部屋に響くのは華奢な身体で甘い嬌声を発する女の子、ではなく筋肉で少し引き締まった身体で掠れた声を発する男だった。
「なぁっ・・・もっ、むりぃ!」
俺ドット・バレットは目の前のスカシピアス、いや同じ寮生のランス・クラウンに抱かれている最中だ。
「声を抑えないとマッシュ達にバレてしまうぞ」
「んっ・・・そ、んなんいいから・・・やめっ・・・・・・んあっ!?」
抵抗の声を制止するように目の前のイケメンは腰を強く打ち付けた。
すっかり夜も更け何度目かわからない行為にドットの身体は限界を迎え始めていた。が、目の前の相手は止まることなく俺のナカに熱くて甘い白濁の液を注ぎ続けている。今日は妙にがっついてんな、なんて思考もまとまらない頭で考えていた。
「も、とまれってぇ!きょうのおまえ、なん、かへんっ!〜〜ッ!」
俺は絶頂に達しすぎて透明になった体液を腹の上に吐き出した。瞬間、アイツは急に動きを止めてこちらを見た。
普段のアイツからは想像できない欲に塗れた目で腰がゾクっとしてしまいつい枕で顔を隠した。グッ、そんな目で見んなよクソイケメンがッ!
「そんなに俺が変か?お前が可愛すぎるのがいけないんだろう。」
そう言い枕を奪い取られ目の前にアイスブルーが広がった。
「んっ・・・ふっ、んん!?」
唇を柔く重ねるキスから口をこじ開けられ熱い舌を捩じ込まれた・・・と思いきや両耳に指を入れられ口腔内で混ざり合う卑猥な水音が頭の中で反響する。
初めての感覚に思わずナカを締めつけ首に回していた腕に力を込めた。
急に締めつけられたせいかランスはまたもや俺のナカで果てた。
俺の腹はアイツの甘ったるい精液で満たされ、、いやこれ満たされすぎだろ。俺の腹アイツのモノと相まって膨らんでるし。
その事実に気づいてしまい一気に顔が紅潮してしまった。それに気づいたランスは指を抜き口を離す。俺達の間に銀の糸が伝う。
糸がプツリと途切れ一瞬寂しさを感じたがそんなことを忘れてしまうぐらいの快楽が次の瞬間俺を襲ってきた。目の前に星が飛び散るような感覚だ。
「ふっ、そんなに顔を赤くさせて・・・かわいいなドット」
アイツは訳の分からないことを言いながら俺の精液で濡れた腹を押さえ挿入を繰り返している。
「あぁ”ッ・・・ひぐッ、かわ、いいって・・・どこ、がっ・・・・・・」
くそっ!今日初めてのことばっかりで頭が追いつかねぇ。そんな目で見るなよ!
先程は違う何もかも見透かしてしまいそうなゲロ甘な目つきで俺を見てランスは口を開く。
「全てに決まってるだろう」
「んッ・・・はッ、?意味・・・わかんねッ!」
俺の全部がかわいいだと?目腐ってるんじゃねえのか?こいつのかわいいセンサーは全部アンナちゃんにあるんじゃねぇのか??
ランスは俺の前髪をあげてまた口を開く。
「いいだろう、お前のどこがかわいいか言ってやる。まず、俺の顔に興奮して額に浮かぶそのアザ、涙目、嫌と言っても抵抗をしないでもっと俺を求めるところ、キスだけでイk「あ”ぁぁぁ!!わか、った!わかったから!恥ずか死ぬから黙れ!」
俺は恥ずかしさでランスの言葉を遮った。こいつ俺のこと好きすぎだろ!ま、まあランスのことお、俺は嫌いじゃないけど、、、
そんな会話を交わした直後ランスの手がどんどん離れていき腰を強く掴まれた。嫌な予感がして逃げようとしたのも虚しく腰を打ちつけられた。さっきより深い場所だ。
「んあ”!?もっ、無理、だってッ!げんか、い・・・やだ!しねっ!」
俺の声を無視してランスは話を続ける。
「なあ、ドット、奥まで入っていいか?」
「お、く?む、りやら!〜〜ッ!?あ”ぁぁぁ!!な、にこ、え、へんに、なるっ」
バチバチと目の前に火花が散る。
こいつ!俺の話無視して奥まで挿れやがった!元から俺の許可なんて取るつもり無かっただろ!しね!!
つか、やべぇこれ以上は身体が持たねぇ、普段なら俺の方が体力あるはずなのに何で夜になるとこいつの方が体力あるんだよ!クソっクソっ!!ムカつく!5回死ね!!
「らん、す、とま、れ・・・も、ほんと、にむりっ」
「すまないが今日は付き合ってもらう」
俺は泣きじゃくった。子供みたいに泣きじゃくってもアイツは止まらなかったやがて俺は
「な、なんかちげぇのキテ、るっ・・・あ”ぁ〜〜〜ッッ!!」
「奥を突かれて潮を吹くか、ふっ、本当に貴様は」
“可愛いな”
そこで俺の意識は途絶えてしまった。
「んん、」
目覚めてみると横にはスースーと寝息を立てて寝ている恋人がいた。クッソが、睫毛長すぎだろ!そしてなんでこんな涼しい顔してんだよ!!こっちは腰がバカクソ痛ぇってのに。
そんなことを考えながら寝顔を見つめていると
「ん、もう起きたのか。おはようドット」
恋人の寝起き特有の掠れた低い声を聞きさっきまで思っていたことを忘れ顔に熱がブワッと集まる。
フッと優しく笑い俺の頬を撫でてくる。それが心地よくていつもはしないがランスの大きい手に擦り寄ってみた。
ランスは少し目を見開いたがそのまま俺を抱き締めた。あ〜、あったけぇ。いつも体温の低いランスだがこうやって抱き締めてくれると俺もこいつも生きてるんだなって思う。このあったかさ知ってんの俺だけなのか。へへ、なんか嬉しいな。俺はランスに気づかれないようニヤけた。
後日談
「なあ、なんであの日あんながっついてたんだ??」
「さあ・・・貴様には関係ない事だ」
「は?なんだよそれ。めっちゃ知りたくなるやつじゃねぇか!教えてくれないなら5回死ね!!」
ギャーギャーとまたいつもの喧嘩が始まりそれをマッシュとフィンが慌てて止めに行く変わらない日常がこれからも続くのであった。
何故ランスががっついてたのか理由は自由にお考え下さい。ではまたどこかで会いましょう。
※このお話はpixivに投稿したものをここで再投稿しています。