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淡路島の戦場は、今や荒れ果てた廃墟と化していた。白川と神風の戦いは続き、呪力の余波が周囲に及ぼす影響は計り知れないほどだった。だが、その中で、最前線に立ち続けていた透が瀕死の状態に追い込まれていた。

彼の身体は呪力の傷でボロボロで、呼吸は荒く、立っているのがやっとの状況だった。透は目の前で白川と神風の衝突に飲み込まれ、彼らの力の巨大さに圧倒されていた。

「くっ…こんなところで…」

透の呟きは弱々しかった。彼はここまで戦い抜いてきたが、この状況ではもう自分が足手まといであることを痛感していた。

白川は透の状況に気づかないまま、自らの「天壌無窮」をさらに拡張し、神風に向けて全力を注いでいた。一方、神風もまた、「天雷絶轟」を放ち続け、互いの呪力が戦場全体を飲み込む勢いで膨れ上がっていた。

そして、その衝撃の中心に、不運にも透が巻き込まれてしまった。

「白川…!神風…!」

透の叫びもむなしく、彼は白川と神風の呪力の奔流に包まれ、その力に押しつぶされてしまう。呪力の波が彼をのみ込み、意識が遠のいていく。

その時、戦場に響いたのは、神風の軽薄な声だった。

「おい、白川!さすがに透がヤバいって!このままだと奴、マジで死ぬぞ!」

神風の言葉に、白川は一瞬だけ眉をひそめたが、すぐに冷たく笑った。

「それがどうした?戦場では弱者は淘汰される。それが呪術師の宿命だろう。」

神風はため息をつき、少しだけ真剣な表情を見せた。

「いやいや、それは冷たすぎるだろ?透も仲間なんだし、ちょっとは手加減してやれよ。」

白川は苛立ったように肩をすくめたが、攻撃の手を緩めた。

「まあ、いいだろう。だが、次に邪魔をするなら容赦しない。」

神風は笑いながらも、透の元に駆け寄り、呪力で彼の傷を一時的に癒やす。

「よし、ストップしようか、今はな。お前が死んじまったら、俺たちの楽しみが減っちゃうからな。」

透は意識を取り戻し、辛うじて神風に感謝の視線を向けた。

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