テラーノベル
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⚠️ こちらはd!の二次創作です ⚠️
死ネタ BL要素 が これから出てきます
地雷 彡 は 回れ右 !
朝の病室は、夜よりも少し現実的だった。
カーテン越しの光が、規則正しく床に落ちている。
シャオロンは、ベッドの上でゆっくりと身を起こした。
まだ体は重いけれど、昨日ほどではない。
sha(……朝やな)
枕元のスマホに手を伸ばす。
画面を点けると、時間はまだ早かった。
sha(ロボロ、もう起きとるやろか)
そんなことを一瞬考えて、でも今日は別の相手に連絡を取る。
メッセージアプリを開き、母の名前をタップした。
少しだけ迷う。
文章を打っては消して、また打つ。
深呼吸してから、指を動かした。
「母さん、ちょっと話したいことがあって」
「今日、病院来てもらってもいい?」
送信。
既読がつくまでの数秒が、やけに長く感じられた。
スマホを握ったまま、天井を見上げる。
sha(……来てくれるよな)
不安というより、覚悟に近い気持ちだった。
ピコン、と小さな音。
画面を見る。
「分かった。午後には行けると思う。無理せず待っててね。」
短い文面。
でも、それだけで胸の奥が少し軽くなった。
sha(……うん)
スマホを置いて、ベッドに背中を預ける。
68,209
心臓の音が、いつもよりはっきり聞こえた。
sha(ちゃんと、言おう)
ロボロと一緒に住むこと。
許してもらう、というより——
知ってもらうために。
カーテンの向こうで、朝の病院が静かに動き始めていた。
朝の時間が、ゆっくりと過ぎていった。
点滴の交換や、簡単な診察。
看護師が出ていくたび、病室はまた静かになる。
シャオロンは、何度か時計を見た。
sha(……まだ、ちょっと早いか)
そんなとき、コン、とノックの音。
sha「どうぞ」
ドアが開いて、見慣れた顔が覗いた。
私服のロボロ。
昨日より、少しだけラフな格好。
rbr「おはよ」
sha「おはよう」
ロボロは部屋に入ると、自然にカーテンを少し開けた。
朝の光が、さっきよりもはっきり差し込む。
rbr「体、どうや?」
sha「ん〜、今日は割と楽」
ロボロは頷いて、いつもの椅子に腰を下ろす。
その仕草ひとつで、シャオロンの胸が少し落ち着いた。
少しの沈黙。
sha「……ロボロ」
rbr「ん?」
シャオロンは、息を吸ってから言った。
sha「今日な、昼に母さん来ることになってて」
rbr「……そっか」
ロボロは驚いた様子も見せず、ただ話の続きを待つ。
sha「そのときに」
sha「……同棲のこと、ちゃんと話そうと思ってる」
ロボロの指が、膝の上で一瞬だけ止まった。
rbr「……俺のことも、出すんやな」
sha「うん」
sha「隠す気もないし」
sha「ちゃんと、言いたい」
ロボロは、少しだけ視線を落としたあと、静かに口を開いた。
rbr「……なら」
rbr「俺も、一緒に居てもええか?」
問いかける声は、低くて落ち着いていた。
でも、その奥に覚悟が滲んでいる。
sha「……居ってくれるん?」
rbr「当たり前やろ」
rbr「シャオロン一人に言わせる気、ないし」
rbr「一緒に住むんは、俺の希望でもある」
その言葉に、胸がじんわり熱くなる。
sha「……ありがとう、嬉しい」
ロボロはその言葉を聞いて嬉しそうに笑った。
rbr「昼まで、まだ時間あるな」
sha「うん」
二人は、並んで窓の外を見た。
病院の敷地を行き交う人。
変わらない日常。
sha(でも、俺らは)
sha(今日、ちゃんと前に進む)
昼が近づくにつれて、 不安は消えなかった。
でもそれ以上に、「一人じゃない」という事実が、確かにそこにあった。
病室の時計が、静かに正午へ向かって進んでいく。
昼前、病室のカーテン越しに差し込む光が、やけに眩しかった。
ベッドに腰掛けたまま、シャオロンは落ち着かない指先でシーツをいじっている。
ノックの音がして、扉が開いた。
sha「……あ、母さん」
扉の向こうから現れたのは、シャオロンの母だった。
状況を一目で察したのか、ロボロを見ると少しだけ驚いた顔をする。
rbr「初めまして。シャオロンと、お付き合いさせていただいています。ロボロです」
ロボロは深く頭を下げた。
その様子を見て、シャオロンの母はくすっと小さく笑った。
母「そんなに畏まらなくていいわよ。シャオロンからあなたの話はよく聞いてるわ。いつもありがとう」
母「それで……今日は、何か話があるんでしょう?」
空気が、少しだけ張りつめる。
シャオロンはロボロを見た。
ロボロも、シャオロンを見る。
先に視線を外したのは、シャオロンだった。
sha「……俺な」
一度、言葉を探すように間を置く。
それから、ゆっくりとロボロの方を見て、続けた。
sha「病院出たあとも」
sha「……ロボロと居たい」
母が何か言う前に、ロボロが小さく息を吸った。
rbr「これは……」
ロボロはシャオロンの方へ、半歩だけ近づく。
病室の真ん中じゃなく、ちゃんと“隣”に立つ距離。
rbr「俺の気持ちとして聞いてほしいんですけど」
母の方へ視線を向けつつも、最後はシャオロンを見る。
rbr「俺は、世話したいから一緒に居るわけじゃなくて、支え合いたいから、そばに居たいんです」
その言葉に、シャオロンの喉が小さく鳴った。
sha「……俺も、守られたいんやなくて」
sha「一緒に、生きたい」
短く、でもはっきりと。
母は二人の様子を黙って見つめていたが、 やがて静かに口を開いた。
母「……それで、あなたたちは」
母「一緒に暮らす、という選択をしたのね」
rbr「はい」
sha「……うん」
同時だった。
母は少し驚いたように目を瞬かせてから、ふっと、肩の力を抜いた。
母「もちろんいいわよ」
その一言に、病室の空気がふっと緩む。
sha「……え」
思わず、声が漏れた。
母「だって、シャオロンに、そんな顔で“一緒に居たい”なんて言われたら」
母「反対する理由、ないでしょう」
そう言って、穏やかに笑う。
母「まぁ、条件があるとしたらね」
母「無理はしないこと」
母「二人で抱え込まないこと」
母「それだけよ」
rbr「……それは、はい。必ず守ります」
まだ少し硬い声。
でも、さっきよりも力が入っていない。
母はロボロの方を見て、少しだけ目を細めた。
母「あなた、真面目ね」
母「そんなに構えなくていいのよ」
rbr「……あ、すみません」
母「でも、シャオロンのこと」
母「ちゃんと大事にしてくれるのが分かるわ」
その言葉に、ロボロの肩がわずかに下がった。
rbr「……はい」
rbr「いや、その……」
rbr「大事に、します」
敬語が、少しだけ崩れる。
それを聞いた瞬間、シャオロンの胸の奥で、張り詰めていた何かが音を立ててほどけた。
sha「……はぁ」
気づかないうちに、息を止めていたらしい。
ベッドに深く背中を預ける。
母「ほら」
母「そんな顔」
母はくすっと笑って、シャオロンの頬を軽く指でつついた。
母「安心したんでしょ」
sha「……うん」
sha「めっちゃ」
力が抜けて、声も少し弱くなる。
ロボロはその様子を見て、少し困ったように、でも嬉しそうに笑った。
rbr「……ほんまに、良かった」
その一言は、もう完全に“仕事の人”じゃなくて、
ただの恋人の声だった。
病室の窓から、昼の光が静かに差し込む。
何かが解決したというより、ちゃんと認められた、そんな感覚。
sha(……これでいい)
sha(これで、ちゃんと一緒にいられる)
そう思えた。
母は、ゆっくりとロボロの方を向いた。
表情は穏やかで、でもどこか改まっている。
母「……それじゃあ」
母「これから、この子のこと、よろしくお願いします」
そう言って、深く頭を下げた。
ロボロは、一瞬だけ目を見開いてから、すぐに背筋を伸ばした。
今度は、さっきよりもはっきりと。
rbr「……はい」
rbr「俺にできることは全部します」
rbr「シャオロンと、ちゃんと一緒に生きます」
言い切りだった。
敬語は残っているのに、もう距離はなかった。
母はその答えを聞いて、満足そうに微笑む。
母「ありがとう」
母「……じゃあ、私はそろそろ行くわね」
シャオロンの方を見て、柔らかく言う。
母「無理しないで楽しんでね」
sha「……うん」
母はもう一度だけ二人を見てから、病室を出ていった。
ドアが閉まる音が、静かに響く。
——沈黙。
さっきまで確かにあった緊張が、行き場を失ったみたいに、ゆっくり溶けていく。
シャオロンは、天井を見たまま、ぽつりと呟いた。
sha「なんかさ」
sha「一気に、現実きた」
rbr「分かる」
rbr「さっきまで、心臓バクバクやったわ」
そう言って、ロボロは大きく息を吐く。
rbr「……許可出て、ほんまに良かった」
sha「うん」
sha「ロボロが居てくれたからやな」
ロボロは一瞬だけ照れたように視線を逸らしてから、話題を変えるみたいに言った。
rbr「退院したらさ」
rbr「まず、何したい?」
sha「え?」
sha「ん〜、何やろ」
少し考えてから、ゆっくり答える。
sha「とりあえずゆっくりしたい」
rbr「ん、ええよ」
sha「あと」
sha「ロボロん家のソファ、昼間に使いたい」
rbr「それ、絶対寝るやつやん」
sha「ええやん、寝かせてや」
そんなやりとりに、自然と笑いがこぼれる。
rbr「飯はどうする?」
rbr「最初は、俺が作るか?」
sha「……期待していいやつ?w」
rbr「努力はする」
sha「不安やな」
二人で笑う。
さっきまでの重さが嘘みたいだった。
sha(あぁ、退院って)
sha(終わりやなくて、始まりなんや)
病室の中で、まだ先の生活を、当たり前みたいに話している。
それが、こんなにも嬉しい。
窓の外では、昼の光が変わらず差し込んでいた。
でも、シャオロンには少しだけ、世界が明るくなったように見えた。
退院当日の朝は、思っていたより静かだった。
いつもと同じ病室。
同じ白い天井。
それなのに、今日は「最後」だと思うだけで、見え方が少し違う。
ベッドの横には、ひとつのバッグ。
必要最低限の荷物だけが詰め込まれている。
着替え、充電器、書類。
それから——あの小さなメモ帳。
sha(……これだけなんやな)
すごく少ない。
昨日のうちに、母がほとんどの荷物をロボロの家に運んでくれていたらしい。
母「必要なものは揃ってるから」
そう言って、笑って。
シャオロンは、ベッドの縁に座ったまま、バッグの持ち手に手をかける。
sha(……よし)
ゆっくり立ち上がって、バッグを持ち上げようとした、その時。
rbr「それ、俺が持つ」
すぐ隣から、当たり前みたいな声。
sha「……え、いいよ」
sha「そんな重くないし」
そう言いながらも、指先に力が入る。
思ったより、身体が言うことをきかない。
ロボロは、その様子をちゃんと見ていた。
rbr「重い軽いやなくて」
rbr「俺が持ちたい」
そう言って、シャオロンの手から、そっとバッグを取る。
奪うみたいじゃなく、預かるみたいに。
sha「……ありがと」
それだけ言うと、ロボロは小さく笑った。
rbr「どういたしまして」
病室を出る前、シャオロンは一度だけ、振り返る。
何度も見てきたはずの部屋。
苦しかった夜も、眠れなかった朝も、全部ここにあった。
sha(……もう、戻ってこない)
そう思うと、少しだけ胸が詰まる。
でも。
隣には、ロボロがいる。
手ぶらの自分と、バッグを持ったロボロ。
同じ方向を向いて、並んで立っている。
rbr「行こか」
sha「……うん」
ドアが閉まる音が、静かに響いた。
廊下の空気は、病室より少し冷たくて、少し広い。
歩くたびに、床の感触が足裏に伝わる。
sha(歩いてるだけなのに)
sha(なんか……すごいな)
エレベーターに乗る。
数字が一つずつ減っていく。
rbr「家、もう準備できてるで」
rbr「布団も干したし」
rbr「冷蔵庫も、昨日ちょっとだけ埋めた」
sha「……ほんまに?」
rbr「信用ないな」
rbr「まぁ、料理は期待せんといて」
sha「それはさっきから不安やねん」
小さく笑う。
エレベーターが止まり、扉が開く。
外の光が、一気に差し込んできた。
病院の玄関。
外の世界。
sha(……出た)
胸いっぱいに息を吸う。
少し冷たい風が、頬を撫でた。
rbr「大丈夫か?」
sha「……うん」
sha「大丈夫」
そう答えながら、ロボロの袖を、ほんの少しだけ掴む。
離れないための仕草じゃなくて、 「一緒に行く」って確認するみたいに。
ロボロは何も言わず、そのまま歩幅を合わせてくれた。
退院は、終わりじゃなかった。
ちゃんと、続きがある。
ロボロの家へ。
二人の生活へ。
シャオロンは、空を一度だけ見上げてから、前を向いた。
車が止まる音がして、エンジンが切れた。
一気に、静かになる。
rbr「……着いたで」
その一言で、シャオロンの胸が小さく跳ねた。
シートベルトを外しながら、窓の外を見る。
見慣れない建物。
でも、どこか“生活の匂い”がする場所。
sha(……ここか)
ドアが開いて、外の空気が流れ込む。
病院の前とは違う、少しだけ温度のある風。
ロボロは先に降りて、トランクからバッグを取り出す。
sha「……ほんまに、来たんやな」
無意識にこぼれた声。
ロボロはそれを聞いて、少しだけ笑った。
rbr「せやな」
玄関の前に立つ。
鍵を回す音が、やけに大きく聞こえた。
カチャ。
ドアが開く。
rbr「……どうぞ」
一瞬、足が止まる。
中は、まだ“他人の家”の匂いがした。
ロボロ一人の生活の空間。
sha(踏み込んでいいのかな)
そんな迷いを察したみたいに、ロボロが言う。
rbr「遠慮せず、入ってええよ」
シャオロンは、小さく頷いて、一歩踏み出す。
床の感触。
病院とも、実家とも違う。
sha(……あ)
胸の奥が、じんわりする。
rbr「とりあえず、座る?」
rbr「ソファ、あるから」
sha「うん、そうする」
案内されるまま、ソファに腰を下ろす。
少し硬くて、でもちゃんと人の生活が染みついてる。
ロボロはバッグを置いて、少しだけ部屋を見回した。
rbr「まだ、シャオロンのもん全然ないけど」
rbr「これから、増えてくから」
その言葉が、やけに現実的で。
sha「……俺さ」
sha「帰る場所、できたんやな」
独り言みたいな声。
ロボロは、少し驚いた顔をしてから、静かに答えた。
rbr「最初から、ここは二人分にするつもりやったで」
その一言で、胸がぎゅっとなる。
sha「……そっか」
言葉が、それ以上続かない。
ロボロは、シャオロンの前に立って、少しだけ視線を落とす。
rbr「無理せんでええよ」
rbr「今日は、座ってるだけでええから」
sha「……うん」
ソファに沈みながら、天井を見る。
知らない天井。
でも、不思議と怖くない。
sha(……ここから、始まるんや)
キッチンの方から、生活音が聞こえる。
ロボロがコップを出す音。
rbr「水、飲む?」
sha「飲む」
当たり前みたいなやりとり。
それが、こんなにも嬉しい。
シャオロンは、ソファに深く身を預けて、目を閉じた。
ここは病室じゃない。
でも、ちゃんと休める場所。
ロボロの家。
そして——
sha(……これからは俺らの家)
そう思えた。
夜になって、キッチンから音がする。
rbr「よし……いけるやろ……」
rbr「……たぶん」
sha「その“たぶん”が一番怖いねんけど」
そう言うと、ロボロは振り返らずに笑った。
rbr「今日は自信ある」
rbr「簡単なやつやから」
しばらくして、テーブルに並んだのは、 ちゃんとした夕食だった。
焦げてもないし、すごく良い匂いがする。
sha「……え」
sha「普通に、美味しそうなんやけど」
rbr「“普通に”は余計や」
一口食べて、シャオロンは目を丸くする。
sha「美味しい……」
その言葉に、ロボロは少しだけ照れたように、視線を逸らした。
rbr「そんならよかった」
sha「これなら、全然いける」
二人で並んで食べる夕食。
病院じゃない。
時間制限も、消灯もない。
*
食後、風呂の準備ができて。
rbr「一人で入る?」
sha「……一緒がいい」
rbr「ん、じゃあそうしよ」
湯気の立つ浴室は、静かで、あたたかい。
肩まで浸かって、シャオロンは小さく息をついた。
sha「生き返る〜」
rbr「それは大袈裟やろ」
そう言いながらも、ロボロの声はどこか安心していた。
湯船の中で、肩が触れる。
それだけで、十分だった。
*
夜。
ベッドに並んで横になる。
電気を消すと、部屋は一気に静かになる。
シャオロンの指先が、少し迷ってから、ロボロの手を探す。
ロボロは何も言わず、すぐに指を絡めた。
sha「……離れん?」
rbr「離れんよ」
それだけ。
手を繋いだまま、同じ天井を見つめる。
病室の白じゃない、知らない天井。
sha(……ここが、これからの場所)
呼吸が、少しずつ揃っていく。
rbr「おやすみ」
sha「……おやすみ」
そのまま、ゆっくり眠りに落ちていった。
不安は、まだある。
先のことも、全部は分からない。
それでも—— この夜は、確かに「幸せ」だった。
コメント
2件
同棲生活始まったぁぁぁぁ!!!やりたいことリスト達成していってくだせえ sha母優しすぎて心がブラックホールぐらい大きんじゃないかって思った…((心はブラックじゃないよ、多分真っ白