テラーノベル
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サーカスでは、犬の三輪車は可愛いらしく、ライオンの火の輪くぐりでは皆がどよめき、道化師の手品は面白く、空中曲芸では息を飲んだ。
私は目をまん丸くして、そんなサーカスを見ていた。
「あぁ!
ライオンが!」
「犬が三輪車に!?」
「道化師失敗してございまする!」
そんな私の実況中継に、ガーイル様は面白そうに笑っていた。
そして、16時頃にサーカスも終わり、そろそろ帰ろうとしていた時、ガーイル様は真剣な眼差しで私に言った。
「ソフィア国に来ぬか?」
「はぁ…?
今来ておりまするが…」
「いや、そうでは無い。
俺の妃として来ぬか?という事だ。」
「き…さ…き!?
まさか!
私がでございますか!?」
「そんなに驚く必要もあるまい。
初めて会った時から、そなたに惹かれていた…」
「………」
私はどう答えて良いか分からなかった。
ただ…私の心に浮かぶのは…
「誰か好きな相手でもおるのか?
いや、だとしても俺は身を引かぬ。
そなたが好きだ。」
あぁ…
こんな一途なセリフをもしも言ってくれたなら…
そんな事をぼんやり思っていると、ガーイル様は私の肩をもち、顔を近づけてきていた。
え!?
キスされる…!?
そう思った、その時。
私の唇は大きな手で覆われていた。
「そこまでだ、ガーイル!」
シャルルダルク様の声が聞こえる。
「全く油断も隙もない。」
レガット様の声もする。
そうして、私はレガット様とシャルルダルク様に連れられて馬車に押し込まれ、メイス国に帰って行ったのだった。
「お2人とも、どうしてあの場所が?」
「なんとなくよ…」
シャルルダルク様が答える。
見ると、シャルルダルク様はずいぶん汗をかかれているようだ。
「偶然だよ。」
レガット様も同じぐらい汗をかいている。
私は「そうでございますか。」といって、心の中で笑った。
後宮に着き、部屋に帰ると、サリーやレイラ、ミモザがワクワクした様子で私を出迎えた。
「どうだったのでございますか!?」
「どうもこうも…
シャルルダルク様とレガット様に強制送還させられただけで…」
私は簡単に状況を説明する。
「あら、では、誰かとラブラブになる、とかでは無いのですねぇ…」
サリーが残念そうに言った。
「あるわけなかろう。」
私は呆れて言う。
ドレスを脱ぎ、化粧を落とし、髪をまとめて、いつものワンピースに着替えると、私は薬部屋に行こうとした。
「まぁ、また薬部屋でございますか?」
サリーが呆れたように言う。
「だ、だ、だめなのか?」
「マリーナ様には、薬草よりも、恋愛の勉強が必要かと思われます!」
サリーがピシャリと言う。
とりあえずそれを聞き流して、私は相変わらず薬部屋に向かった。
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