テラーノベル
アプリでサクサク楽しめる
i .
720
33
2,225
『笑っている君が、一番心配だった。』
「何も聞かない」
翌日
昼休み
けちゃ「ちぐー!お昼食べよー!」
ちぐさ「うん!」
6人でいつものように机を囲む。
ぷりっつ「今日の弁当うまそうやな!」
ちぐさ「ほんと?一口食べる?」
ぷりっつ「ええん!?」
まぜ太「お前、毎回人の弁当狙うな。」
ぷりっつ「ええやん!」
あっと「ふふ。」
みんなで笑う。
ちぐさも笑っていた。
そのとき。
けちゃ「ちぐ。」
ちぐさ「ん?」
けちゃ「昨日、あっきぃと何話してたの?」
一瞬。
ちぐさの箸が止まる。
ちぐさ「……。」
5人がちぐさを見る。
けれど。
あっきぃ「けちゃ。」
けちゃ「ん?」
あっきぃ「今は聞かなくていいんじゃない?」
けちゃは少し考えて――
けちゃ「……そっか。」
ちぐさ「……。」
けちゃ「じゃあ聞かない!」
にこっ。
ちぐさ「……ありがとう。」
放課後
6人は教室に残っていた。
ぷりっつ「なぁ、今日何して帰る?」
まぜ太「俺はどっか寄る気ないぞ。」
ぷりっつ「えぇー!」
けちゃ「じゃあ学校で遊ぼ!」
あっと「何して?」
けちゃ「んー……。」
けちゃが考える。
けちゃ「……お絵描き!」
まぜ太「小学生かよ。」
ちぐさ「いいじゃん!」
ぷりっつ「ちぐが言うならやる!」
机の上に紙を広げる。
けちゃ「僕、あっきぃ描く!」
あっきぃ「え、俺?」
けちゃ「うん!」
ぷりっつ「俺はまぜ!」
まぜ太「やめろ。」
ぷりっつ「もう描いてる!」
あっと「俺は誰描こうかな。」
ちぐさ「俺、けちゃ描く!」
けちゃ「えっ!?」
ちぐさ「似てるでしょ?」
ちぐさが描いた絵を見せる。
けちゃ「……。」
ちぐさ「どう?」
けちゃ「……。」
ちぐさ「けちゃ?」
けちゃ「誰これ!?」
ぷりっつ「www」
まぜ太「ひでぇ。」
あっと「特徴は……あるね。」
あっきぃ「うん、ある意味そっくりw」
みんなで大笑いする。
ちぐさも笑っている。
少しして。
みんなが絵を描くことに夢中になっている中。
ちぐさが小さく呟く。
ちぐさ「……。」
ちぐさ(何も聞かれないって。)
(こんなに楽なんだ。)
今までなら。
誰かに「どうしたの?」と聞かれるだけで。
無理に笑わなきゃと思っていた。
でも。
今は違う。
話したくなったら話せばいい。
話したくないなら。
ただ一緒に笑っていればいい。
あっきぃ「ちぐちゃん。」
ちぐさ「ん?」
あっきぃ「絵、見せて。」
ちぐさ「やだ!」
あっきぃ「なんでw」
ちぐさ「恥ずかしいから!」
けちゃ「僕も見たい!」
ちぐさ「だめー!」
みんなが笑う。
その笑い声の中で。
ちぐさは思った。
ちぐさ(……ありがとう。)
ちぐさ(何も聞かずに、一緒にいてくれて。)
そして。
その日も6人は。
いつも通り、笑って帰った。
――第20話・終わり。
コメント
6件