テラーノベル
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⚠️ こちらはd!の二次創作です ⚠️
死ネタ BL要素 が これから出てきます
地雷 彡 は 回れ右 !
病室を出たあと、ロボロはほとんど記憶がなかった。
どうやって病院を出て、どうやって家に帰ったのか。
気づいたら、玄関の鍵を閉める音が、やけに大きく響いていた。
rbr(……静かや)
電気をつけないまま、靴を脱ぐ。
部屋の中は、いつもと同じはずなのに、妙に広く感じた。
ソファに腰を下ろす。
背もたれに深く沈み込んだ瞬間、張りつめていた何かが、ふっと緩んだ。
rbr「……はぁ」
長い息が、勝手に零れる。
rbr(シャオロン、今日なに食ったんやろ)
そんなことを考えて、次の瞬間、自分で自分が信じられなくなった。
rbr(……ちゃう)
rbr(今考えること、そんなんやないやろ)
立ち上がろうとして、膝に力が入らなかった。
結局、そのままソファに崩れる。
rbr(……怖い)
声に出すと、思ったより震えていた。
頭の中では同じ問いがぐるぐる回る。
rbr(もっと早く気づけたやろ)
rbr(もっと、ちゃんと……)
手で顔を覆う。
その瞬間、指先に残っていた感触が、ふっと蘇った。
rbr(……あったかかった)
シャオロンの手。
弱くて、でも確かに生きている温度。
rbr「……っ」
喉が鳴る。
必死に堪えようとしたのに、意味がなかった。
rbr「……なんでや……」
声が、かすれる。
rbr「俺……何も出来ん……」
医者でもない。
恋人としても、完璧じゃない。
rbr「守るって……」
rbr「言ってたくせに……」
視界が滲む。
一滴、二滴。
気づいたときには、もう止まらなかった。
誰もいない部屋で、誰にも届かない願いが、床に落ちる。
rbr「……俺、まだ何も……」
言葉の続きは、嗚咽に変わった。
背中を丸めて、ソファに顔を埋める。
泣き声を殺そうとしても、無駄だった。
rbr(シャオロン……)
名前を呼ぶだけで、胸が痛む。
rbr(今日、約束したのに)
rbr(全部一緒にやるって)
涙が、止まらない。
震える肩を、両腕で抱きしめる。
rbr(明日、会うときは)
rbr(ちゃんと、笑わな)
シャオロンが望んだ「いつも通り」を、壊さないために。
朝の病室は、やけに明るかった。
カーテンの隙間から、柔らかい光が差し込んでいる。
シャオロンは、ベッドに座ったまま、窓の外をぼんやり眺めていた。
昨夜は、あまり眠れなかった。
それでも、不思議と心は静かだった。
コン、とノックの音。
sha「どうぞ」
ドアが開く。
rbr「おはよ」
いつも通りの声。
少しだけ高くて、軽い調子。
sha「……おはよう」
ロボロは、何事もなかったみたいに部屋に入ってくる。
紙袋を片手に、にこっと笑った。
rbr「朝飯、売店で買ってきた」
rbr「病院のよりマシやと思うで」
sha「ほんまに?」
rbr「保証はせんけどな」
冗談めかした口調。
自然な笑顔。
——でも。
sha(……あ)
シャオロンは、気づいてしまった。
笑っているのに、目が、笑っていない。
いつもなら、もっと緩むはずの目尻。
今日は、どこか張りつめたまま。
sha「……ロボロ」
rbr「ん?」
sha「昨日、ちゃんと寝れた?」
一瞬。
ほんの一瞬だけ、ロボロの動きが止まった。
rbr「寝れたで」
即答。
あまりにも早い。
sha(……嘘)
シャオロンは、何も言わなかった。
ただ、視線をロボロの手に落とす。
微かに、震えている。
sha「……無理、してない?」
その一言で、空気が変わる。
rbr「してないよ」
笑顔のまま。
でも、声が少しだけ硬い。
sha「ほんまに?」
ロボロは、返事をしなかった。
代わりに、シャオロンの前に紙袋を置く。
rbr「ほら、冷めるで」
sha「……ねぇ、ロボロ」
静かに、呼ぶ。
sha「俺、分かるよ」
ロボロが、顔を上げる。
sha「ロボロが、無理して笑ってるとき」
沈黙。
sha「昨日の夜」
sha「一人だったでしょ…?」
ロボロの笑顔が、ほんの少しだけ崩れた。
rbr「……」
sha「俺が見てないところで泣いてたやろ」
否定しない。
できない。
rbr「…………見抜くん、ずるいわ」
掠れた声。
sha「ずっと一緒におるんやから」
シャオロンは、そっと笑う。
sha「なぁ、ロボロ」
sha「無理して、強がらんでいいよ」
rbr「……でも」
sha「俺は、ロボロの笑顔も好きやけど」
一拍。
sha「泣いてるロボロも」
sha「ちゃんと、好きやで」
その言葉が、静かに落ちた。
ロボロは、俯く。
肩が、わずかに揺れた。
rbr「……ずるいなぁ」
sha「そっか」
小さく、笑う。
sha「でも」
sha「一緒におるって、そういうことやろ?」
ロボロは、ゆっくり息を吐いた。
ロボロは、しばらく黙ったまま、紙袋を片付けた。
いつもより、動きが少しだけ遅い。
rbr「……そろそろ行かなあかんわ」
sha「今日、仕事なんや」
rbr「うん」
rbr「昼には今日来れないと思う」
sha「そっか」
ロボロは、シャオロンの顔を見る。
何か言いたそうにして、結局、何も言わなかった。
rbr「……無理すんなよ」
sha「ロボロこそ」
一瞬目が合って、二人とも、同時に逸らした。
rbr「じゃあ、またな」
sha「うん。いってらっしゃい」
ドアが閉まる音。
その音が、やけに静かに響いた。
ロボロは、廊下を歩きながら、何度もスマホを握り直した。
振動していないことを確認しては、ポケットに戻す。
——仕事場に着いても、頭はほとんど働かなかった。
資料を開いても、文字が入ってこない。
同僚の声も、遠い。
昼休み。
ロボロは、意を決したように立ち上がり、上司のもとへ向かった。
rbr「……すみません」
rbr「少し、お時間いいですか」
短い説明。
細かいことは言わなかった。
「ちょっと事情があって、」
それだけで、十分だった。
上司は、しばらく黙ってから、頷いた。
上司「……分かった」
上司「長期、取れるように手続きしよう」
rbr「……ありがとうございます」
一方、その頃。
病室のドアが、静かにノックされた。
sha「どうぞ」
入ってきたのは、見慣れた後ろ姿だった。
sha「……母さん」
母は、ゆっくりと近づいてくる。
いつもより、少しだけ表情が固い。
母「調子は、どう?」
sha「まぁまぁ」
母は、シャオロンの顔をじっと見つめてから、椅子に座った。
母「……もう、聞いてるよ」
その一言で、シャオロンは悟った。
sha「……そっか」
母「先生からね、ちゃんと説明してもらった」
少し、間が空く。
母「退院してやりたいことがあるんでしょ?」
sha「……うん」
母は、バッグから書類を取り出す。
母「退院の手続き、しとくね」
sha「……反対、しないの?」
母「しないよ」
そう言って母は微笑んだ。
母「家、いつでも”帰ってきて”いいからね」
多分、母はもうなんとなく察しがついているんだろう。
だからきっとこんな言い方をしたんだと思う。
俺の選択肢を増やすために。
その後、母は少し片づけてから病室を出た。
病室に、再び静けさが戻った。
母の気配が完全に消えてから、シャオロンはしばらく、ベッドの上で動かなかった。
カーテン越しの光が、床にゆっくり伸びている。
sha(……退院、か)
口に出すと、まだ現実味がなかった。
ずっとここにいたせいか、「外に出る」ということ自体が、ひどく遠い。
sha(……ロボロ)
今頃、ちゃんと仕事してるんやろか。
無理、してないやろか。
スマホを手に取る。
画面を点けては、消す。
メッセージ画面を開いて、何も打たずに閉じる。
sha(今は、あかんか)
シャオロンは、天井を見上げた。
sha(ロボロに、言わなあかんこと……まだ、あるな)
sha(……帰る場所、か)
自分の家。
母のいる家。
そして、まだ口に出していない、もうひとつの可能性。
胸の奥が、微かに疼いた。
ロボロは、優しい。
だからこそ、きっと無理をする。
sha(ちゃんと、話さな)
シャオロンは、ゆっくりと息を吐いた。
そのとき、スマホが震えた。
画面に表示された名前に、心臓が跳ねる。
――ロボロ。
短いメッセージだった。
「昼、行けんくてごめんな。夜は行く。」
その文面だけで、いろんな感情が伝わってくる気がして、シャオロンは思わず笑ってしまった。
sha(……ほんま、不器用やな)
指を動かす。
「大丈夫やで。ちゃんと仕事してきて。待ってるから。」
送信。
既読がつくまで、ほんの数秒。
それでも、その時間がやけに長く感じられた。
返事は、すぐには来なかった。
シャオロンは、スマホを胸元に置いて、目を閉じる。
sha(ロボロと、話したい)
退院のこと。
これからのこと。
一緒におる、ってことの意味を。
まだ名前をつけていない未来が、 静かに、そこに待っている気がした。
夜の病室は、昼とは別の顔をしていた。
消灯前の薄暗い照明が、壁を柔らかく照らしている。
コン、と控えめなノック。
sha「……どうぞ」
ドアが開いて、ロボロが顔を出した。
スーツの上着を腕に掛けて、ネクタイは少し緩んでいる。
rbr「遅くなった。すまん」
sha「ううん」
ロボロは、いつもの位置に椅子を引いて座った。
少しだけ、疲れた顔。
それでも、シャオロンを見る目は、ちゃんと優しかった。
rbr「……今日、大丈夫やった?」
sha「うん。今日は、何ともなかった」
短い会話。
それだけなのに、距離が近い気がした。
少しの沈黙。
sha「……なぁ、ロボロ」
rbr「ん?」
sha「今日、母さん来てな」
ロボロの背筋が、わずかに伸びる。
sha「先生から、ちゃんと説明受けたみたいで」
sha「それで……」
一度、息を吸う。
sha「俺、退院するみたい」
“みたい”と付けたのは、まだ自分の中で整理しきれていないからだった。
ロボロは、すぐには返事をしなかった。
驚いた顔でも、反対する顔でもない。
ただ、ゆっくりと頷く。
rbr「……そっか」
その一言に、余計な感情はなかった。
受け止める、という意思だけがあった。
rbr「シャオロンが、そう決めたんやな」
sha「うん」
また、少しの間。
今度は、ロボロが口を開いた。
rbr「……俺もな」
sha「?」
rbr「今日、仕事で話してきた」
rbr「長期で休み取ることにした」
シャオロンの目が、わずかに見開く。
sha「……え」
rbr「理由、全部は言ってないけど」
rbr「事情あるって言うたら、通ったわ」
軽く言うけど、その裏にある覚悟は、痛いほど伝わる。
sha「……ロボロ」
rbr「俺な、」
ロボロは、視線を落としたまま続ける。
rbr「シャオロン一人にして、仕事するん ……もう、無理やわ」
ぽつりと零れた本音。
rbr「守るって言うたのに」
rbr「一番大事なときに、傍におらんとか」
rbr「……嫌や」
シャオロンは、何も言わずに聞いていた。
ロボロは、少し迷ってから、顔を上げる。
rbr「なぁ」
rbr「退院したあとなんやけど」
rbr「……一緒に住まんか?」
言い切りではない。
提案、というより、願いに近い声だった。
rbr「無理にとは言わん」
rbr「シャオロンの家もあるし」
それでも。
rbr「俺は……一緒におりたい」
シャオロンの胸が、ぎゅっと締めつけられる。
sha「……ロボロ」
rbr「看病とか、世話とか」
rbr「そんなん以前に」
ロボロは、少しだけ笑った。
rbr「普通に、一緒に生活したいだけや」
rbr「朝起きて、飯食って」
rbr「しんどい日は、何もせんでええって言える距離で」
病室の静けさが、その言葉を包み込む。
シャオロンは、しばらく黙っていた。
そして、ゆっくりと口を開く。
sha「……考えてた」
rbr「え?」
sha「退院したあと」
sha「帰る場所、どこにしよって」
ロボロの指先が、少しだけ動く。
sha「母さんと一緒に住んでる家もある」
sha「でもな」
シャオロンは、ロボロを見る。
sha「俺は、ロボロのところがいい」
sha「いっぱい迷惑かけると思うけど、でも、ロボロと一緒に過ごしたい」
rbr「………なら、決まりやな」
そう言ってロボロは少し笑った。
その後、ロボロは少し間を置いてから口を開いた。
rbr「……シャオロン」
sha「ん?」
rbr「……親御さんに、ちゃんと言わんとな」
sha「え?」
rbr「俺と一緒に住むって話」
rbr「ちゃんと、許可取らんと」
シャオロンは一瞬きょとんとして、すぐに小さく笑った。
sha「……たぶん」
sha「母さん、こうなるの分かってたと思う」
sha「今日の話し方も、顔も」
sha「何も言わんかったけど……」
sha「最初から、このことわかってる感じやった」
ロボロは、言葉を失ったまま聞いている。
sha「でも、ちゃんと話すよ」
sha「直接会って」
sha「ロボロと一緒に住むって言っても」
sha「……許してくれると思う」
rbr「……そっか」
短い返事。
でも、肩の力が少し抜けたのが分かった。
病室の時計が、静かに時を刻む。
rbr「今日は、もう遅いし休も」
sha「うん」
rbr「おやすみ、シャオロン」
sha「おやすみ、ロボロ」
灯りが落ちる直前。
シャオロンは、目を閉じながら思った。
——ちゃんと、生きる場所が決まった。と
コメント
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見るの遅くなったぁぁぁぁ…ッ 最近苦しい話多くて心が死にそうです、てか死にました。今回sha彡かっこいい…ちょっと男前なのまじてすこ…😇同棲尊いって、