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なんかセカキク人気みたいなので便乗します((
今回はフェリ菊です!
それではどうぞ!
空が急に曇り、ざあっと雨が降り出した。
菊は慌てて通りすがりの屋根のある場所に駆け込み、立ち止まる。
「あっ……雨、降ってきましたね……」
ずぶ濡れにならないか心配しながら、周りを見回すと――フェリシアーノが傘を差して現れた。
「菊、こんなところで濡れてどうしたの?」
「え、えっと……急に雨が……」
フェリシアーノはにっこり笑い、さっと傘の端を菊に向ける。
「……え、いいんですか?」
「もちろん!さ、入って!」
傘の下に身を寄せると、自然と肩や腕が触れる距離になる。
菊の頬がほんのり赤くなるのを、フェリシアーノは楽しそうに見ている。
「雨の日って、ちょっとドキドキするね」
「……えっ……?」
「だって、こんなに近くで菊を見られるんだもん!」
菊の胸が跳ねる。
「そ、そんなこと……!///」
「ふふ、冗談だよ……いや本当かも…さて、どっちだろうね?笑」
フェリの息が耳元にかかり、思わず背筋がぞくりとする。
「寒くない?」
「だ、大丈夫、です……///」
「そっか。なら、もう少し一緒に居よっか!」
雨音に混ざる二人の笑い声。
自然と手が触れる距離で、フェリシアーノがさりげなく肩を支えたり、
傘の先を少し傾けて菊を守る。
菊は心臓が早鐘のようになりながらも、安心感に包まれる。
「……こんなにドキドキする雨宿り、初めてです…///」
「ふふん、俺と一緒だからね!」
「も、もう……フェリシアーノ君……!///」
フェリシアーノは微笑んで、そっと菊の手を握る。
「大丈夫、無理に動かなくてもいい。今はこの雨と、俺と一緒の時間を楽しもう?」
「………はい…!」
雨の中、二人はしばらくその場で立ち止まり、肩を寄せ合ったまま、静かに過ぎゆく時間を感じていた。