皆が席に座ったところで、先生は口を開く。
rb「今日から二年二組の担任と古文の担当をさせていただきますrbrと申しますよろしくお願いします」
軽くお辞儀をする。
髪型は軽めのマッシュで袖なし朝紅色のセーターに綺麗で真っ白なシャツを着ている。体型、顔、まさに容姿端麗と言うやつだ。そんな見た目の彼にクラスの女子は釘付け。
「ねぇ〜っ!!かな!!せんせぇめっちゃイケメンじゃない!?」
「美代〜!!話しかけてきてよっ!!」
「えぇ〜…でもぉ…!!」
なんて会話があちこちから聞こえてくる
そんな生徒を見てrbr先生は一言。
rbr「あ、俺生徒に興味無いから。」
ちょっと申し訳なさそうに苦笑いする
教室は一瞬静まり返ったが、また騒がしくなり始めた。
rbr「次お前ら体育だろ〜?早くホームルーム終わるぞ」
「日直、号令しろ」
「きりーつ気をつけ〜…」
……
今日の一時間目の授業は体育だ。テスト勉強のことですっかり忘れていた。
今週のテストが終わったら来週の金曜日に駅伝が始まる。
運動神経に恵まれていない俺にとって正直地獄だ。
友達もできず、遊ぶ機会もない為運動する機会が滅多にない。
かと言ってバトンを渡す選手に選ばれてる訳でもないからそこは気が楽だ。
しかし、体育の時間ひたすらコースを走らされるため駅伝の練習が始まってからというもの左足がずっと筋肉痛なのだ。
─キーンコーンカーンコン…
ぶつぶつ考えているとチャイムが鳴る。
「日直〜!!号令!!」
体育教師の鬼山が大声をあげる
あぁ、地獄の時間が始まる。
軽く準備とランニングをし、いつものスタートラインに着く。どの学年も駅伝の練習をしているため、泥と白い粉が混じってスタートラインが見えずらくなっている。
そんなことを考えているとスタートまで残り10秒を切っている。
──よーい……スタート!
一斉に走り出す。人の波に呑まれて一気に後ろまで追い出されてしまったがここからまだ挽回できる筈だ。
未だに左足がズキズキと傷む。
学校の校門を出たところで右に曲がろうとする。すると、足を捻って勢く地面に倒れる
sha「ぐェ…ッ!!」
腹を勢いよく打ってしまったため変な声出出てしまう。誰も見てないけど正直恥ずかしい。
ハァッ…ハァ……
腹が圧迫されて酸素が吸いずらい。
俺が必死に呼吸を整えようとしているところに鬼山先生が来た。
「大丈夫か!?sha!!」
sha「あ…はぃ…保健室行ってきます…」
「大きな怪我でもしていたら大変だ、早く行ってきなさい!!」
ズキズキと痛む左足を引きずりながら、保健室へ向かう。静かな廊下はなんだか寒気がした。
保健室の前に着くと、ドアを開ける。
あれ…先生いないのか…
薬品の匂いが香る保健室からは人の気配が感じられなかった。
しゃーない…職員室行くかぁ…
また重たい足を引きずりながら先程まで来た道を右に曲がる。
職員室に着くとrbr先生いた。
sha「あ…あの…rbrせんせ…」
俺が言い終わる前にrbr先生が言葉を発する。
rbr「sha…その足、怪我したのか!」
「保健室の先生いなかっただろ?その怪我放っておくわけにもいかないしな…」
「俺が特別に治療してやる。こっち来い」
手を引かれて保健室に連れて行かれる。
ちょっと強引過ぎん…??
sha「えっ…ぁ、ありがとうございます」
保健室につれていかれると、ソファーに座らせられる。
rbr「今、体育って駅伝の練習だよな?」
保健室の棚を探りながら話す。
sha「そうです…!」
rbr「確か…3km走るんだったよな?俺も学生の頃走るの苦手だったなぁ…」
sha「えぇそうなんですか?なんか意外」
rbr「んふ、そうやろ?よくこの話すると言われるんだよなあ」
「ほい、sha足だせ。」
sha「あ、はい!」
rbr「sha…足細いなぁ…ちゃんと食ってるか?」
sha「食べてますよ~!!」
rbr「そお?ならいいんだけど」
「ん、消毒するな。ちょっと痛むかもしれんけど少しの辛抱だ。我慢してくれ」
そう言うとコットンに消毒を染み込ませて俺の膝に優しく当てる。
sha「…いっったァ…!!!!」
あまりにも痛くて声を上げてしまう。
いくら触れ方が優しくても痛いものは痛いのだ。
rbr「こーら!!暴れるな!!」
sha「いやだァ!痛いもん!!」
まるで親子喧嘩のような会話を繰り広げる。
rbr「じゃーわかった!これが我慢出来たらみんなに内緒で飴やる、だから暴れるな」
sha「……いいよ 」
少し悩んだが、お昼の時間でちょうど腹減ってたしその契約に乗ってしまった
rbr「次捻った足首の方に湿布貼るからな。」
sha「はーい…」
rbr先生の方に足をやって湿布を貼り終わるまで待つ。
湿布が貼り終わると、ひと安心。
痛みは先程より引いたみたいだ。
rbr「はい、できた」
「これ、報酬な」
と、ポケットから取りだした桃色の飴を俺の手に乗せる。
rbr「これ、秘密な?」
唇に人差し指を当ててしー…というポーズをする
時計は12:14を指す
rbr「残り15分かぁ…今体育行ってもお前どうせ走れないだろ?」
「保健室で休んどきなさい。俺も休んじゃおっかな〜…」
そう言うと机に突っ伏してなんだか眠たそうな顔をする。
sha「えっいいんですか?」
rbr「いいの、生徒の健康が1番なんだから。」
「ほら、今のうちに飴食べてしまいな」
「せんせーもこの授業終わるまで少し寝るから…おやすみ…」
正直、先生がこんなことしていいのか1番の疑問だが俺は優等生だ。黙っておくことにしよう。
カコン、カラン。
口の中で飴を転がす。ほんのり甘い桃味が口の中に広がってとても美味しい。
にしても、暇だなぁ…あと12分…
なんしよ…rbr先生寝てるし。
あ、そうだ。rbr先生の手に落書きしちゃお!!
顔はやばいけど手なら落とせるし大丈夫だろ。
そこの机に転がっていた油性ペンのキャップを開ける。
…さーて何を書こうかな…
うーん…やりすぎはダメだし…取り敢えずにこちゃんマークでも書いとくか。
可愛いし大丈夫だろ
保健室の先生のデスクに突っ伏して寝ているrbr先生の手を取る
rbr先生の手あったか!!
人間カイロかよ…このままずっと握ってたい…
─キーンコーンカーンコーン…
sha「あ。」
rbr「ん…おはよぉ…」
終わりのチャイムでちょうど起きたrbr先生が目を擦りながら挨拶をする。
あまりにも動揺しすぎて動けない俺はその場で固まってしまう。
rbr「あ…?俺の手…」
sha「えっあのその、違うんですよ…えっと…その……」
言葉が詰まって出てこなかった俺に、rbr先生はニコッと笑いかける。
rbr「なぁーに寂しかったん…?」
「言ってくれれば一緒にそこのベッドで寝たのに。」
そう言いながら俺の手を握り返す。
sha「はっ……??」
動揺と恥ずかしさが一気に込み上げてきて全身が熱くなる。きっと今俺の顔は耳まで真っ赤だろう。
rbr「もう時間だから教室戻ろうか」
「寂しがり屋のsha君は俺と一緒にご飯食べるか??」
sha「……いいです!!ひとりで食べれますー!」
そんな会話をしながら2人で教室へ戻った。
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