一生として夜になることのないこの場所は
神の間と言われている
そして…その神の間は取締役というのがあり
いわば神の使いという”死者”がいる
死者と言えば少し違うかもしれないが
殆ど変わりはない
私は今までこの悲しい空間で様々な人間に会ってきた
そしてこの前
不思議な若造がここに彷徨ってきた
炎鳥がここまで彼を導いたらしい
初めはただの手違いだと思った
だけど…話をよくよく聞くとある懐かしい名があがった
私が我が子のように愛した女子オナゴ…
誰よりも翡翠目が似合う少女だった
だが…
彼女とはあることがきっかけに死に別れになってしまった
私はてっきり彼女はもう死んでしまった…
けれども状況はあまり良くない
だからその若造は私に頼み事をしにきた
その頼みごとを叶え終わったら…
tn「ぅ゙ッ…!ぉ゙えッ!ベチャベチャ…」
吐き気が止まらなかった
何度吐いてもまた胃から廃棄物が出される
あの顔に貼られた”嘘”の笑顔が思い出されるだけで苦しくなる
tn「師匠ッ…ズルッ…」
俺には分かる
師匠が本当に笑うときはいつも綺麗で
太陽のように美しい
だけど…今の師匠の笑い方は違う
たしかに美しいのは美しい
だけど太陽ではなく月のような嘘をついた笑顔…
人とは本能で自分のみを敵から守るときに自然に体が動いてしまうらしい
師匠の場合表情だ
自分を守るために笑顔を作ってる
救いたい
あなたの笑顔がもう一度見たい
だからどうか…
どうか…
tn「グッ…!」
tn「待ってて下さいッ…!」
ヒスイ「……」
gr「…(まるでいつもと変わらないように見える…だが…」
目は溺れて濁った瞳をしていた
まるでもうこの世に興味のない目だ
きっとそれは…
gr「…私のせい……何だろうな…」
あの日…私が…俺が…
彼女の大切なものを奪うのではなく…守れば…
トト「パパぁ~…?.。o○」
トト「どこにいってるのぉ…?.。o○」
ローアン「えッ?!あッ!ママを探してるんだよ!」
ローアン「ママ今日なんか遅いなぁって!」
トト「どうしてえ?ママはいつも遅くても帰ってくるよ…?」
ローアン「あッはははッ…w」
そんなことは分かってた
きっといつも通りに笑顔で何だかんだで帰って来る
でも今日は何だか違う
いや、ここ最近ずっと
帰ってこなくなるんじゃないかと
俺は昔から危険が近寄ると体が勝手に動いてしまう
でも逆に、運命を呼び寄せる
そして…
俺は彼女に出会った
町外れの”お鶴さん”という年いった叔母様がいらっしゃる場所で
いつも通りにパンをお裾分けに行くつもりだった
そしたら彼女に出会った
ここらへんでは見ない綺麗な翡翠色の目をしていた
俺と同い年なのに何処か神秘的…
でも…どことなく悲しそうな目をしていた
初めの頃はなかなか話さず無口な少女
でも話そうと努力をしているうちに
少しずつ心の鎖はとれていった
気づいたら彼女は笑っていた
こんなにも美しく笑う少女を俺は見たことがなかった
その後俺等は結婚して、第一子を授かった
ヒスイさんは嬉しそうにそれを抱えて笑った
”こんなに幸せなのは初めて”って…
そんな彼女の笑顔が失うのが怖かった
別に俺が死ぬのは構わない
まあ…でもせめて…
gr「はぁ゙…はぁ゙…」
トト「パッ…パぁ゙ッ…ウルッ…」
ローアン「……ドロッ…」
トト「パパぁ゙ッッ!!ザッザッ!」
gr「ッッ!!ガシッ!」
トト「アガッ!?」
gr「ごめんッ…弱くてごめんッ…ギュッ!」
トト「ぁ゙ッ…マッ…マぁ゙ッ…ポロ…」
トト「トサッ…」
gr「あぁ゙ッ…ぅ゙あぁ゙ぁ゙ッ…!」
gr「ごめんなさいッ…ごめんなさいッ…ごめんなさいッ…!」
そんな言葉を彼は死んだトトの体に向かって言った
白い雪に埋もれるとともに言葉も消えていった…
ヒスイ「…カツカツ」
tn「……」
ヒスイ「(まるで別人ね…私の知ってる無邪気な男の子じゃないわ…」
ヒスイ「(恨んでるのかしら…」
彼の瞳に輝きはなかった
ただただ暗闇に続く瞳だけがこちらを向いていた
ヒスイ「……怒っているの?ニコ」
tn「…怒ってます……」
ヒスイ「フフッw」
ヒスイ「だって私は貴方達の敵何だもの…あそこで暮らした仲の良い人じゃないわ」
ヒスイ「仕方のないことよ…でもまた今度一緒n(((」
tn「俺が怒ってるのはそこじゃない…」
ヒスイ「……」
tn「…それはッ…過去にトト・ルーシェルとローアン・ルーシェルを失ったからでしょうッ?」
ヒスイ「なぜその名前を…」
tn「でもきっとッ!!彼らはそんなことを望んでないッ!」
tn「分かってますッ…部外者である俺がッ…こんなことに口を出してはならないとッ…」
tn「でもッ!!俺にとって師匠はッ!!」
ヒスイ「……」
tn「だかr((((」
ヒスイ「貴方に…何も知らない貴方にッ…」
ヒスイ「何が分かるのッ…?」
tn「ッ…」
ヒスイ「知ってる風にしてるのは何度だって見てきた…」
ヒスイ「でもッ…本当は誰も私の本心に気づいてくれないッ…」
ヒスイ「ねぇ…教えて…?」
今にも泣きそうな顔でそういった
俺は何も言えなかった
この瞬間しかあの力を使えるチャンスはないのかもしれないのに
そしてその後に悲劇がおきた
ハウス国からの宣戦布告を…
そして…再び古い歯車は動く
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コメント
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最高です!