テラーノベル
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カーテンの隙間から差し込む朝の陽ざしで目を覚ます。昨晩は熟睡をとることが出来た。一昨日はアイさんとミィに挟まれて眠ったせいで、十分に睡眠をとることが出来なかったのだから、普段の休日よりも遅い起床時間になってしまったが仕方がない……。と、思い出すだけで下半身の血流が促進されてしまいそうだ。
俺はしっかりと目を覚ますため――そして心を静めるために洗面所へと向かい顔を洗う。しかし、鏡に映る俺の首元には、うっすらと虫刺されのような跡が残っていた。一昨日の晩に、アイさんに付けられたキスマークだ。言われなければ気にならない程度の薄さではあるが、あの時の首筋に感じたアイさんの唇の感触、右腕に押し付けられた胸の柔らかさ……全てが鮮明に脳裏に蘇る。
ヤ……ヤバい……。一発だけ処理を行い、賢者に転職をしてから食事をするか……? いや、アイさんやミィをオカズにすることは何か申し訳ないような気がする……。し……しかし、このままでは……。先に食事を済ませ、それでも心の整理が付かなかったときは処理をしてから執筆に……なんて考えながらブロック栄養食を齧っていると、部屋の扉の鍵がガチャリと回った。
そして、少ししてから扉が勢いよく開き、ミィが部屋の中へと入ってくる。
「ユウトおはよ~。少しお話があるんだけれど良いかな~?」
ミィは部屋の鍵を掛けながら話す。どうせ駄目だと言っても「いつなら良いの? それまで待っているね~。」とか言って、一生俺の部屋に居座るつもりなのだろう。であれば、ササッと話を聞いてから追い出した方が早い。
ああ……今日は一日中、執筆活動にいそしむことが出来ると思っていたんだけれどな……。
ミィは俺の返事を待たずに、ソファーに座る俺の隣に腰を掛けた。ミィが座った拍子に俺の身体が少しだけ上下する。
「おはよう、ミィちゃん。早く済ませてくれよ。」
俺は咥えていたブロック栄養食を素早く口の中に詰め込んでミィの方を見る。普段のミィであれば俺の部屋に来る時でも薄っすらと化粧をしてくる。しかし今日は完全なすっぴんのようだ。まあ、大きな瞳にくっきりとした涙袋、バランスの良い顔立ち、薄っすらと赤味掛かった唇、……、そのまま外に出ても恥ずかしくない程可愛いのだが……。
それに、表情もいつになく真剣で……でもどこか悲しげで……。彼女の目元をよく見ると少し腫らしている。泣いていたのだろうか?
急いで口の中の物を飲み込んで、ミィの頭を撫でる。
「どうかしたのか?」
「ねえ、昨日、マイさんとお話をしていたでしょ? どんな話をしていたのか教えて。」
どんな話と言われても……俺はキスの話は伏せ、ポイントカードが溜まったので今度メルラブに行ったときに、ポイントカードを使用して動画撮影をしようと約束をしたことだけを伝えた。するとミィは何度も「本当に? 本当にそれだけしか話していないの?」と聞いてくる。
どう答えれば良いのかと頭を悩ませていると、部屋のチャイムが鳴った。インターフォンと連動している小さなモニターを見ると、チャイムの主はアイさんのようだ。俺は急いで扉を開ける。
アイさんは一瞬俺に会釈をしたかと思うと、速足で俺の部屋へと上がり込みミィの腕を掴んだ。
「ユウト君には関係の無いことなんだから早く帰るわよ!」
ミィはソファーにしがみつきながら声を上げる。
「でも、マイさんは何度もユウトのことを接客していたんだから、何か聞いているかもしれないでしょ? それで誤解が解けたら問題ないじゃん!」
アイさんはミィの事を引っ張り、ミィは必死にソファーの腕掛けにしがみつく。このままではソファーが壊れかねない。
「アイさんもミィも落ち着いて下さい。一旦、冷静に話し合いましょう。俺が聞いたら困ることであれば席を外すので。」
アイさんはミィから手を放し俺の手を取る。そして、申し訳なさそうな表情を浮かべた。
「ごめんなさい。すぐにミィちゃんの事を連れて帰るので……。因みに、ミィちゃんから何か聞きましたか?」
「『昨日、マイさんと何を話していたの?』と聞かれただけです。ただ、別に大した話はしていなかったので……。」
「そう、それなら良かったんだけれど……ねえ、そういえば、前にマイちゃんから『ポイントカードが溜まったら、キスしてあげる』って提案されていたわよね? もうそろそろポイントが貯まった頃だと思うけれど、あれからマイに何か言われていない?」
心臓を掴まれたような感覚がして、思わず目を逸らせた。その瞬間、それまで目を伏せていたアイさんは一瞬だけ苦虫を噛み潰すような表情を浮かべた。しかし、すぐに元の表情へと戻る。そして、俺の回答を待つことなく言葉を重ねる。
「そういえば、マイちゃんも『あれは冗談だよ。』って言っていたわね。蒸し返すようなことを聞いちゃってごめんなさいね。」
それを聞いた瞬間、ソファーから飛び起きたミィがスマホ画面を俺に突き付けながら、俺の袖を引っ張った。
「じゃあ、ユウトからも言ってよ! マイさんがこんなことをする人じゃないって!」
コメント
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おおお〜第58話読んだよ!!📖💕 朝からミィちゃんのすっぴん姿とか、アイさんの「ポイントカードのキス」の話のときのユウトくんの動揺がリアルすぎて切なかった…😭💦 特に、アイさんが一瞬だけ苦虫噛み潰したような表情を浮かべるシーン、あの空気感がやばすぎる!!「あっ…やばい、バレた」って読者にも伝わる描写が上手すぎるよ〜😤✨ ミィちゃんが「マイさんはそんな人じゃないって言って!」ってユウトくんに詰め寄るところ、胸がギュッとなった…。三人の関係がどうなるのか続きが気になりすぎる!!次の話も待ってるよ〜🥺💕
#両片思い
当麻月菜
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榎本くもり
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#地雷系
尾津嘉寿夫 ーおづかずおー
1,225