「まぁ……」
アーサーさん、なんて優しいお方なんでしょう。こんなじじいのことを考えてくださるなんて……早速登録させていただきますか。
『登録させていただきました。よろしくお願いします』
と……こんなもんですかね。ふふっ、なんだか嬉しいですね。高校の時は友達と呼べるような人が居なかったからでしょうか。
ん?私とアーサーさんは友達だったのに連絡先を交換してなかったのは……
【お風呂が湧きました】
あっ、入りましょうかね。ご飯前ですが、沢山汗をかいてしまったのでね。ここから先は見せれませんよ。
「ふぅ……スッキリしましたぁ」
あら、アーサーさんから連絡が来てますね。
『おう、よろしくな』
『はい、アーサーさんがいてくれて心強い限りです!』
『そ、そうか?じゃあまた明日学校でな』
『はい、 また』
「ふぁ……」
もうこんな時間ですか……そろそろ寝ましょうか。