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鈴菜 「……」
翡翠 「……。」
私達は,お互いに無言で家へと帰った。
翡翠はずっと俯いたまま歩いていた。
時々,『ごめん…』と言っていた。
鈴菜 「着いたよ。翡翠。」
翡翠 「…うん…」
鈴菜 「翡翠。何か飲む?加加阿《カカオ》とか作ろうか?」
翡翠 「…珈琲《コーヒー》が良い…。」
鈴菜 「ん。分かった。砂糖は?入れる?」
翡翠 「…ブラック」
鈴菜 「ん。了解。」
翡翠 「ん…美味しい。鈴菜…珈琲作るの上手いね。」
鈴菜 「へへっ。そうでしょ??昔から運動とか,てんで駄目だったけど,珈琲だけはずっと好きだから研究してたの。」
翡翠 「偉いなぁ…鈴菜は…それに比べて僕…私…は…。」
翡翠 「え………?鈴…菜…?」
鈴菜 「大丈夫!謝らなくて良いから!私の前では好きなだけ,僕って言って良い!遠慮なんかしなくたって良い!私の前では楽にしてて良いから!」
翡翠 「…っ…ありがとう…ありがとう…っ…。」
その日は,鈴菜と一緒の布団で眠りに付いた。
不思議と鈴菜と一緒に居ればいつもの不安や,苦しさとか全部何処かへ飛んでいくような,そんな気がした。(ありがとう…鈴菜……。)