🩷に恋していた💚のはなし

春が好きだ。

暖かくなり、花が咲き、世間が彼の色に染まる。

💚「今年も始まるね」

🩷「1年早いなー、今年も美味いのあるかな？」

横で花のような笑顔を見せる佐久間。

共通点ゼロの両思いなんて言われていて、悪い気はしない。

むしろ事実ならいいのに。

昨シーズンほんのりそれを感じて、1年かけて確信して、今年のこの季節には告白しようと決めていた。

かつて連絡先を交換して、俺が連絡をしたことで佐久間はみんなの輪に入れるようになったから感謝してると話していて、俺も同じ思いでいた。

色んな話をして、佐久間の好きなものを教えてもらって、旅行をして。

この人の特別になりたいと願うのは、自分の中で自然な流れだった。

この季節には、桜と抹茶のスイーツが数多く発売される。

たまたま見つけて、俺たちの色だねって話して食べたのが始まり。

年々バリエーションが増えるから、新作をチェックして、気になったものを一緒に食べに行くのが毎春のルーティン。

それから、桜が咲いたら見に行く。満開もいいけど、桜吹雪の頃に行きたい。

花弁に包まれる佐久間が本当に綺麗で、妖精みたいに見えるから。

春が好きだ。

今年は何を食べようか？と頭を寄せて相談して、桜が咲き始めて、時間の合う日を見て、そして毎年恒例となった花吹雪の中の花見に出かけた。