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【ねろ視点】
どうやら嫌われているわけではなかったらしい。
こっちが向こうに迷惑だと思っていたが、向こうもそう思っていたのか。
そのまま5人で歩いていると、後ろからなにか気配を感じた。
これが例のストーカーかな。
めーや「後ろなんかいる〜」
アベ「それな〜気のせいじゃなかった〜」
プテ「SP、ではなさそう。」
ねろ「宵崎は気づいてないな」
そう耳打ちし合う俺らを見て宵崎が少し首を傾けていた。警戒心が薄すぎる…
七海「な、なにかありました?」
アベ「ん?なんもないよ?」
めーや「なんもないなんもない!」
アベレージやめーやさんが話を盛り上げてくれているおかげで後ろの存在にはまだ気づきそうにない。
このまま何事もなく帰れたらいいんだけど…
後ろから足音がどんどんと近づいてくる。
「ねぇ」
そうもいかないよな。
めーや「どちらさんですかァ?」
アベ「なんか御用ですか〜?」
プテ「僕らは用ないです〜」
ねろ「どうぞおかえりくださーい」
思い切りがんをつけるめーやさんを軽く小突きながらノールックであしらい、怯える宵崎の頭にぽんと手を乗せる。
ねろ「大丈夫、こいつら強いから」
七海「えっ、いやっ、」
「僕は話がしたかっただけなんです!!!」
手加減をしたとはいえ、めーやさんとアベレージに2、3発殴られボコボコになった姿で地面に伏せて何度も謝る男を見て、その後に宵崎に目をやる。宵崎は真っ青な顔をして2人を見つめていた。あの日、俺が助けた日のような。
アベ「え、こいつに殴られたんじゃ…」
七海「?!な、殴られてないです、けど…え?」
ねろ「めーやさぁん???」
顔にアザって言ってたよねぇ?でも確かにこいつがやったとは言ってなかったか?
めーや「じゃあ、誰に殴られたのそれ…」
七海「だから…ぶつけちゃっただけですよ、って」
プテ「ほんとに?詮索する気もないけど、頼れる人には頼ってね。お母さんとか」
プテのその言葉に宵崎は若干顔をひきつらせたように見えた。
まさか虐待なんてこと…
脳に現れた嫌な予感を振り払う。
アベ「でもストーキングはダメだよね?」
「ごめんなさいっ…一目惚れで、話したくて…」
七海「危害、加えるつもりがないなら、今後やらないってことで…」
めーや「甘くない?!大丈夫?」
七海「何もしてないですから……まだ。」
とりあえずストーカー男は宵崎の情けで解放された。
その後は安全に家まで送り届け、解散、のはずだった。
母「あら七海。この人たちは?」
七海「お、おかあ、さん…」
直感。
宵崎が母と呼んだ存在の表情を見て、さっきの嫌な予感が当たった、そう思った。