浴室の中でわたしとシオドール殿下は見つめ合う。
ドクドクドクドクと、わたしの心臓が物凄い音を立てる。
シオドール殿下の髪、濡れていて、いつもよりも色っぽい……。
対してわたしはいつもと変わらず、人質の証のリボンに長髪……水滴でボサッとなって……恥ずかしい。
「あ、あの、シオドール殿……」
「煩(うるさ)い。黙れ」
シオドール殿下は野獣化した右腕で肩を抱き、
左腕で少し上からわたしの頭を抱え込むようにして抱き締めた。
後頭部の髪に左の指を入れ、ぐしゃりと掴む。
髪が痛い。
なんて冷たい抱き方なんだろう。
胸が張り裂けそう。
それでも、黙れと命じられたから、心を殺すしかない。
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