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「イレブン様、授業、始まってしまいますね…」
セーニャは少し緊張した様子で、隣にいるイレブンにそっと視線を送った。二人の初めての授業、それは「ペアとしての信頼を築く」ための課題だった。
恋愛学校のクラスは普通の授業とは異なり、各ペアごとに課題が与えられる。信頼を築くために一緒に過ごす時間を作り、お互いの価値観や気持ちを知ることが重要とされていた。教師は、これが将来の絆を深めるための第一歩だと説明する。
イレブンとセーニャはその日の放課後、学校の庭に出て、お互いのことを話す時間を作ることにした。初めはお互いに知っていることも多いと思っていたが、話していくうちに意外な一面を発見していく。
「セーニャ、君って、こんな風に毎朝早起きしていたんだね。知らなかったよ。」
イレブンが驚いた顔で言うと、セーニャは少し恥ずかしそうに頬を染めて答えた。
「ええ、朝の静かな時間が好きで…心が落ち着くんです。それに、イレブン様がいつも眠っている時間に少しでもお祈りしておきたくて。」
セーニャの優しさに、イレブンは自然と心が温かくなるのを感じた。自分のために早起きし、祈ってくれている彼女の姿が目に浮かんだ。
そして、イレブンもセーニャに自分の意外な一面を打ち明けることにした。
「実は、僕も少し不安なんだよ。君がいつもそばにいてくれて安心するけど、やっぱり僕で君を守りきれるのかって…」
その言葉に、セーニャは優しく微笑んで答えた。
「イレブン様、私もあなたと同じ気持ちです。でも、お互いが支え合っていけば、きっと大丈夫ですわ。」
二人の間には、少しずつ信頼と温かな空気が流れ始めていた。小さな気づきと、互いに対する思いやりが、イレブンとセーニャの絆を少しずつ深めていく。
その日の夕方、寮に戻った二人は、たった一つのベッドを見て、少しだけ照れくさい気持ちになった。だが、この学校での生活では、ペアとして一緒にいることが義務付けられている。
「セーニャ、今日も一緒に寝ようか?」
イレブンは、少し照れた表情でそう言った。セーニャも、やや顔を赤らめながら頷く。
二人はベッドに並んで横になると、それぞれに思いを巡らせながら眠りについた。イレブンは、心の中で「セーニャのことをもっと知りたい」という思いが強くなっていくのを感じた。そして、これから始まる課題を通して、二人の絆がどれだけ深まっていくのか期待に胸を膨らませたのだった。
次回予告:
第3話では、イレブンとセーニャに「お互いの夢を語る」課題が与えられることに。夢を語り合うことで、二人はさらに心を開き、将来について真剣に考えるようになる。