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(アメリカ目線)
「ぅ”……」
相当眠っていたらしくて、もうお昼になってた
日差しが眩しくて、目元に手で日陰を作りながら起き上がる
目が乾いて痛い
まずはお風呂に行かないと
体を洗わずソ連に会いに行くわけにも行かない
すぐに服を脱ぐ
返り血が固まってしまっていて、もうこれを着ることは出来ないなー、と思った
ズボンにも血がついていた
お気に入りの服を丸めてゴミ箱に入れ、タオルを持ってお風呂に行く
シャワーで顔や手についた血を洗い流す
「俺、ケッコー愛されてんじゃん……」
ソ連が俺を庇ってくれたことを思い出しながら、またポロポロと涙を流してしまう
お風呂から出て、体を拭きながらスマホを弄る
アメ「今日はお仕事休みます」
国連から大量に来ていたメールに一文で返して、通知音をオフにする
髪を乾かし、綺麗にセットする
我ながらいい出来じゃん、といつもだった自画自賛をするが、そんな余裕は今の俺にはなかった
歯を磨きながら、今日着ていく服を選ぶ
シンプルなのにしようかな、と考えていたのに、緩めなニットにジーパンという謎のスタイルになった
今の俺は頭もよく回らないらしい
いそいそと服を着て、カバンを持って花屋に出かける
どこがいいかな
センスの良さそーな花屋がいいかなー、と考えながら歩いていると
ふと、足が止まる花屋があった
かなり年季の入った店で、一言で表せばボロ
でも、それがなんとなくよくて、惹かれるままその店に入った
愛想の良さそうな少年の見た目の国が奥から出てくる
〈いらっしゃいませ!て…わわ!アメリカさん!?
こんな花屋に来ていただけるなんて光栄ですっ!〉
…
なんだかコイツを見てると、昔の俺を思い出すなぁー…
今よりは真面目だった昔の俺
ソ連に会った時はこんなだっけ?
ソ連さん!いつも見てますっ!社会主義と資本主義で対立する仲なんですけど、仲良くしてください!
なーんて、言っちゃってさ
ソ連にめっちゃ引かれた記憶しかない
「はは、そんな大層なやつじゃないよ、俺は
それより…、急ぎで花束を作って欲しいんだけど…頼める?」
〈勿論です!
どのような花束をご希望ですか?〉
「そーだねー…」
赤
青
黄
ソ連のイメージカラーて奴?
「赤多め、青と黄色が少し入った感じの花束って作れる?」
〈はい!アメリカさんの希望に沿えるよう、頑張ります!!〉
スゲーいい奴だなー、と素直に思った
数分間、〈こんな花はどうですか?〉とか、〈この青色、紫色っぽいんですけど入れていいですか?〉とかめちゃくちゃ聞いてきた
最後の質問は
〈恋人様用ですか?ご家族様用ですか?〉
俺は迷うことなく
「恋人用で」
と答えた
手際よく作られた花束は、すごく綺麗で、目を奪われるほどだった
「おぉ…お前スゲーな…
こんな綺麗な花束、初めてみた…」
〈そそ、そんなことないですよ!
お褒めいただき、光栄ですっ!〉
「ここの花屋、たびたび通わせてもらうね
あぁ、そのために店改造とかしなくていいから
このままの花屋でいてね」
〈分かりました!
またのご来店お待ちしてます!〉
「うん
これ、料金何ドル?」
〈えぇと、25ドルです〉
「OKー、はいどーぞ」
〈ありがとうございます!
次も誠心誠意、作らせていただきます!〉
「うん…
ありがとうね」
誠心誠意…か
いい言葉だなー
今度どこかで使ってみよ
そんなことを思いながら、お辞儀をしている花屋の少年を背にして店から出て行った
めちゃくちゃいい花束が買えて、本当に良かったと上機嫌で病院に向かう
病院に入れば、ソ連のいる病室に案内してもらった
ソ連はHCUというハイケアユニットにいた
個室で、安らかに寝ていた
モニターに写っている心電図が正常な状態で、かなり、凄く安堵した
直ぐにソ連にかけ寄る
ソ連には無数の管が繋がっていて、みているこっちが痛々しかった
でも、生きていてくれるだけでいい
それだけで凄く、幸せだった
ソ連は昨日からずっと眠ったまま
いつ目が覚めるかは分からない
だいぶ内臓が傷つけられていて、回復が遅いからなんだとか
そこまで看護師さんが話してくれたところで、病室のドアが開く音がした
入ってきたのは親父だった
片手に大きめの花瓶を持っていた
[やはり、来ると思いましたよ]
看護師さんが気を利かせて出て行く
「……なんでいんだよ」
[それは、私がソ連さんの主治医だからですよ]
そう言ってお得意のスマイルを向けてきた
俺は直ぐに顔を逸らす
[……ソ連さん、だいぶ重症で
目が覚めてもこれからの生活に支障が出るかもしれません]
「は?……どんな…」
[左足の神経が半分ほど切れてしまっているんです
治るまで車椅子の生活になりますね]
「…」
そんなに酷い傷を負っても、一声も叫ばなかったのがソ連の我慢強さを物語っている
また、俺の目から涙が出て来た
「ごめん…、ごめんなぁ……ソ連…」
座ったまま俯いて、ソ連に謝罪をする
[…]
イギリスもいたたまれないという顔をしていた
[では、私はこれで…]
「親父…
昨日の質問だけどさ、OKとだけ答えておく」
足を止めた親父が、驚いた様にこちらを振り返った
そして俺はまっすぐ、親父の顔を見て続ける
「でも、条件付き」
[なんでしょう…]
「ソ連を…絶対に助けて
それが条件」
そう述べるとイギリスは
[ええ、必ず]
と言って、病室から出て行った
ソ連の側にある机に、花瓶置いて、花束を慎重に飾る
ふと気付くと、ソ連の眼帯が取れているのが髪の毛の間から見えた
ソ連の片目、実はナチスドイツの眼球が移植されているらしい
傷つけたのもナチスドイツ、治したのもナチスドイツ……
俺はアイツが大嫌い
ソ連に一生のトラウマを植え付けたんだ
許せない
でも、今はそんな怒りに燃えることが出来ず、ただソ連の右頬に触れ続けた
寝顔も綺麗だな
綺麗に飾れた花束とソ連を交互に見て満足し、静かに病室から出て行った
続く