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ゴンッ
机に突っ伏した拍子におでこをぶつけた。
…いてぇ。
「どしたん?」
おぉ、西田。エマージェンシーだ…緊!急!事!態!が起きてしまった…。
「そんなこの世の終わりみたいなリアクションして」
そう言うと西田は私の手から一枚の紙をするっと抜き取った。
「こりゃひどいわ。わっかりやすく点数取れてないね、苦手教科」
「……ご明察」
現在、七時間目・数学・テスト返し。
成瀬双世、2年生最初の中間テストにして数IIの点数25点!!!!…堂々の赤点。
どうしてこんな目に……と言いたいが、原因は明白だ。
そうっ!私成瀬想世は、転生者なのだ!!
…まぁつまり、前世では高校3年生の夏に死んでしまったから「高2のテストなんて(°▽°)」とものすご〜く油断してしまった…我ながら短絡的だわさ。
「中間試験の補修は無いぞー」
おっ、耳寄り情報かっ!
「だが、今回赤点だった奴ら…期末試験ではもれなく夏休み毎日補修だからな。赤点取ったこと後悔させてやるよ」
オワタ…。このままじゃ、『夏地獄』まっしぐらだ。
「にぃ〜しぃ〜だぁ〜〜〜」
「お疲れさん」
余裕の笑みを浮かべるクールビューティーギャル西田詩遥はこう見えて頭が良い。何気に全教科80点代だし。
「妾に数学を教えたまえください」
「無理。人に教えるの苦手だし」
「出たっ!薄情西田っ!」
「数IIの先生に頼んで教えて貰えばいいじゃん」
そう言って先生の方を軽く見遣ったので、それに倣って私も前に顔を向ける。
数IIの七宮龍月《ななみや たつき》先生は普通の先生だ。眼鏡で短髪ぐらいの印象しか無く、授業を受けていてもこれといった強い癖は感じない(うちの担任みたいな大癖があるのも困りものだが)。
うん。男性免疫が皆無な私でも接しやすそうだし、何より期末テストも赤点なのは相当まずい…私に選択の余地無し。
「七宮先生。期末テストで赤点回避したいので数IIを教えて頂いてもよろしいですか? 」
「お、志高いな。もちろん、いつでも聞きに来るといい」
「ありがとうございます」
よしっ!今日から心機一転、勉強頑張るぞ!
「珍しくやる気満々じゃん、成瀬」
「あたぼうよっ!夏休みといえば青春、青春といえば夏休みだからね!!!いっぱい遊んで楽しい思い出たっくさん作りたいの!!!!」
「青春への執着が尋常じゃないな」
「待ってて夏休みっ!!待ってて青春っ!!」