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30
瑠璃マリコ
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苡 咒 。
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赤く染まった花びらが散っていく。
あちこちに散らされた鬱血痕はまるで身体に咲いた花のようにも見える。その花びらが散る度に湧き上がる官能は、否応なしに私を追い詰めていった。
「はっあぁぁ…うぅぅ……」
胸を覆っていたブラジャーはすでになく、下から掬い上げるように持ち上げられた乳房は、彼の指先で揉みしだかれ形を変えていく。愛撫で繰り出された乳首はピンっと張り、真っ赤に熟れフルフルと震えていた。
指先で摘まれた乳首はクリクリと動かされる度に硬さを増し、痛いくらいに立ち上がり存在を主張する。
「鈴香の乳首、真っ赤になって美味しそうだね。鈴香は、指でコリコリされるのと、口でクチュクチュされるのどっちがいい?」
「……やぁぁ…わ、わかんないぃ……」
恥ずかしい身体の変化を指摘され、耳元で囁かれる卑猥な言葉が脳に浸透し、それが刺激となり新たな快感を生む。
「わからないのかぁ……。じゃあ、鈴香は痛くされる方が好きなのかな?」
ヤダヤダと首を振るも、無情な指先はそれを許してはくれない。先端に突き立てられた爪の感触が電流となって全身を駆け巡り、叫声を抑える事も出来なかった。
「いっ…いやぁぁ……痛いの、いやぁ……」
「じゃあ、どうされたいのかちゃんとお口で言って」
卑猥な言葉を言わせようとする橘を睨むが、涙で滲んだ瞳では何の意味もなさない。ただ、男の欲望を煽るだけだ。
「……舐め…て………………」
顔を背け小声で呟くのが精一杯な私に甘く残酷な言葉が降り注いだ。
「本当、可愛い……そんなんじゃ分からないよ。どこを舐めて欲しいかちゃんと言わなきゃ。じゃないと間違えてしまう」
言葉と共に、グイっと脚を抱えられ太ももの付け根にチリっとした痛みが走る。
「色白だからキスマークの赤がよく映える。ほらっ、ちゃんと言わないから、こっちだと思っただろう。それとも、ココの方が良かった?」
脚のつけ根に散った赤い鬱血痕を舐めていた舌先が、最も敏感な淫芽を隠す双丘へと降りていき、プックリと膨れた二枚の花弁の縁へとたどり着き舐め回す。
「ひゃぁっ…あぁ、うっん………」
敏感な芯の部分だけを無視し、与えられる緩慢な愛撫は官能を高めるだけで、決定的な刺激とはならない。
あぁぁ、もっと直接的な刺激が欲しい。
「鈴香、腰が揺れてるよ。そんなにクリトリスへの刺激が欲しいんだ。じゃあ、言って。俺にどうされたいかちゃんと言って」
焦らされた身体は我慢の限界だった。誘導されるがままに、卑猥な言葉がついて出る。
「わたしの、ココ…舐めて、弄って……いじめて……」
「ココってどこ? ほらっ、ちゃんと言わないと分からないでしょ」
ふるふると首を横に振る私の手を掴んだ彼が、指先を甘噛みする。
「じゃあ、ココでいいの?」
「やだぁ…ちがぅ……」
「じゃあ、こっち?」
手の甲を覆うように伸ばされた指先が濡れて光る私の指先と絡み合い、自分の意思とは関係なく身体を這う。彼の言葉通りに動く指先は、首筋を撫で、胸の頂きをかすめ、脇腹をくすぐり、徐々に徐々に降りていく。
触れる度にピクンと揺れる身体は強い刺激を求めて波打った。けれども、決定的な快感を得られる場所に、橘は一切触れようとはしない。そんな生殺しの状態に、理性は焼き切れつつあった。
「言えないなら態度で示してくれてもいいんだよ。この指で……」
悪魔のような甘い囁きに、あらがう理性は残っていなかった。
既に力が抜けた両脚を広げ、淡い茂みに隠された二つの花弁に指先を添えられ開かれれば、包皮に包まれた淫芽が顔を覗かせる。その些細な刺激をも拾った蜜壺がうねり、愛液を垂れ流す。
あられもない痴態を晒している事も分かっていた。ただ、その痴女めいた行為に興奮している自分が確かにいる。
卑猥な格好を曝け出し男を誘う。こんな欲望に忠実な女の部分があったなんて……
その事実を認めてしまえば、さらなる欲望が顔を覗かせる。
「はぁぁ…お願い。ココに、ちょうだい……」
ゴクリっと橘の喉が鳴ったような気がした。
言葉はなかった。むしゃぶりつくように淡い茂みを掻き分け侵入してくる舌先。指先でパックリと割られた二つの花弁の内側を縦横無尽に這い回る舌に淫芽を嬲られ、唇で喰まれる。
やっと与えられた強烈な刺激に全身が歓喜の悲鳴をあげた。頭の天辺からつま先まで一気に駆け抜けた電流に翻弄され、気づいたら潮をぶち撒け果てていた。
「そんなに気持ち良かったの。ビショビショだよ」
その言葉に薄っすらと目を開ければ、髪から雫を滴らせた橘と目が合う。
「あっ、ごめんなさい……」
盛大に橘の顔へと潮をぶち撒けてしまった事実に狼狽える。どうにかしようと慌てて伸ばした手が掴まれた。
「大丈夫だよ。待ち切れない程、欲しがってくれて嬉しいよ。いっぱい感じて、ドロドロになればいい。俺をもっともっと欲しがって……」
橘に掴まれた手を胸へと導かれ、親指と人差し指に添えられた指で、立ち上がり主張している乳首を挟まれ強く捻られた。
イったばかりの身体には、些細な刺激でも辛い。甲高い叫声が口からこぼれ、涙が込み上げ流れていく。
「あぁぁ、痛かったね。じゃあ、自分で弄った方が気持ちよくなれるね。見ていてあげるから弄ってご覧よ。……そうそう、上手だ」
自慰をするという行為が恥ずかしいと思う理性など残っていなかった。
橘の言葉に誘導され乳首を自ら弄りだす。コリコリとシコった弾力を楽しむように潰したり、捻ったり、引っ張ったりしているうちに、感度は増し、指の動きも速く強くなっていった。
「はぁぁ…これだけ…じゃ……イケない………」
「じゃあ、手伝ってあげようね」
「ひっ!! はぁぁぁぁぁ……」
蜜壺に突き立てられた指が、突然の衝撃に緊張した隘路を宥めるように動き出す。ゆっくりと抜き差しを繰り返し、かぎ爪状に折り曲げた指先で時折り内壁を探る様に強く押される。延々と続く抽送に狭かった隘路は緩み、内壁の一点を擦りあげられる度に身体は歓喜に打ち震え、愛液を垂れ流す。
「もう、無理。……奥に……欲しいのぉ……」
隘路の奥が疼いて疼いて仕方がない。指では届かない最奥を突いて、めちゃくちゃにして貰わなければ収まりそうにない疼きを持て余し、うわ言のように要求を口にしていた。
「鈴香、俺が欲しいの? ちゃんと言葉にして言って」
「あぁぁ…真紘が……欲しい……」
最後の言葉を飲み込むように唇が重ねられ、口腔に侵入した舌に翻弄される。
息継ぎすらままならない私の思考は霞んでいく。そして、滲んだ視界の先で見た真紘の幸せそんな笑顔を最後に、私の意識は弾け飛んだ。
コメント
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第30話「空振りする欲望」、読ませていただきました…! 鈴香が本当に追い詰められていく感じが、文章からひしひしと伝わってきて、読んでいて息が止まるような感覚になりました。 特に「言えないなら態度で示して」から「ココに、ちょうだい」までの流れ、心の壁が一枚一枚剥がされていくような繊細な心理描写が本当に秀逸です。あの、理性が焼き切れていく感覚…ぞくっとしました。 そして最後の「真紘が…欲しい」、あの一瞬で全てが変わる瞬間の描き方、素晴らしかったです。続きが気になります!