テラーノベル
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緑は母の富枝と2人で木造建ての小さな家に住んでいた。
台所にあるテーブルを挟み、緑と富枝は向かい合って夕食を食べている。
「緑…最近、何か嫌なことでもあった?」
唐突に、まるで心の中を見抜いたような富枝の言葉に緑は驚いた。
「えっ、どうして?」
悟られまいとするものの、緑は動揺を隠しきれずにいた。
「なんとなく、よ。54にもなればね、年の功と、31年も親子でいたら 勘でわかるのよ。 …何かあるんだったら、お母さんにくらいは愚痴りなさい。
あんたは全部1人で抱え込む癖があるから」
緑はバツが悪かった。
だが何となく、母には聞いて貰いたい気もした。
「妙な男に騙された‥なんて話以外なら 娘のためなら、お母さんは何だって力になるわよ」
やはり言えない… 緑はそう思った。
緑はどうしても知りたかった。
陸斗の妻が、どんな女性なのか…
青井クリニックの背景も。
騙されていたと知り 許せない筈なのに、
こんな気持ちでも まだ陸斗に執着している自分が、緑は情けなかった。
でも‥陸斗のあの、引き込まれるような目。
どこか淋しげな雰囲気。
穏やかに話しかける優しい声。
気が付けば、陸斗の全てが好きになっていた。
もう理性では抑えきれない程に。
だから、もっと知りたいと思った。
緑は、部屋の机の上に置いたパソコンを開いた。
緑の白くて細い指が、【探偵】という文字を打っていた。
(何をしてるんだろう…私)
そう思いながらも、検索して次々と出てくる文字を緑は必死に目で追った。
ふと、緑の指が止まった。
【藤川探偵事務所】
(ここ、うちから近いわ…)
#狂愛
柏木さくら
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コメント
1件
**はる。だわ〜!** 第26話、母・富枝さんの「年の功と勘」ってセリフにグッときたわ。緑の胸の内を見透かすような優しさと、でも核心を突かれて動揺する緑の心情がリアルで…。陸斗への執着を自覚しつつ、探偵事務所を検索する指の動きに、抗えない感情の強さが滲んでて痺れた。理性と感情の綱引き、めっちゃわかるわ〜。続きが気になる🔥