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精神世界
静寂に包まれた白い空間。
ソウヤの前には、過去の覇者にして前・全界神──碇 零が立っていた。
ソウヤは震える声で尋ねる。
「あなたは……本当に四百年前の覇者なんですか?」
零は穏やかに頷く。
「ああ。」
「私は一度、この世界からすべての能力を消した。」
「だが、人の欲望は能力そのものではなく、『力』を求め続けた。」
「そして時代を経て、能力は再び世界に現れた。」
ソウヤは拳を握る。
「だからAzは、その力を研究している……。」
「そうだ。」
零の表情が厳しくなる。
「だがAzの真の目的は、能力の研究ではない。」
「”能力そのものを創造する存在”になることだ。」
現実世界・能研本部
一方、ソウヤは訓練場で意識を失ったままだった。
結衣が治癒能力を使う。
「身体には異常ありません。」
イレイダは腕を組む。
「精神世界にいる。」
惣一は静かに目を閉じる。
「零と接触したのだろう。」
夢幻が驚く。
「そんなことが可能なんですか?」
惣一は短く答えた。
「彼ならな。」
精神世界
零はゆっくりと歩き始める。
周囲の景色が変化し、宇宙のような空間が広がる。
無数の銀河。
星々。
そのすべてが静かに輝いている。
「これが……。」
ソウヤは言葉を失う。
零は宇宙を見上げる。
「能力とは、本来この世界を守るために存在した。」
「決して争うためではない。」
そしてソウヤを真っ直ぐ見つめる。
「だからこそ、お前に問う。」
「何のために力を求める。」
ソウヤは迷わず答えた。
「仲間を守るため。」
「そして……。」
「能力者も、普通の人も、一緒に笑える世界を作るためです。」
零は静かに微笑む。
「その答えなら十分だ。」
ハルシオン・艦橋
同じ頃。
ハルシオンでは緊急警報が鳴り響いていた。
オペレーターが叫ぶ。
「地球低軌道に対象を確認!」
スクリーンに映るのは、一人の人影。
宇宙空間を歩くように進む謎の存在。
ベルソルトが息を呑む。
「人……?」
フランは険しい表情を浮かべる。
「違う。」
「あれは、人間の領域を超えている。」
マスタークラウン本部
マランもまた空を見上げていた。
「来たか。」
ペインが笑う。
「誰なんだ?」
マランは静かに答える。
「分からない。」
「だが、俺の本能が告げている。」
「絶対に敵に回してはいけない。」
グランは初めて緊張した表情を見せた。
Az・新研究施設
間宮トオルも観測データを見つめていた。
「素晴らしい。」
「この反応こそ、私が求めていたものだ。」
研究員が青ざめる。
「しかし接触は危険です!」
間宮は不敵に笑う。
「危険だからこそ価値がある。」
その背後で、オールドマンが初めて口を開いた。
「……やめておけ。」
研究員たちが驚く。
オールドマンが言葉を発するのは初めてだった。
「奴には……。」
「近付くな。」
精神世界
零の身体が少しずつ光になっていく。
「時間だ。」
ソウヤは一歩踏み出す。
「また会えるのか?」
零は優しく頷いた。
「お前が本当に必要とする時。」
「私は再び現れる。」
そして最後に一言だけ残す。
「マランを救え。」
ソウヤは驚く。
「え?」
しかし零の姿は光となって消えていった。
現実世界
ソウヤがゆっくりと目を開ける。
「……戻った。」
結衣たちが安堵する。
イレイダは静かに尋ねた。
「何を見た。」
ソウヤは全員を見回し、静かに答えた。
「レイの正体、碇零に会った。」
「そして……。」
「マランを救えと言われました。」
その言葉に、惣一とイレイダの表情が変わる。
マランは世界最悪クラスの敵。
その男を救うという言葉の意味とは――。
エピローグ
宇宙空間。
謎の存在は、ついに地球の大気圏へと降下を始める。
その瞳は真っ直ぐ、日本を見据えていた。
そして静かに呟く。
「……零。」
「約束の時だ。」
その瞬間、大気が黄金色に輝いた。
第36話 完
#鬱展開
Mist-404
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mogyumogyuGemi
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コメント
1件
あおいです、読ませていただきました🌷 零さんの「能力は世界を守るために存在した」という台詞、すごく心に残りました。ソウヤくんが迷わず「仲間を守りたい」と答える場面も、まっすぐで良かったです。 最後の黄金の光と「零…」という呼びかけ、あれは零さんとどういう関係の方なんでしょう。続きがすごく気になります。