次の日、朝の授業が終わると、教師から新しい課題が発表された。
「今日は、ペア同士でお互いの夢を語り合ってください。」
教師はにっこりと微笑んで言った。
「夢というのは、ただの願望ではなく、二人がどのように未来を共に歩んでいきたいのかを考える大切なものです。お互いの考えを理解し合い、より深い絆を築きましょう。」
イレブンとセーニャは、その課題を聞いて少し驚いた。二人の夢は、これまで幼い頃からずっと一緒に過ごしてきたこともあり、互いにおおよそ予想がつく部分もあったが、今こうして改めて語り合うとなると、少し照れくさい。
放課後、二人は校庭のベンチに座り、ゆっくりと話を始めた。
「イレブン様、あなたの夢って何かありますか?」
セーニャは真剣な眼差しでイレブンを見つめる。イレブンは少し考えてから、少し恥ずかしそうに答えた。
「僕は…やっぱり、セーニャとずっと一緒にいたい。結婚して、君を幸せにしたいんだ。それが僕の夢かな。」
彼は言葉にするのが恥ずかしいようだったが、目をしっかりとセーニャに向けていた。
セーニャはその言葉に驚き、少し顔が赤くなる。そして、心から嬉しそうに微笑んだ。
「イレブン様…それは、私も同じですわ。私も、あなたと一緒にずっと生きていけたら、それが一番の幸せです。」
二人はお互いに目を合わせ、その瞬間、心が通じ合ったような気がした。
「でも、結婚後もお互いにやりたいことを実現し合いたいですね。」セーニャは続けた。「私はずっと人々を助ける仕事をしたいと思っているんです。教会でのお祈りや、困っている人を助けることが、私の小さな夢です。」
イレブンは真剣に聞いていた。セーニャが他の人を助けたいという気持ちが、彼女の優しさから来ていることをよく知っている。
「セーニャは本当に優しいな…僕も君を支えられるようにならないと。」イレブンはそう心に誓った。
そして、今度はイレブンが自分の夢を語る番だ。
「僕は、もっと強くなりたい。守れるようになりたいんだ、セーニャを。君がどんなときも安心して過ごせるように、僕が支えるから。」
その言葉に、セーニャはさらに微笑みを浮かべた。
「イレブン様、私もあなたに守られていると感じます。お互い、助け合いながら、成長していけたらいいですね。」
二人はお互いの夢を語り合うことで、少しずつ未来への期待と希望を強く感じるようになった。これまで何気なく過ごしていた日々が、今や少しずつ色を帯び、意味を持ち始めていることを感じる。
その日、二人は長い時間をかけて話し合い、互いに自分の夢を支える覚悟を決めた。学校生活が進む中で、もっと深く知り合い、絆を深めていくことを誓った。
夜、寮に帰ると、また一つのベッドが二人を待っている。
「セーニャ、今日はありがとう。君の夢、僕もすごく大切にしたい。」
イレブンは優しく言った。セーニャは微笑みながら、うなずいた。
「私も、イレブン様の夢を支えたいと思っています。」
二人は一緒にベッドに横たわり、静かな夜を迎えた。心の中で、これからもずっと一緒に歩んでいけるという確信を持ちながら。
次回予告:
第4話では、学校から与えられた「共同作業」の課題に取り組むことに。二人は協力して一つの作品を完成させることを目指すが、その過程で少しの意見の食い違いが生まれる。二人の絆はどうなるのか、次回もお楽しみに!
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