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私の名前は鈴木花子です。今年17歳になりました。高校二年生です。誕生日プレゼントにもらったのは猫耳メイド服でした。……私だって好きで着てるわけじゃないんですよ?
「お帰りなさいませご主人様ぁ~♪」
ここは『喫茶ねこまんま』という名の喫茶店です。私がバイトしているところです。店長さんが経営してます。
「はいただいまー。今日も元気だね花ちゃん!」
「あはは。そうですか?」
ちなみに私の名字は鈴木ではなくて田中なのですが、よく間違えられます。
さっき出迎えてくれたのはこの店のマスター兼店長さんの中村健吾さんです。年齢は20代後半くらいでしょうか。いつもニコニコしていてとても感じの良い人です。
お店は一階にあって地下へと続く階段の奥にありました。薄暗い照明の中にカウンター席とテーブル席がいくつかあって店内はとても落ち着いた雰囲気です。
「こんばんわー!」
私が元気良く挨拶しながら中に入るとマスターはこちらを振り向いてニコッと笑ってくださいました。
「あら、真白ちゃん今日は随分と遅かったじゃない。何か用事でもあったの?」
そう言いながら私のために椅子を引いてくれます。なんて気が利くんでしょ! 私は彼のために紅茶を入れましょう。だって彼は私のお客さんだからね。
ああそうだ。彼へのプレゼントを用意しなくちゃ。どんなものをあげようかしら? えーっと、確かあそこに……。
あの人ったらどうしてこんなものを欲しがっているのかしら? でも仕方がないわよね。私があげたんだもん。
うん。やっぱりこれしかないかな。
ねえあなた、ちょっと聞いてくれる? 私ね、あなたのことを愛しているの。
あなたはもう忘れてしまったかもしれないけど、私はずっと覚えていたわ。
初めて会ったときのことを覚えてる? 君は覚えていないかもしれないけど僕はちゃんと覚えていたんだぜ 君は忘れてしまっただろうね僕だって君を忘れようとしたさでも忘れられなかった あのときの約束守れなくてごめん 君が好きだ今でも愛しているんだでも僕の想いは叶わない だからせめて君の願いを叶えようと思う たとえそれがどんな結末になろうとも だから待っていてくれ必ず迎えに来る そのときまでどうか元気でいて下さい またいつか会えるその日まで 僕はずっと待っているから そして今日もまた彼女のもとへ行こうとしている きっと彼女はまだ知らないだろう 僕たちがどれだけの時間を共に過ごしたのかということを それでもいいのだ これから知っていければいいのだから