コメント
1件
注意
○ネタ
🌸☄️
学パロ
誤字脱字有
⎯⎯⎯⎯⎯⎯⎯視点入れ替わり線
「せんせー。みこの彼女に伝えるのはみこが死んだ後にして貰えないでしょうか?」
「わかりました。」
「彼女に見守られながら死にたいんですよ。」
「病室にいましょうか。」
ピーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
一定の高い音。電信図モニターの音が病室の中で鳴り響く。
私の大好きだった人が目の前で死んだ。
「ねぇ!!!おきてよ。目を覚まして!!!」
何度声をかけても手は冷たいまま。感情が高ぶり私は膝から崩れ落ちてしまった。
星街さん。落ち着てください、と言われても、私は目の前で亡くした。救えなかった。大好きな人も。彼女の死因は、ストレス等からくる癌である。私は癌ということを知らなかった。だって、教えてもらってないもん。
「知っていたら、みこちを救えたのかな…。知っていたら、最期まで幸せにできたのかなぁ…。ねぇみこち。私ってみこちの方に行くことってできるかな」
寂しさと失ったことに受け止めきれない想いがあり、ポロッと言いたくもない言葉が溢れ出る。出したくない、いや出してほしくないはずなのに溢れ出る言葉が、吐き出る。
「がんって、よくあるんだね。知らなかったなぁ。ずぅーっと一緒に居たかったな。死別がよかったな。」
願うことばかりで、叶ってやいない。叶うはずがないもん。
「お腹空いた。みこち家流のご飯作って食べようかな。」
しばらく食べていなくて。前みこちが楽しく作っていたシチューを作ることにした。
作れた。もちろん野菜は入っていない
「いただきます。」
「…。なんか甘い。あれ、こんな味だっけ。わかんない。もっと美味しかったはず。なに、これ。」
「ふははっ…野菜いれればよかったかな…。」
みこちが亡くなる前に作ってもらったシチューが、味を忘れてしまった。もっと濃厚なはずで、こんなに甘くない。この味が嫌いになりそうで早く口に含み飲み込んだ。食えはするけど、みこちのシチューが食べたい。
「ぅ、 おえっ…。」
みこちの以外食えないのかな。わかんなくなってきて、とりあえず吐けば、大丈夫と思ってトイレで喉を強く抑えて吐いた⎯。
「す、すいせい先輩!!!」
「ん?」
「すいせい先輩ってこのぬいぐるみ好きでしたよね?…」
「あー。うん、そうだよ。」
「あ、あげます!!!!」
「ありがとう笑」
ミントグリーンじゃない、濃ゆい緑色がいい。私はその人に会いたい。家に帰って、そのぬいぐるみを、強く抱き締めた。その瞬間、みこちがクレーンゲームで取ってきてくれたぬいぐるみ をすいちゃん!とってきたにぇ!!って笑顔でいってくるみこちを思い出した。
「そういえばすいちゃん。記憶の忘れ方って、知ってる?」
「なにそれ。知らない」
「記憶の忘れ方は、最初に声を、次に顔を、最後に思い出を忘れるんだってさ。マリンこの前Tik○okで見ました。」
「へぇ~?」
「ぺこらのこと絶対にマリン忘れませんからね!!!」
「うるさいぺこ。」
「あはは。てぇてぇすんなって~」
「酷いなぁみこちは…。『最初に声を、次に顔を、最後に思い出を忘れる』 か…。 もう、顔も思い出せないな。私が写真あんまり撮りたくなくて、撮ってこなかったのに、こういう時に写真って役に立つんだね。最期に笑ってた顔みたかったなぁ⎯。