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私
の名前はエメラルダ・ロドリーゴ。
私はこの国の姫であり、今は次期女王候補でもある。
そんな私がなぜこのような場所にいるのかと言えば……。
それはひとえに、とある事件が原因だった。
****
「お父様!」
「おお、我が娘エメラルダよ。お前にもとうとう縁談の話が来たぞ」
「はい?」
突然呼び出された私は、開口一番そう告げられた。
目の前にいる父は上機嫌に微笑んでいるけど、私はといえば眉間にシワを寄せざるを得ない状況だった。
だって、つい先日まで私に縁談話なんて来ていなかったんだもの。
そりゃあもう、びっくりして目を剥くくらい驚いたわ。
一体どこのどいつが、私みたいなじゃがいも女と結婚しようと思ったわけ!?
「もちろん相手は知らないでしょうけどね。わたしたちはあなたと同じ人間だってことを」
「あなたたちこそ何もわかっちゃいないわ!」
「そうかな? 君たちの目から見て、僕はどんなふうに見える?」
「えーっと……なんかこう……すごくヘンな人です」
「ふむ。僕自身、自分のことは変な奴だと自覚しているんだ」
「あぁもうっ! こんなときまでふざけるのは止めてください!!」
「ふざけてるつもりはないんだけどな。でも確かに君の言う通りかもしれない。僕みたいな人間がこんなこと言う資格なんて無いけどね……」
「あぁ~そうですか? それは良かったですね~。ではさようなら~」
「え!?ちょっと待ってよ!!」
「いえいえ待ちませーん。だって私貴方のこと嫌いですし」
「そっか……うん分かった。じゃあさ最後にこれだけ教えて欲しいんだ。君は一体誰だい?」
「ふぅーやっと聞いてくれましたか? では答えましょう。私はただの『道具』ですよ」
「へぇ~そうなんだ。僕は君のことを人間だと思ってたよ」
「あっそうですか? ありがとうございます。それではさよなら」
「バイバーイ」